【3252】地主/傘下REITの7th_POも引き合い好調、翌期業績の可視性も高まる。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3252】地主(東証プライム) BY

現在値 2,048円/100株  P/E 11.7  P/B 1.25  12月配当株主優待 6月株主優待

スーパーなどテナントの商業施設建設を前提に底地取得、売却益を狙う。私募REITも。
配当金は12月末一括の55円で、配当利回りは約2.69%となります。

 

地主は株主優待制度を実施しており、12月末・6月末に3単元以上を保有する株主に対して、3,000円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、3単元保有時における配当優待利回りは約3.66%となります。
 

業績を確認していきます。

■2019年3月期 売上高 398億円、経常利益 43.2億円 EPS 149.3円 

■2020年3月期 売上高 741億円、経常利益 46.0億円 EPS 174.9円 

■2020年12月変 売上高 298億円、経常利益 21.5億円 EPS 89.9円 9M変則

■2021年12月期 売上高 561億円、経常利益 50.0億円 EPS 170.9円 

■2022年12月期 売上高 570億円、経常利益 52.0億円 EPS 175.0円 ce 

□2022年6月2Q 売上高 270億円、経常利益 39.0億円 EPS 140.5円(8/10)

2022年6月中間期の売上高はYoY+1.7%の270億円、経常利益はYoY+59.9%の39.0億円となり、予算比は無いものの大幅増益で進捗しました。期初時点の棚卸資産残高はYoY+36億円の419億円と小甘かったものの、恒例の傘下REITのPOが年初に実行されており、延べ49億円分(コーナン越谷店、建デポ博多店、フィール名古屋北店)を下しています。なお、仕入については前年同期並みとなったほか、草加松原団地の再開発のリーシングも進展している模様です。


2022年12月期の通期の見通しは期初のものを据え置いており、売上高がYoY+1.5%の570億円、経常利益はYoY+3.9%の52.0億円を見込んでいます。10月13日は傘下REIT向けに4物件・63億円(公益社平野会館、スギ薬局愛知東郷、セキ薬局立川、ライフ川越塚越)の売却を公表しているものの既に翌期扱いとしているほか、会社側は中間時点で“計画通りの増収増益”の旨公表していることから、達成可視性が高いとみられます。尚、11月に淀屋橋の本社ビルを拡張移転したほか、九州支店の開業準備室を新設しています。

 

進行期は5年中計の初年度となっており、最終年度の2026年12月期までに売上高を561億円→1,000億円、当期純利益を31億円→70億円に其々引き上げるとともに、ROE13%(実績11.9%)、自己資本比率30%以上(実績32.2%)を維持する目標です。核となるのは傘下私募の「地主プライベートリート」の拡大であり、AUMを1,515億円→3,000億円に倍増させる計画です。本年1月の6th_POでは、当社拠出外を含めた25物件・423億円の取得を完了したほか、その後もセキ指扇店やサンドラッグ若葉台店なども追加取得しており、足許AUMは1,550億円弱と推定されます。

 

来年初に予定している7th_POでは、上述の平野ほか4物件にくわえ、既にSMFLやみずほリースにWH済の物件を含む計25物件の物件組入を予定しており、本件取組による267億円分の物件取得でAUMは1,800億円程度にまで積み上がる見通しです。6th_POでは新規投資家80社を招聘したこともあり、7th_POでは予想調達額110~120億円(※LTV勝手推計ベース)に対して、既に1,000億円超の出資申込を確保しており、安定運用ニーズを有する投資家側の需要も依然旺盛とみられます。そのため、会社側では今後は小売店等だけでなくシニアもクライテリアに含め、商品拡充していく方針です。

 

財務の状況については、物件の仕入と回転が効いていることもあり、足許の自己資本比率は35.3%と安定的な水準を維持しています。株主還元については、従来の巡行水準である年55円配当へ5円の復元増配を予想しているものの、業績・財務の両面で余裕が出てきていることから、追加的な還元が期待されるような状況です。

 

*参考記事① 2022-06-08 2,137円 BY 

【3252】地主/注文通りの私募REIT増資で1Qから好発進、更なる増配にも期待。 

 

*参考記事② 2021-11-11  1,763円 BY

【3252】日本商業開発/マーキュリアからのツノダ全株買収で、当座の売却玉を確保か。

 

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