【3277】サンセイランディック(東証1部) OP
現在値 809円/100株 P/E 13.2 P/B 0.65 12月配当 6月株主優待
権利関係が複雑な不動産を買い取り、関係調整したうえで再販。
配当は6月末・12月末に合計25円のため、配当利回りは約3.09%となります。
サンセイランディックは株主優待を導入しており、単元株を1年以上保有する6月末の株主に対して、500円分のクオカード進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.70%となります。また、2単元以上を1年以上保有する場合は、缶入りの保存パン等が選べるカタログギフトの進呈があります。
業績をチェックしていきます。
■2017年12月期 売上高 130億円、経常利益 16.6億円 EPS 134.5円
■2018年12月期 売上高 168億円、経常利益 16.4億円 EPS 119.6円
■2019年12月期 売上高 180億円、経常利益 17.5億円 EPS 137.1円
■2020年12月期 売上高 177億円、経常利益 7.0億円 EPS 42.3円
■2021年12月期 売上高 183億円、経常利益 7.6億円 EPS 59.8円 ce
□2021年6月2Q 売上高 91億円、経常利益 6.3億円 EPS 48.3円
□2021年9月3Q 売上高 131億円、経常利益 9.4億円 EPS 66.0円(11/12)
2021年6月中間期の売上高は前年同期比9.0%増の91億円、経常利益は同2.1倍の6.3億円となり、期初予想を上回って進捗しました。主力の底地販売事業の取扱件数については、新型肺炎禍の前年より3割増えたほか、前期末計上予定だった期ズレの居抜き混在案件の計上もあり大幅増となりました。一方、居抜き(地上げ)事業の取扱件数は27件へ減少したものの、好採算案件割合の増加で増益を確保しています。他方、仕入高については所有権を中心に会社計画を大幅に下回っており、同半減の45億円という低水準に留まっています。
なお、2021年12月期の通期見通しは期初のものを据え置いており、売上高は前期比3.4%増の183億円、経常利益は同7.5%増の7.6億円を見込んでいます。期初時点の仕入残高増を背景に、底地販売・居抜きともに増収を計画しており、特に底地販売は大幅増となる見通しです。当社は例年2Q、4Qに数字が偏重する傾向があるものの、11月に開示済の3Qでは売上高131億円&経常利益9.4億円をマークしており、利益に関しては既に過達状態となっていることから、仕入の弱さが気になるものの、とりあえず今期は問題無しと言えそうです。
終わった2020年12月期は3年中計の最終年度であり、当初は経常利益19.0億円を業績目標としていましたが、新型肺炎禍で売主や関係者とのコンタクトが制限され、交渉が停滞したことから、終わってみれば7.0億円という大幅なマイナス成長を強いられました。特に借地権については、買う際も売る際も交渉が長期間に渡りやすく、性質上オンライン営業も不向きであることから、その構造的な苦しさが現れているような状況です。そのため、新中計は状況不透明を理由に今現在も未公表となっています。
市況環境については、ホテル素地の需要が減少しているものの、マンション素地や戸建用地への引き合いは強いことから、居抜き・所有権の出口価格の伸長が期待出来る状況です。ただその一方、仕入価格も競合激化と融資態度の軟化継続を背景に高止まりしており、足許はこの仕入難の状況が色濃く出ている状況です。他方、近年は販売手数料(課税)のかかる居抜き・所有権物件の構成比増加により、非課税売上割合の多い当社は控除対象外消費税負担が重くなっていましたが、ここ1年程は所有権物件の販売が激減したことから、利益率の改善がみられます。
財務の状況については、長らく低還元を続けてきたことから、自己資本比率もなお5割を超過(54.8%)しています。また足許の仕入難も相俟って、資金需要も一旦後退していることから、上場来初の自社株買い1.6億円(2.3%)に踏み切るなど、株主還元を強化しています。そのため、配当金についても年25円配の据置が予想されていますが、順調な業績進捗を鑑みれば、此方は積み増される公算が高いと考えています。
*参考記事① 2021-05-03 835円 OP
【3277】サンセイランディック/新型肺炎禍で営業期間さらに長期化、株主還元は強化へ。
*参考記事② 2020-05-11 749円 NT
【3277】サンセイランディック/中計マイナス成長の可能性孕むも、追加の株主還元余地は大きい。
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