【8877】エスリード/マンション価格高騰で好採算化、翌期に備えた“売り渋り”も想定されよう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8877】エスリード(東証プライム)  OP

現在値 3,380円/100株 P/E 7.35  P/B 0.81  3月配当優待 9月配当

マンション企画開発・販売。大阪で供給トップ級。森トラスト子会社。
配当は年2回、合計120円配当のため、配当優待利回りは3.55%となります。

エスリードは株主優待制度を導入しており、3末時点の単元株主に対して、3千円相当のグルメカタログを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.43%となります。

業績を確認していきます。  

■2021年3月期 売上高 640億円、経常利益 70.0億円、EPS 292.0円 

■2022年3月期 売上高 750億円、経常利益 81.0億円、EPS 320.8円 

■2023年3月期 売上高 799億円、経常利益 93.6億円、EPS 398.4円 

■2024年3月期 売上高 920億円、経常利益 113.0億円、EPS 460.1円 ce 

□2023年9月2Q 売上高 362億円、経常利益 57.7億円、EPS 237.4円

□2023年12月3Q 売上高 572億円、経常利益 82.7億円、EPS 338.5円(1/26)


2023年9月中間期の売上高はYoY+31.6%の362億円、経常利益はYoY*2.6倍の57.7億円となり、予算比で減収増益となりました。柱の分譲マンションについては、期初時点の契約残は1年前より1,000戸程多い2,339戸と潤沢だったことから、この引渡が順調に進んだほか、機関投資家向けの一棟卸売で収益を押し上げました。他方、投資用分譲のサブリース賃貸業や、管理業、再販仲介等のその他セグメントについては概ね横ばい圏となりました。

 

なお2024年3月期の通期見通しについては、売上高がYoY+15.1%の920億円、経常利益はYoY+20.6%の113.0億円と期初予想を据え置いてます。今期の分譲マンションの引渡予定物件は、栄ル・クール(98戸)、住吉公園(54戸)、上本町(39戸)、八尾駅前(36戸)等を予定しており、引渡数量横ばい圏ながらもマンション価格高止まりによる好採算化が進み、翌期に備えた“売り渋り”も意識されます。1月26日に開示済の3Qは売上高572億円&経常利益82.9億円で進捗しており、最需要期の3月を控え上振れ圏となっています。

 

当社は中計等は非開示であるものの、創業30周年を迎えたことを機に、①分譲事業拡大、②マンション周辺事業拡大、③その他周辺事業拡大、を注力事項として挙げています。①は近畿圏の首位・プレサンスに次ぎ、関電不動産開発と2位圏につけています。本来であれば今期を目途に年/3,000戸水準の供給を想定していたものの、地価高騰による仕入軟化とマンション価格高止まりによる“売り渋り”で、供給戸数は年/2,500戸に届かない水準となっています。

 

②は子会社の綜電が山口県船木で累計10基目となるメガソーラー発電所の取得し、供給済ファミリーマンションの約43%(5,5000戸)を再エネでまかなえる体制を構築しています。③についてはREITや私募ファンドへの参入を志向し、傘下AM会社が本年3月に金商法の登録を完了したほか、都市型コンパクトデザイナーズアパート“REGIS”シリーズを開発し、個人投資家向けに収益不動産の一棟売りを開始しています。このほか、関内や博多駅前でオフィスを、大阪鶴橋ではホテルを取得しており、ストック型の賃貸収入の確保を進めています。

 

株主還元については、“早期のPBR1.0倍超の実現”と“更なる利益還元”を志向し、一気に30円の増配となる年120円配(配当性向26.0%)を予想しています。なお財務面については、自己資本比率40.8%と一定水準を維持しているほか、親会社の森トラスト(持分53.5%)の持株比率維持の観点から、自社株買いではなく配当還元が想定されることから、翌期以降についても増配基調が継続するものと目されます。

 

*参考記事① 2023-10-02 3,025円 BY

【8877】エスリード/会社側は早期のPBR1.0倍回復を志向、更なる増配が強く期待されよう。

 

*参考記事② 2023-03-03 2,129円 BY

【8877】エスリード/突然の配当倍増に意外感も、株主還元姿勢の一変で再増配も視野。

 

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