【3397】トリドールHD/丸亀製麺が高水準をキープ、期末減損計上でも上振れが濃厚。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3397】トリドールホールディングス(東証プライム) NT

現在値 4,173円/100株  P/E 75.5  P/B 4.69  3月配当株主優待 9月株主優待

焼き鳥店発祥。低価格のセルフ式うどん『丸亀製麺』にシフト。
配当金(実績)は3月末一括の7.5円配当のため、配当利回りは約0.18%となります。

トリドールホールディングスは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末に単元株以上を保有する株主に対して、3,000円分の自社優待食事券を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.61%となります。なお、2単元保有かつ1年以上保有の場合は7,000円分となりますので、同利回りは約1.85%となります。

業績を確認していきます。当社はIFRS採用企業です。

■2021年3月期 売上高 1,347億円、税前利益▲91.9億円 EPS▲67.7円 

■2022年3月期 売上高 1,533億円、税前利益 139.0億円 EPS 99.2円 

■2023年3月期 売上高 1,883億円、税前利益 77.2億円 EPS 39.5円

■2024年3月期 売上高 2,310億円、税前利益 93.0億円 EPS 50.7円 ce修正

□2023年9月2Q 売上高 1,126億円、税前利益 81.7億円 EPS 50.5円 

□2023年12月3Q 売上高 1,723億円、税前利益 111.0億円 EPS 72.0円(2/14)

 

2023年9月中間期の売上高はYoY+22.4%の1,126億円、税前利益はYoY+9.5%の81.7億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。期初からフルで値上げ効果が寄与し、国内の丸亀(製麺)は“鬼おろし肉ぶっかけうどん”、“トマたまカレーうどん”等のヒット商品が牽引し、SSSは112.1%と高水準を確保しました。またコナズ珈琲をはじめとするその他業態、海外事業のタムジャイと丸亀も軒並み好調に推移しました。なお、出退店は国内外で純増132店となり、店舗数は1,902店となりました。

 

2024年3月期の通期見通しは2Qで増額しており、売上高はYoY+22.7%の2,310億円(期予:2,120億円)、税前利益はYoY+20.4%の93.0億円(期予:56.5億円)に修正しています。好調だった“シェイクうどん”は冬季終売も、“牛すき釜玉うどん”等のヒット商品に恵まれ、足許SSSは110%を挟む水準で推移しています。海外事業も新型肺炎禍の一巡で回復基調にあるほか、7月に買収した英国ピザ会社(※後述)も寄与します。なお2月14日開示済の3Qは売上高1,723億円&税前利益111.0億円となり、既に増額見通しを超過しており、期末に減損を打ち込んでも上振れ圏と解されます。

 

当社は長期計画として2028年3月期までの6年間で売上高3,000億円&営業利益300億円と世界5,500店体制の構築を目標としています。従前中計では翌2025年3月期に売上高2,200億円&営業利益120億円をマイルストン目標としていましたが、昨年5月の増額ロールで2026年3年期に売上高2,620億円&営業利益165億円を改めてガイドしています。注力事項として①感動体験の追及、②事業PF拡充、③有力パートナー探索、④グローバル連携強化の4軸を挙げています。

 

①の丸亀は既に複数回の値上げをこなしているほか、高単価の季節のフェアメニューの投入、“うどん弁当”“シェイクうどん”といった持ち帰り商材拡充とデリバリー機能の強化を図っており、既存店の収益改善が顕著な状況です。②は豚屋とん一、天ぷらまきのが想定以下となっているものの、コナズ珈琲とずんどう屋が郊外店を中心に飛躍的な成長を遂げており、特に好調なずんどう屋の関東出店を進めます。


③は2021年に香港島・九龍・新界を中心に200店の麺業態を展開する譚仔國際(タムジャイ)を香港証取に上場させています。年50店の増店目標に対し、中国本土の出店が進んでおらず、実勢では年15店程に留まっています。このほか、欧州丸亀はCapdesia、米州は外食特化型ファンドを展開するHargett Hunterと資本提携し、2025年までに全米160店体制を目指しています。昨年7月には英国でピザ店とギリシャ料理店を100店程運営するFullham(年商134億円/営業益10億円)を151億円で買収しています。

 

財務面については、目下の好業績や新型肺炎禍の高水準の受取助成金(と低位の株主還元)による資本積み上げがあるものの、度重なる買収による借入増加が重く、自己資本比率は24.6%程となっています。中計の計数は順調な進捗が確認されるものの、今次長計6年間はMAに1,000億円を投じる計画であり、最大手のゼンショーHDを追いかける形でPOによる資金調達が意識される局面です。

*参考記事① 2023-08-05  2,530円 NT

【3397】トリドールHD/丸亀製麺好伸で中計を事実上の増額修正、英ピザ店買収で海外拡大。

 

*参考記事② 2023-01-26 2,775円 NT

【3397】トリドールホールHD/丸亀製麺は2度目の値上げをこなす、ずんどう屋も急拡大へ。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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