【3252】地主/注文通りの私募REIT増資で1Qから好発進、更なる増配にも期待。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_7058.jpg

【3252】地主(東証プライム) OP

現在値 2,137円/100株  P/E 12.1  P/B 1.33  12月配当株主優待 6月株主優待

スーパーなどテナントの商業施設建設を前提に底地取得、売却益を狙う。私募REITも。
配当金は12月末一括の55円で、配当利回りは約2.57%となります。

 

地主は株主優待制度を実施しており、12月末・6月末に3単元以上を保有する株主に対して、3,000円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、3単元保有時における配当優待利回りは約3.50%となります。
 

業績を確認していきます。

■2019年3月期 売上高 398億円、経常利益 43.2億円 EPS 149.3円 

■2020年3月期 売上高 741億円、経常利益 46.0億円 EPS 174.9円 

■2020年12月変 売上高 298億円、経常利益 21.5億円 EPS 89.9円 9M変則

■2021年12月期 売上高 561億円、経常利益 50.0億円 EPS 170.9円 

■2022年12月期 売上高 570億円、経常利益 52.0億円 EPS 175.0円 ce 

□2022年3月1Q 売上高 196億円、経常利益 32.3億円 EPS 114.1円(5/12)

□2022年6月2Q 売上高 290億円、経常利益 27.5億円 EPS 109.4円 四e

2021年12月期は変則決算明けで単純比較出来ないものの、売上高はYoY+263億円の561億円、経常利益はYoY+28.5億円の50.0億円となり、対予算でも上振れました。生活密着型商業施設の多い当社物件は特段の賃料減額が発生しなかったほか、1月に公募増資を実施した傘下私募REITに対して11物件/合計125億円(ライフ川崎大島/1,417坪、47.5億円ほか)を予定通り売却したほか、4月に不動産MAで取得したツノダのコーナン小牧店(約1万坪)をSMFLに売却するなどした結果、想定超の利幅を確保するに至りました。


進行期である2022年12月期の予想については、売上高がYoY+1.5%の570億円、経常利益はYoY+3.9%の52.0億円を見込んでいます。期初時点の棚卸資産残高はYoY+36億円の419億円と小甘い一方、固定資産はYoY+140億円の174億円と大幅に積み増しており、安定したストックの賃料収入割合を増加させています。また、本年1月には予定通り傘下REITのPOが実行されており、延べ49億円(コーナン越谷店、建デポ博多店、フィール名古屋北店)を下しています。そのため、去る5月12日開示の1Q決算で既に経常利益32.3億円を計上するなど、通期予算達成に向けて順調な進捗を示しています。

 

今般当社は新中計を開示しており、最終年度の2026年12月期までの向こう5年間で、売上高は561億円→1,000億円に、当期純利益は31億円→70億円まで其々引き上げるとともに、ROE13%(実績11.9%)、自己資本比率30%以上(実績32.2%)水準を維持することとしています。主軸となるのは傘下私募の「地主プライベートリート」の拡大であり、向こう5年でAUMを1,515億円→3,000億円程度まで倍増させる計画です。本年1月の6th_POでは、当社拠出外を含めた25物件・423億円の取得を完了したほか、その後もセキ指扇店やサンドラッグ若葉台店なども追加取得しており、足許AUMは1,550億円弱と推定されます。

 

REITへの順調な拠出もあり、棚卸資産が枯渇気味であったものの、昨年4月に旧名証2部上場のツノダ(7308)の全株式をマーキュリアインベストメントから取得する不動産M&Aを実行して残高を増やしています。既にリース会社を通じたウェアハウジングでREITに下ろしたコーナン小牧店1万坪のほか、名古屋市中区のデータセンター550坪(敷地)、大垣市ドラッグストア1,500坪といった大型物件も含まれています。また、固定資産保有とみられる大阪日本橋で300坪はサンケイビルに賃貸し、ハイアットの“キャプション”を誘致する計画となっており、安定的なストック収入にも厚みをもたせる目論見です。

 

財務の状況については、41億円を投じたツノダの買収はほぼPBR1倍であり、借入も起こさず同社を手金で買収したことから、足許の自己資本比率は35.1%と高水準を維持しています。株主還元については、従来の巡行水準である年55円配当へ5円の復元増配を予想しているものの、財務面では既に安全域に達していることから、更に積み増しされる公算が高いとみています。

 

*参考記事① 2021-11-11  1,763円 BY

【3252】日本商業開発/マーキュリアからのツノダ全株買収で、当座の売却玉を確保か。

 

*参考記事② 2021-02-05  1,711円 BY

【3252】日本商業開発/決算期変更による期ズレで、とりあえず来期業績までは確保。 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ