【3277】サンセイランディック(東証スタンダード) NT
現在値 835円/100株 P/E 6.5 P/B 0.66 12月配当 6月株主優待
権利関係が複雑な不動産を買い取り、関係調整したうえで再販。
配当は6月末・12月末に合計27円のため、配当利回りは約3.23%となります。
サンセイランディックは株主優待を導入しており、単元株を1年以上保有する6月末の株主に対して、500円分のクオカード進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.83%となります。また、2単元以上を1年以上保有する場合は、缶入りの保存パン等が選べるカタログギフトの進呈があります。
業績をチェックしていきます。
■2018年12月期 売上高 168億円、経常利益 16.4億円 EPS 119.6円
■2019年12月期 売上高 180億円、経常利益 17.5億円 EPS 137.1円
■2020年12月期 売上高 177億円、経常利益 7.0億円 EPS 42.3円
■2021年12月期 売上高 168億円、経常利益 9.9億円 EPS 73.5円
■2022年12月期 売上高 182億円、経常利益 11.4億円 EPS 91.5円 ce
□2022年3月1Q 売上高 44.4億円、経常利益 4.1億円 EPS 45.5円(5/13)
□2022年6月2Q 売上高 82.9億円、経常利益 7.6億円 EPS 81.1円 ce
2021年12月期の売上高はYoY▲5.3%の168億円、経常利益はYoY+40.9%の9.9億円となり、売上高は減収・未達も、利益は増収・過達となりました。主力の底地販売事業については、新型肺炎禍の一巡により間延び伸びしがちであった商談リードタイムが改善したことから、増収・増益を確保しました。他方、居抜き(地上げ)事業については4Qでの期ズレにより大幅減収となったほか、所有権事業は概ね横ばいとなりました。なお、仕入については、全事業で数量増となったものの、大型案件の剥落や物件の小型化により居抜き・所有権の仕入高はYoY▲30~40%の大幅減となっています。
進行期である2022年12月期の予算については、売上高がYoY+8.3%の182億円、経常利益はYoY+14.3%の11.4億円と増収・増益を予想しています。終わった期の仕入れが不調だったことから、棚卸高が低調なスタートとなるものの、大幅減となった居抜き事業の反発が見込まれます。尚、5月13日に開示済の1Qについては、売上高・利益ともにYoY2桁減で進捗しており、会社側説明にあった期ズレ案件がなお顕在化していないものとみられ、引き続き見通しは不透明な状況です。
当社は今般、2024年12月期を最終年度とする新中計を策定しており、向こう3年で経常利益を9.9億円→16.5億円まで引き上げる計画とし、取組方針として①既存事業拡大、②業容拡大、③経営基盤強化の3点を挙げています。①については、仕入れにおけるデータ分析や営業のKPI管理に取り組むほか、②ではイレギュラー案件やMA/アライアンスの活用を挙げていますが、何れも具体性に乏しく、目標の計数水準まで押し上げる程のインパクトがない印象であるほか、非課税の底地売上割合が増加すると控除対象外消費税負担が重くなり、トップライン比で利益が潰される格好となります。
なお、業容拡大策の一例としては、八幡平温泉郷(岩手県)において後継者不足に悩むペンションの事業承継・有効活用とエリアの再活性化に取り組むものの、1案件の投資額は0.5~1.0億円、まずは年間2案件(目標利回り8~15%)といったスケール感のため、収益化には相当の時間を要する見込みです。それ以外では、底地クラウドファンディングをローンチしており、第1回募集利回りこそ3.0%だったものの、直近の第5回募集では1.7%まで下げることに成功していることから、こちらは多少の成果が出ている模様です。
財務の状況については、長らく低還元を続けてきたことから、自己資本比率もなお5割を超過(51.4%)して余裕があるため、配当金については1円増配となる年25円配(配当性向29.5%)を予想しています。ただ仕入難により資金需要が後退していることから、低位なバリュエーションを考慮すると自社株買いが望まれる局面ではあります。
*参考記事① 2021-11-24 809円 OP
【3277】サンセイランディック/足許業績はとりあえず復調も、仕入れ難化が重し。
*参考記事② 2021-05-03 835円 OP
【3277】サンセイランディック/新型肺炎禍で営業期間さらに長期化、株主還元は強化へ。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
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