【3277】サンセイランディック(東証スタンダード) OP
現在値 1,029円/100株 P/E 7.1 P/B 0.69 12月配当 6月株主優待なし
権利関係が複雑な不動産を買い取り、関係調整したうえで再販。
配当は6月末・12月末に合計33円のため、配当利回りは約3.21%となります。
サンセイランディックは2023年6月末進呈分を以って株主優待制度を廃止しています。
業績をチェックしていきます。
■2020年12月期 売上高 177億円、経常利益 7.0億円 EPS 42.3円
■2021年12月期 売上高 168億円、経常利益 9.9億円 EPS 73.5円
■2022年12月期 売上高 155億円、経常利益 12.8億円 EPS 129.1円
■2023年12月期 売上高 235億円、経常利益 18.0億円 EPS 143.4円 ce修正
□2023年6月2Q 売上高 119億円、経常利益 14.2億円 EPS 114.3円
□2023年9月3Q 売上高 194億円、経常利益 20.1億円 EPS 161.3円(11/14)
2023年6月期の売上高はYoY+46.7%の119億円、経常利益はYoY+70.9%の14.2億円となり、対前・対計画で大幅な増収増益となりました。底地販売事業は案件数こそ減少したものの、大型案件の寄与で増収となり、居抜き(地上げ)事業もエリア開拓中の西日本が好調に推移しました。他方で仕入についても、YoY+29.2%の91.3億円と過去最高の仕入高を確保し、居抜き・所有権は減少したものの、底地は大型案件の仕入れに成功し、大幅増となりました。
なお2023年12月期の見通しは2Qで増額しており、売上高はYoY+51.3%の235億円(期予:171億円)、経常利益はYoY+46.3%の18.0億円(期予:13.0億円)に修正しています。期末時点の棚卸資産が過去最高(236億円)だったほか、上述のとおり上期の仕入も好調だったことから、正常化による在庫消化の進捗により、販売件数も一段増が見込まれます。利益面についても、トップラインの大幅増で人件費やDX投資といった費用増を飲み込みます。なお11月14日公表の3Qは売上高194億円&経常益20.1億円と過達状態であり、上振れが確実の公算です。
当社は2024年12月期を最終年度とする中計で、向こう3年で経常利益を9.9億円→16.5億円まで引き上げる計画ですが、不動産市況高騰による利ザヤ急拡大で1年前倒しで超過達成圏にある状況です。取組方針として、①既存事業拡大、②業容拡大、③経営基盤強化の3点を挙げています。①は従来の属人的仕入体制から、BIを活用したデータ分析やSFAを活用した営業面のKPI管理にくわえ、WEBマーケティングを強化します。②はイレギュラー案件やMA/アライアンスの活用を志向しており、静岡県で地元企業と提携したライダーハウス事業を開業します。
また、岩手県の八幡平温泉郷で後継者不足に悩むペンションの事業承継・有効活用とエリアの再活性化投資案件(0.5~1.0億円/案件、目標利回り8~15%で年2案件程度)に取り組むほか、底地のクラウドファンディング(CF)は第10回募集まで実施し、合計11.7億円を調達しています。CFについては募集利回りも第1回募集こそ3.0%だったものの、足許の第10回募集では2.0%まで下げることに成功しており、着実な事業拡大が見て取れます。
財務の状況については、仕入強化で在庫水準を大幅に積み増しているため、自己資本比率はここ1~2年で急悪化したものの、販売好進捗によるキャピタルリサイクリングが進み、依然として39.9%と良好な財務水準を維持しています。配当金は5円増配の年33円配(配当性向23.0%)を予想しています。
*参考記事① 2023-04-21 869円 OP
【3277】サンセイランディック/仕入残高は過去最高水準まで膨れる、販売進捗に注目したい。
*参考記事② 2022-05-19 835円 NT
【3277】サンセイランディック/仕入れ不調で棚卸残は低調、業績可視性が低い印象。
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