【3197】すかいらーくホールディングス/戻り鈍いが最悪期は脱した印象、好財務で復配。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3197】すかいらーくホールディングス(東証プライム)  NT

現在値   1,864円/100株  P/E 423.6  P/B 2.71  12月配当優待 6月優待

「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」等のファミレスの運営。
配当金は12月末に年3円のため、配当利回りは約0.16%となります。

すかいらーくは株主優待として6月末・12月末の単元株主に対し、2,000円分のお食事券を年2回進呈しているため、優待利回りは約2.30%となります。なお、1,000株までは持株数に応じた優待券がほぼ正比例で追加されます。

業績は下記の通りです。IFRSとなります。  

■2020年12月期 売上高 2,884億円、営業利益▲230億円 EPS▲87.2円

■2021年12月期 売上高 2,645億円、営業利益 182億円 EPS 40.7円 

■2022年12月期 売上高 3,037億円、営業利益▲55.7億円 EPS▲28.0円 

■2023年12月期 売上高 3,550億円、営業利益 60.0億円 EPS 4.4円 ce

□2023年3月1Q 売上高 845億円、営業利益▲3.8億円 EPS▲2.9円(5/15)
□2023年6月2Q 売上高 1,650億円、営業利益 15.0億円 EPS 1.3円 四e

2022年12月期の売上高はYoY+14.8%の3,037億円、営業利益はYoY▲237億円の▲55.7億円となり、中間時点の減額見通しを大きく下回りました。予算前提SSSは2019年比90%で見込んでいたものの、新型肺炎禍による若年家族層の来店敬遠、地方都市におけるインフレ起因の客離れ等が響き、実績81.3%に留まりました。利益面については、10月に実施した値上げが寄与したものの、インフレによる原価・水光熱費の増加にくわえ、給与計算にかかる一過性損失(▲20億円)と減損計上(▲55億円)の計上で大赤字に沈みました。

進行期である2023年12月期の予算については、売上高がYoY+16.9%の3,550億円、営業利益はYoY+115億円60億円と大幅な増収増益を見込みます。予算前提SSSを2019年比通期98%(総日商)、出退店は出店40~50店&転換30~40店を見込む一方、ネット退店超で純減50店の計画です。利益面については、平常化による早朝営業・深夜営業の再開によるトップラインの回復のほか、終わった期で実施した値上げの通期寄与と一過性の減損剥落等により大幅回復を見込みます。

 

この事業年度も中計の公表は見送られており、2025年~迄の“ロードマップ”の公表で代替されています。①第Ⅰ期:2020~2021年を既存店強化徹底期間、②第Ⅱ期:2022~2025年を通販・外販強化と海外本格出店期間、③第Ⅲ期:2025年~をMA活用による外部成長と中食・内食の取り込み強化期間、という位置付けながらも、各フェーズ毎に業績の数値目標は設定していません。

 

進行期はこの②第Ⅱ期にあたり、セルフレジの導入を推進するほか、話題のネコ型の配膳ロボットの導入については目標の3,000台に達しており、顧客満足度向上と人件費削減に一定の効果を発揮しています。このほか、インフレ対策として①取引先購買交渉(▲10億円)、②MD改革(▲8億円)、③メニューミックス変更(▲10億円)等により、年▲30億円の原価低減に取り組みます。

 

新業態については、バーミヤンと食材MDが共通する点心食べ放題「桃宮園」の1号店を町田市鶴川に出店しており、南関東のドミナント展開で年20店の出店を目指します。また、蕎麦業態の「八郎そば」の1号店を白岡市に出店し、全国ロードサイドでの展開を予定しています。「八郎そば」は人口高齢化に合わせたシニア向けというだけでなく、肉めしといったガッツリメニューの拡充と広い駐車場の確保により、山岡家やゆにろーずが成功しているトラックドライバーの獲得を志向しているとみられます。

 

財務面については、2021年に海外公募増資(144A)を実施しており、426億円もの巨額調達を実施しています。本件取組や多額の助成金受取もあり、減損計上で見た目の悪い営業利益(IFRSのため)とは裏腹に、目下の自己資本比率は37.1%と高水準を維持しています。そのため、進行期は期初時点から早くも復配を公表しており、現状では年3円を見込んでいます。
 

*参考記事① 2022-12-03  1,591円 NT

【3197】すかいらーくHD/生活防衛で地方圏は想定超の苦戦、各種原価増も響き営業赤字転落も。

 

*参考記事② 2022-06-01  1,566円 NT

【3197】すかいらーくHD/予算前提の既存店ハードル高く、助成金大幅減少も痛手。

 

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