【3277】サンセイランディック(東証スタンダード) OP
現在値 869円/100株 P/E 8.4 P/B 0.64 12月配当 6月株主優待
権利関係が複雑な不動産を買い取り、関係調整したうえで再販。
配当は6月末・12月末に合計29円のため、配当利回りは約3.34%となります。
サンセイランディックは株主優待を導入しており、単元株を1年以上保有する6月末の株主に対して、500円分のクオカード進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.91%となります。また、2単元以上を1年以上保有する場合は、缶入りの保存パン等が選べるカタログギフトの進呈があります。
業績をチェックしていきます。
■2020年12月期 売上高 177億円、経常利益 7.0億円 EPS 42.3円
■2021年12月期 売上高 168億円、経常利益 9.9億円 EPS 73.5円
■2022年12月期 売上高 155億円、経常利益 12.8億円 EPS 129.1円
■2023年12月期 売上高 171億円、経常利益 13.0億円 EPS 102.6円 ce
□2023年6月2Q 売上高 86.4億円、経常利益 7.4億円 EPS 59.4円 ce
2022年12月期の売上高はYoY▲7.7%の155億円、経常利益はYoY+28.4%の12.8億円となり、売上高は減収未達も、利益は増収過達となりました。主力の底地販売事業については、新型肺炎禍における交渉時間の長期化傾向が改善傾向にあり、減収ながらも利益は想定超となったほか、居抜き(地上げ)事業も大型案件割合増で、大幅な成約件数減にも拘わらず増益を確保し、全般的に好採算化が進みました。また仕入についても、大型案件増加により、全事業で大幅な数量増となっています。
進行期である2023年12月期の予算については、売上高がYoY+5.9%の171億円、経常利益はYoY+1.7%の13.0億円と増収増益を予想しています。終わった期の仕入れが過去最高だったことから、期初時点でYoY+103億円増の236億円と非常に高位の水準を確保しており、経済活動正常化にともなう在庫の消化が期待されます。また、不動産市況が高止まりしているため“高値売り”に期待がかかる一方で、人件費やDX投資といった費用増により増益幅が鈍くなります。
当社は2024年12月期を最終年度とする中計で、向こう3年で経常利益を9.9億円→16.5億円まで引き上げる計画ですが、初年度を終えて依然ハードルが高い印象です。取組方針として、①既存事業拡大、②業容拡大、③経営基盤強化の3点を挙げています。①は従来の属人的仕入体制から、BIを活用したデータ分析やSFAを活用した営業面のKPI管理にくわえ、WEBマーケティングを強化します。②はイレギュラー案件やMA/アライアンスの活用を志向しており、静岡県で地元企業と提携したライダーハウス事業の開業を予定しています。
また、岩手県の八幡平温泉郷で後継者不足に悩むペンションの事業承継・有効活用とエリアの再活性化投資案件(0.5~1.0億円/案件、目標利回り8~15%で年2案件程度)に取り組むほか、底地のクラウドファンディングは第7回募集まで実施し、合計6.5億円を調達しています。第1回募集利回りこそ3.0%だったものの、直近の第8回募集では1.7%まで下げることに成功しており、投資家の裾野拡大が進んでいる模様です。
財務の状況については、仕入強化で在庫水準を積み増しているため、自己資本比率は直近一年で1,330bps.急悪化したものの、依然として38.1%と良好な財務水準を維持しています。配当金は1円増配の年30円配(配当性向28.2%)を予想しています。
*参考記事① 2022-05-19 835円 NT
【3277】サンセイランディック/仕入れ不調で棚卸残は低調、業績可視性が低い印象。
*参考記事② 2021-11-24 809円 OP
【3277】サンセイランディック/足許業績はとりあえず復調も、仕入れ難化が重し。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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