【3252】地主/3QにREIT向けブリッジ完了で利益予算過達、来年度も成長軌道が維持されよう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3252】地主(東証プライム) BY

現在値 2,250円/100株  P/E 9.1  P/B 1.18  12月配当株主優待 6月株主優待

スーパーなどテナントの商業施設建設を前提に底地取得、売却益を狙う。私募REITも。
配当金は12月末一括の55円で、配当利回りは約2.44%となります。

 

地主は株主優待制度を実施しており、12月末・6月末に3単元以上を保有する株主に対して、3,000円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、3単元保有時における配当優待利回りは約3.33%となります。
 

業績を確認していきます。

■2020年12月変 売上高 298億円、経常利益 21.5億円 EPS 89.9円 9M変則

■2021年12月期 売上高 561億円、経常利益 50.0億円 EPS 170.9円 

■2022年12月期 売上高 498億円、経常利益 59.4億円 EPS 199.1円  

■2023年12月期 売上高 320億円、経常利益 55.0億円 EPS 250.1円 ce修正 

□2023年6月2Q 売上高 103億円、経常利益 7.1億円 EPS 65.2円

□2023年9月3Q 売上高 252億円、経常利益 59.8億円 EPS 260.2円(11/13)

2023年6月期の売上高はYoY▲61.7%の103億円、経常利益はYoY▲81.8%の7.1億円となり、予算比は無いものの大幅な減収減益となりました。1月6日に傘下REIT向けに4物件・63億円(公益社平野会館、スギ薬局愛知東郷、セキ薬局立川、ライフ川越塚越)を売却したほか、3月には固定資産ながら大阪・中央区土地(311坪)を売却し、10億円程の特別益を計上しています。期初時点の棚卸資産残高はYoY▲138億円の281億円と低調だったほか、元より3Q偏重計画で売却案件が僅少でした。


なお2023年12月期の通期見通しは2Qに修正しており、売上高はYoY▲35.9%の320億円(期予:420億円)、経常利益はYoY▲7.5%の55.0億円(期予:UNCH)に変更していますが、これは利益予算の達成可能性が高まったことから、物件売却を翌期送りにしてトップラインを減額した格好です。3QにREIT拠出用のブリッジとして、ビバホーム多摩美大前、ダイレックスおゆみ野、スーパーマルハチ東加古川、コーナンPRO春日井をエムエル・エステートを9末に売却したため、11月13日に公表済の3Qは売上高252億円&経常益59.8億円に急伸しています。

 

進行期は5年中計の2年度目であり、最終年度の2026年12月期までに売上高を561億円→1,000億円、当期純利益を31億円→70億円に其々引き上げるとともに、ROE13%(実績11.9%)、自己資本比率30%以上(実績42.8%)を維持する目標です。中核は私募の「地主プライベートリート」拡大であり、AUMを1,515億円→3,000億円に倍増させる計画です。本年1月には7th_POの実施により、WH既拠出分含め合計25物件(267億円)の組入れにより、AUMを1,800億円まで膨らませています。

 

底地市場のTAMは昨年の5兆円から、2027年には10兆円に達すると目されることから、REITの中長期的なAUM水準として「5,000億円~1兆円」規模を志向しています。来年1月実施予定の8th_POでの物件取得額は前回を大幅に上回る400億円超の見通しであり、底地は安定したイールドスプレッドが抜けることから、年金・生損保らの投資需要は依然としてかなり旺盛とみられます。

 

このほか出口戦略拡大の一環として、個人投資家向けに「地主倶楽部」という不特法の小口販売(1口10万円、利回り3%+)をこの10月にローンチしており、1号案件となる大倉山の電材代理店倉庫の優先出資者募集分1.9億円は既に募集完了しています。なお、業績達成のドライバーとなる棚卸資産については、足許で520億円水準まで順調に膨らんでいるため、来期も無事に期初POが出来れば、中計計画線に沿った成長が十分期待出来ます。

 

財務状況については、定期的なREIT拠出によるキャピタルリサイクリングが効いていることもあり、足許の自己資本比率は34.1%と安定的な水準を維持しています。株主還元については、社名変更記念配当の5円を普通配に切り替え、従来の巡行水準である年55円配当の横ばいを予定しています。


*参考記事①  2023-05-20  1,955円 BY

【3252】地主/投資家ニーズ、案件仕入とも順調で、中長期的な安定成長が続こう。

 

*参考記事② 2022-11-14  2,048円 BY

【3252】地主/傘下REITの7th_POも引き合い好調、翌期業績の可視性も高まる。

 

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