【3397】トリドールHD/丸亀製麺好伸で中計を事実上の増額修正、英ピザ店買収で海外拡大。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3397】トリドールホールディングス(東証プライム) NT

現在値 2,530円/100株  P/E 118.2  P/B 4.42  3月配当株主優待 9月株主優待

焼き鳥店発祥。低価格のセルフ式うどん『丸亀製麺』にシフト。
配当金(実績)は3月末一括の7.5円配当のため、配当利回りは約0.21%となります。

トリドールホールディングスは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末に単元株以上を保有する株主に対して、3,000円分の自社優待食事券を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.66%となります。なお、2単元保有かつ1年以上保有の場合は7,000円分となりますので、同利回りは約3.06%となります。

業績を確認していきます。当社はIFRS採用企業です。

■2021年3月期 売上高 1,347億円、税前利益▲91.9億円 EPS▲67.7円 

■2022年3月期 売上高 1,533億円、税前利益 139.0億円 EPS 99.2円 

■2023年3月期 売上高 1,883億円、税前利益 77.2億円 EPS 39.5円

■2024年3月期 売上高 2,120億円、税前利益 56.5億円 EPS 25.4円 ce

□2023年9月2Q 売上高 1,031億円、税前利益 26.8億円 EPS 11.7円 ce

 

2023年3月期の売上高はYoY+22.8%の1,883億円、税前利益はYoY▲44.6%の77.2億円となり、中間時点の増額見通し並みで着地しました。受取助成金の減少(▲85億円)があったものの、国内の丸亀(製麺)は高単価商品“焼きたて肉うどん”、“俺たちの豚汁うどん”等のヒット商品が牽引し、SSSは111.7%と高水準となりました。海外については、香港の雲南(ヌードル)が“間引き”による席数減ながらも増収を確保したほか、米国・欧州等の回復が顕著だったほか、為替の有利影響もありました。出退店は国内純減13店&海外純増63店となり、店舗数は純増50店の1,770店となりました。

 

進行期である2024年3月期の予算については、売上高がYoY+12.6%の2,120億円、税前利益はYoY▲26.9%の56.5億円と減益を見込みます。丸亀は昨年10月の2回の値上げが通期貢献するほか、新製品の“シェイクうどん”を投入します。その他業態もコナズ珈琲で値上げ&出店を実施するほか、海外事業はアジア・欧米の好調持続と増店による成長を見込みます。他方で利益面については、各セグで総じて増益を見込むものの、内外で人件費・原材料価格の高騰を受けるほか、受取助成金の剥落(▲44億円)が響きます。出退店は、内外合計で純増360店(期末2,130店)を見込んでいます。

 

当社は中長期計画として2028年3月期までの6年間で売上高3,000億円&営業利益300億円と世界5,500店体制の構築を目標としています。従前中計では翌2025年3月期に売上高2,200億円&営業利益120億円を“手前の目標”としてきましたが、この5月に事実上の増額ロールをかけており、2026年3年期に売上高2,620億円&営業利益165億円を改めてガイドしています。注力事項として①感動体験の追及、②事業PF拡充、③有力パートナー探索、④グローバル連携強化の4軸を挙げています。

 

①の丸亀は高単価の季節のフェアメニューの投入や、“うどん弁当”、“シェイクうどん”といった持ち帰り商材の拡充にくわえ、複数回の値上げをこなしています。そのため不採算店撤退により店舗数が想定以下であるものの、既存店の収益改善が顕著な状況です。②は豚屋とん一、天ぷらまきのが想定以下ながらも、コナズ珈琲とずんどう屋が郊外店を中心に飛躍的な成長を遂げており、特に好調なずんどう屋の関東出店を進めます。


③は2021年に香港島・九龍・新界を中心に200店程の麺業態を展開する子会社の譚仔國際有限公司を香港証取に上場させており、同社単独でも年50店の増店を目標としています。このほか、欧州丸亀はCapdesia、米州は外食特化型ファンドを展開するHargett Hunterと資本提携し、2025年までに全米160店体制を目指しています。また足許の動きとしては、

英国でピザ店とギリシャ料理店を合わせて100店程運営するFullham(年商134億円/営業益10億円)を151億円で買収しています。

 

財務面については、雲南ヌードル上場による少数株主払込150億円や、高水準の受取助成金もあり、目下の自己資本比率は26%程度となっています。今次中長計の6年間ではMAに1,000億円を投じる計画であり、上述のFullham買収はその第一弾となったものの、株価急回復によるPO調達も視野に入っており、本業回復も相俟って中計の達成可視性が一段と高まった印象です。
 

*参考記事① 2023-01-26 2,775円 NT

【3397】トリドールホールHD/丸亀製麺は2度目の値上げをこなす、ずんどう屋も急拡大へ。

 

*参考記事② 2022-08-18 2,956円 NT

【3397】トリドールホールディングス/内外の丸亀好調で財務面も急回復、改めて積極策に舵。 

 

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