【8877】エスリード/突然の配当倍増に意外感も、株主還元姿勢の一変で再増配も視野。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8877】エスリード(東証プライム)  BY

現在値 2,129円/100株 P/E 5.87  P/B 0.55  3月配当優待 9月配当

マンション企画開発・販売。大阪で供給トップ級。森トラスト子会社。
配当は年2回、合計80円配当のため、配当優待利回りは3.76%となります。

エスリードは株主優待制度を導入しており、3末時点の単元株主に対して、3千円相当のグルメカタログを進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.16%となります。

業績を確認していきます。 

■2020年3月期 売上高 616億円、経常利益 80.0億円、EPS 328.5円 

■2021年3月期 売上高 640億円、経常利益 70.0億円、EPS 292.0円 

■2022年3月期 売上高 750億円、経常利益 81.0億円、EPS 320.8円 

■2023年3月期 売上高 840億円、経常利益 90.0億円、EPS 362.9円 ce 

□2022年9月2Q 売上高 275億円、経常利益 22.3億円、EPS 90.7円

□2022年12月3Q 売上高 572億円、経常利益 75.4億円、EPS 307.8円(1/26)  


2022年9月中間期の売上高はYoY+7.2%の275億円、経常利益はYoY+5.4%の22.3億円となり、予算比で減収増益となりました。柱の分譲マンションについては、堺レジデンシア(41戸)、大須アヴェニュー(85戸)、等を引き渡し、例年通り下期偏重になるとみられるものの、実需だけでなく機関投資家向けの卸売ニーズが根強く、好調に推移しました。また、投資用分譲のサブリース賃貸業や、管理業、再販仲介等のその他セグメントについても他律的に伸長し、2桁の増収増益となりました。

 

なお2023年3月期の通期見通しは期初予想を据え置いており、売上高がYoY+12.6%の840億円、経常利益はYoY+5.0%の90.0億円を見込んでいます。分譲マンションの引渡予定物件は、大倉山(138戸)、梅小路公園(93戸)、西大寺(75戸)、生駒(49戸)、栄(104戸)等を予定しており、推定3,000戸程と前期並みの販売を見込んでいます。期初時点の契約残は1年前より1,000戸程多い1,369戸と潤沢に抱えていたこともあり、1月26日に開示済の3Q期間で例年よりも早い受注消化が確認されています。

 

当社は2013年に森トラストによるTOB(@915円、約40億円)で同社傘下入りをしており、中計等は非開示であるものの、①分譲事業(名古屋開拓)深耕、②周辺事業拡大、③不動産証券化事業が今後の注力取組事項として挙げられています。①については、関西首位のプレサンスに大きく水をあけられた万年2位が当社の定位置でしたが、2024年3月期までの3ヵ年で年間販売戸数を2,323戸→3,000戸まで引き上げる計画としており、関西同様に激しく競合する名古屋での分譲を強化すべく、供給体制を強化しています。

 

②のメガソーラーについては、子会社の綜電が昨年12月に北広島市(北海道)、あわら市(福井県)で累計6・7基目の稼働を開始させたたほか、2021年10月には奈良のビルメンテナンス業者である南都ビルサービスを7.5億円で買収し、ストック性の高い管理事業のポートフォリオを拡充しています。③はAM子会社を設立を済ませており、REITや私募ファンドへの参入を目指しています。ただこちらはAMFeeによるストック収入の積み上げでというよりは、専ら自社開発1Rの一棟卸しとしての出口活用とみられ、名古屋の1R物件の組入れが想定されます。

 

他方、株主還元は前期比倍増の年80円配(配当性向22%)に大きく増配しています。目下の財務は、自己資本比率47.1%と高水準を維持出来ていることもあり、還元余力は依然大きい状況です。また会社側では今次増配を“一層の利益還元を図っていく第一歩”ともアナウンスしていることから、更なる増配が視野に入ります。また、自社株買いの場合は親会社の森トラスト(持分53.5%)の持株比率が切り上がってしまうことから、あくまで配当による還元拡充が採られる公算が大きく、ひとまず「年100円+α」までは増配射程圏と解されます。

 

*参考記事① 2022-03-05 1,791円 BY

【8877】エスリード/ 6期連続の最高益更新の公算が高い、創業30周年の記念配に期待したい。

 

*参考記事② 2021-08-12  1,577円 BY

【8877】エスリード/AM子会社設立により、本格進出の名古屋エリアの出口活用を企図か。

 

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