【3397】トリドールホールHD/丸亀製麺は2度目の値上げをこなす、ずんどう屋も急拡大へ。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

image

【3397】トリドールホールディングス(東証プライム) NT

現在値 2,775円/100株  P/E 60.2  P/B 3.24  3月配当株主優待 9月株主優待

焼き鳥店発祥。低価格のセルフ式うどん『丸亀製麺』にシフト。
配当金(実績)は3月末一括の7.5円配当のため、配当利回りは約0.27%となります。

トリドールホールディングスは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末に単元株以上を保有する株主に対して、3,000円分の自社優待食事券を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.43%となります。なお、2単元保有かつ1年以上保有の場合は7,000円分となりますので、同利回りは約2.79%となります。

業績を確認していきます。当社はIFRS採用企業です。

■2020年3月期 売上高 1,564億円、税前利益 28.3億円 EPS 21.2円 

■2021年3月期 売上高 1,347億円、税前利益▲91.9億円 EPS▲67.7円 

■2022年3月期 売上高 1,533億円、税前利益 139.0億円 EPS 99.2円 

■2023年3月期 売上高 1,919億円、税前利益 75.0億円 EPS 41.5円ce修正(11/11)

□2022年9月2Q 売上高 919億円、税前利益 74.6億円 EPS 48.6円(11/11)

 

2022年3月期の売上高はYoY+20.0%の919億円、税前利益はYoY▲3.3%の74.6億円となり、一過性利益剥落で減益となったものの、計画比では大幅に上振れました。国内の丸亀(製麺)は高単価商品“焼きたて肉うどん”の投入や、“トマたまカレーうどん”等のヒットもあり、SSSは113%と高水準となりました。海外については、香港の雲南(ヌードル)で新型肺炎禍の影響を引き摺ったものの、米国・欧州等が好調だったほか、為替の有利影響が2割もありました。出退店は、国内丸亀は純減4店も、ずんどう屋は純増12店、海外は純増26店となり、店舗数は純増15店の1,735店となりました。

 

2023年3月期の通期見通しも中間時点で修正しており、売上高はYoY+25.1%の1,919億円(期予:1,770億円)、税前利益はYoY▲46.2%の75.0億円(期予:27.0億円)に増額しています。丸亀は10月の年内2度目の値上げ後も客数が維持出来ているほか、“俺たちの豚汁うどん”もヒットしており、足許でも強含みが続きます。その他セグも推移しているほか、海外も正常化と為替効果で一段増を見込みます。他方、税前利益は助成金剥落(ネット▲90億円)影響、丸亀を中心に改装費増加、食材・水光熱上昇影響を受けるものの、事業利益ベースでは大幅増益を見込みます。出退店は、内外合計で純増144店(期末1,864店)を見込んでいますが、此方は低進捗で推移しています。

 

当社は中長期目標として2028年3月期までの6年間で売上高3,000億円&営業利益300億円と世界5,500店体制の構築を目標に、手前の3年間(2025年3月期)で売上高2,200億円&営業利益120億円を定量目標としており、注力事項として①感動体験の追及、②事業PF拡充、③有力パートナー探索、④グローバル連携強化の4軸を挙げています。前期は助成金で営業益がカサ増し(IFRS)されているため、追い風参考で営業益142億円を達成した経緯があるものの、既に実力ベースでの1年前倒し達成が視野に入ります。

 

①の丸亀では季節のフェアメニューの逐次投入や、持ち帰り専用フォーマットの開発等より“うどん弁当”のロングセールスを実現出来ており、手作りうどん感を全面に押し出したブランディングも相俟って、幾度の値上げをこなして好調に推移しています。②は2番手業態として期待されていたヤマキ商店や豚屋とん一が低調ではあるものの、コナズ珈琲が堅調なほか、ずんどう屋が郊外店を中心に飛躍的な成長を遂げています。


③は2021年に香港島・九龍・新界を中心に200店程のヌードル業態を展開する子会社の譚仔國際有限公司(雲南ヌードル)を香港証取に上場させており、同社単独でも3年で50店の増店を目指していますが、当社が出資するモンスターカレーや天ぷらまきのの海外展開は、沖縄発・香港企業のEN GROUPをパートナーに迎えています。このほか、欧州丸亀はCapdesia、米州は外食特化型ファンドを展開するHargett Hunterと資本提携し、2025年までに全米160店体制を目指しています。また、足許では中国市場への再参入を表明しています。

 

財務面については、雲南ヌードル上場による少数株主払込150億円や、高水準の受取助成金もあり、目下の自己資本比率は30%弱まで回復しています。今次中長計の6年間ではMAに1,000億円を投じることとしているものの、株価急回復によるPO調達も視野に入っており、業容拡大のビジビリティが一段と高まった印象です。


*参考記事① 2022-08-18 2,956円 NT

【3397】トリドールホールディングス/内外の丸亀好調で財務面も急回復、改めて積極策に舵。 

 

*参考記事② 2021-09-14 OP

【3397】トリドールHD/海外ヌードル子会社が香港証取上場へ、本体の資本増強も意識される局面。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ

AD