【3252】地主(東証プライム) BY
現在値 1,955円/100株 P/E 8.5 P/B 1.14 12月配当株主優待 6月株主優待
スーパーなどテナントの商業施設建設を前提に底地取得、売却益を狙う。私募REITも。
配当金は12月末一括の55円で、配当利回りは約2.81%となります。
地主は株主優待制度を実施しており、12月末・6月末に3単元以上を保有する株主に対して、3,000円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、3単元保有時における配当優待利回りは約3.83%となります。
業績を確認していきます。
■2020年3月期 売上高 741億円、経常利益 46.0億円 EPS 174.9円
■2020年12月変 売上高 298億円、経常利益 21.5億円 EPS 89.9円 9M変則
■2021年12月期 売上高 561億円、経常利益 50.0億円 EPS 170.9円
■2022年12月期 売上高 498億円、経常利益 59.4億円 EPS 199.1円
■2023年12月期 売上高 420億円、経常利益 55.0億円 EPS 229.5円 ce
□2023年3月1Q 売上高 81.3億円、経常利益 8.7億円 EPS 73.8円(5/12)
2022年12月期の売上高はYoY▲11.2%の498億円、経常利益はYoY+18.8%の59.4億円となり、対予算では減収増益となりました。期初時点の棚卸資産残高はYoY+36億円の419億円と小甘かったものの、恒例の傘下REITのPOを年初に実行し、延べ49億円分(コーナン越谷店、建デポ博多店、フィール名古屋北店)を下したほか、不動産M&Aで取得したツノダを会社ごと売却して譲渡益を計上しました。仕入については、葬儀場やホスピスといった小規模案件が多かっほか、前期大型案件だったツノダの剥落で低調に推移しました。
進行期である2023年12月期の予想については、売上高がYoY▲15.8%の420億円、経常利益はYoY▲7.5%の55.0億円を見込みます。1月6日に傘下REIT向けに4物件・63億円(公益社平野会館、スギ薬局愛知東郷、セキ薬局立川、ライフ川越塚越)を売却したほか、3月には固定資産ながら大阪・中央区土地(311坪)を売却し、10億円程の特別益を計上しています。なお5月12日に公表済の1Qについては、売上高81.3億円&経常益8.7億円と低進捗ながら、売却計画比では順調に推移しています。
進行期は5年中計の2年度目となっており、最終年度の2026年12月期までに売上高を561億円→1,000億円、当期純利益を31億円→70億円に其々引き上げるとともに、ROE13%(実績11.9%)、自己資本比率30%以上(実績42.8%)を維持する目標です。中核は私募の「地主プライベートリート」拡大であり、AUMを1,515億円→3,000億円に倍増させる計画です。本年1月には7th_POの実施により、上述の平野含む4物件のほか、WHなど合計25物件(267億円)の組入れにより、AUMを1,800億円まで成長させています。
底地市場のTAMが現状の5兆円から5年後の2027年には10兆円に達すると目されることから、REITの中長期的なAUM水準として「5,000億円~1兆円」規模を志向しています。鍵となる物件仕入については、依然小型案件が多いものの、従来型の小売店等だけでなくヘルスケア・シニアをクライテリアに加えて対応することとしており、現状年1,000億円程度の仕入能力有することとしており、実際に足許1Qでは実に189億円もの仕入を実行しています。
財務状況については、定期的なREIT拠出によるおキャピタルリサイクリングが効いていることもあり、足許の自己資本比率は40.5%と安定的な水準を維持しています。株主還元については、社名変更記念配当の5円を普通配に切り替え、従来の巡行水準である年55円配当の横ばいを予定しています。
*参考記事① 2022-11-14 2,048円 BY
【3252】地主/傘下REITの7th_POも引き合い好調、翌期業績の可視性も高まる。
*参考記事② 2022-06-08 2,137円 BY
【3252】地主/注文通りの私募REIT増資で1Qから好発進、更なる増配にも期待。
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