【3197】すかいらーくホールディングス(東証プライム) NT
現在値 1,591円/100株 P/E --.- P/B 2.28 12月配当優待 6月優待
「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」等のファミレスの運営。
配当基準日は6月末・12月末の年2回ですが、配当予想は未定となっています。
すかいらーくは株主優待として6月末・12月末の単元株主に対し、2,000円分のお食事券を年2回進呈しているため、優待利回りは約2.51%となります。なお、1,000株までは持株数に応じた優待券がほぼ正比例で追加されます。
業績は下記の通りです。IFRSとなります。
■2018年12月期 売上高 3,663億円、営業利益 228億円 EPS 58.0円
■2019年12月期 売上高 3,753億円、営業利益 205億円 EPS 48.0円
■2020年12月期 売上高 2,884億円、営業利益▲230億円 EPS▲87.2円
■2021年12月期 売上高 2,645億円、営業利益 182億円 EPS 40.7円
■2022年12月期 売上高 3,120億円、営業利益 5億円 EPS▲8.7円 ce修正
□2022年6月2Q 売上高 1,451億円、営業利益▲24.2億円 EPS▲12.2円
□2022年9月3Q 売上高 2,218億円、営業利益▲41.8億円 EPS▲20.2円(11/11)
2022年6月中間期の売上高はYoY+17.0%の2,218億円、営業利益はYoY▲28億円の▲24.2億円となり、増収減益となりました。予算前提の既存店売上高(SSS)は2019年比90%でセットしていたものの、特に地方都市においてインフレによる客離れが深刻だったほか、感染者数の拡大や若年家族層の来店敬遠もあり実績75.6%に沈みました。他方で利益面については、インフレによる原価・水光熱費の増加にくわえ、給与計算にかかる一過性損失(▲20億円)と減損計上により赤字に転落しています。
2022年12月期の通期見通しは中間で修正しており、売上高がYoY+17.9%の3,120億円(期予:3,360億円)、営業利益はYoY▲97.3%の5億円(期予:100億円)に大幅減額しています。予算前提SSSを2019年比通期90%から、実態見合いで3Q78%/4Q91%に置き直しており、足許既開示10ヶ月分の月次累計は79.7%で進捗しています。出退店は出店15店&転換15店の計画に対し、3Q実績で出店8・転換15・閉店37で他要因も含め純減29店となっています。利益面については、インフレ原価増を107億円に増額(食材51億円、水光熱費39億円、人件費17億円)したほか、配膳ロボの償却費計上もあり、トップライン減収影響も含め一段と切り下がります。
進行期である2022年12月期も中計の公表は見送られており、2025年~迄の“ロードマップ”の公表で代替されています。①第Ⅰ期:2020~2021年を既存店強化徹底期間、②第Ⅱ期:2022~2025年を通販・外販強化と海外本格出店期間、③第Ⅲ期:2025年~をMA活用による外部成長と中食・内食の取り込み強化期間、としてそれぞれ位置付けています。各フェーズ毎に業績の数値目標は無く、これらはあくまでも補足資料的な位置付けに留まっています。
目下の取組事項としては、ネコ型の配膳ロボットの導入を年末迄に3,000台配置する計画でしたが、3Q時点で2,654台の設置が完了しており、店舗あたり1時間/日の人件費削減に繋がっているほか、子供客の集客効果にも一定程度寄与している模様です。このほか、各種ポイントカードや決済・クーポンに対応した新型POSレジの導入を進めているほか、首都圏店舗のセルフレジ利用率上昇が顕著であり、会計スピードが従来のおよそ半分まで短縮されています。
なお新業態の開発については、30~40代女性を想定顧客とした点心食べ放題「桃宮園」の1号店を町田市鶴川に出店したほか、ドライバーやシニアの蕎麦嗜好客を想定した蕎麦業態の「八郎そば」を開発し、こちらの1号店を白岡市に出店しています。「桃宮園」は南関東でドミナント展開する方針としている一方、「八郎そば」は全国ロードサイドでの展開を予定しています。
他方、財務面においては2021年に144Aでグローバルオファリングを実施しており、426億円もの巨額調達を実施しています。本件取組と昨年の助成金受取もあり、目下の自己資本比率は37.3%で高止まりしている状況です。既にコベナンツ抵触も排除していることから、株主還元(配当金年12円)を一度復活させた経緯があるものの、進行期の急速な業績悪化により、足許の配当予想は再び未定に変更されています。
*参考記事① 2022-06-01 1,566円 NT
【3197】すかいらーくHD/予算前提の既存店ハードル高く、助成金大幅減少も痛手。
*参考記事② 2021-11-10 1,553円 NT
【3197】すかいらーくHD/海外公募増資で426億円を調達、投資再開の体制が整う。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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