【2340】極楽湯HD/課題の中国事業連結除外が完了、財務・業績両面で最悪期を脱した。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

image

【2340】極楽湯ホールディングス(東証スタンダード) NT

 

現在値 410円/100株  P/E  --.-  P/B 6.12   9月無配株主優待あり

大型温浴施設専業。極楽湯ブランドの直営店とFC加盟店を全国展開。
配当基準日は3月末ですが既に無配転落しています。

極楽湯は株主優待制度を導入しており、9月末に1年以上継続保有する単元株主に対して、入浴券を4枚進呈しておりますので、1枚900円(個店差あり)換算した場合の配当優待利回りは約8.78%となります。なお、2年以上継続で6枚進呈となり、その場合の同利回りは約13.17%となります。

業績を確認していきます。
■2021年3月期 売上高 105億円、経常利益▲9.2億円 EPS▲179円 
■2022年3月期 売上高 100億円、経常利益 7.5億円 EPS▲99.2円 

■2023年3月期 売上高 127億円、経常利益 1.8億円 EPS▲14.2円 

■2024年3月期 売上高 (未定)億円、経常利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce

□2023年9月2Q 売上高 69.6億円、経常利益 1.4億円 EPS 0.12円

□2023年12月3Q 売上高 107億円、経常利益 3.0億円 EPS 2.9円(2/14)

2023年9月中間期の売上高はYoY+21.9%の69.6億円、経常利益はYoY+1.5億円の1.4億円となり予算比は無いものの黒字転換しました。主力の国内事業は新型肺炎禍の一巡のほか、“ホロライブ”、“ハイキュー!!”といったコラボが集客に寄与したほか、ガス・電気代の補助金恩恵で利益も大幅増となりました。他方で中国事業については、1Q・2Q期間ともに通常営業に復帰して大幅増収したものの、管理コスト・賃料・人件費が軒並み増加し、赤字幅微減に留まりました。


なお2024年3月期の通期見通しは期初から未公表であり、外部予想では売上高は145億円、経常利益は4.0億円程が観測されています。当社業績は年末年始・お盆・中国の春節回りの1Q/4Qに売上が集中する季節偏重型であり、国内事業は“おぱんちゅうさぎ”、“リコリス・リコイル”といったコラボやサウナイベントによる集客強化にくわえ、値上げ通期化も寄与します。他方で中国事業は、7月に所管の香港子会社を事業譲渡を完了しています(※後述)。なお2月14日に開示済の3Qの売上高は107億円&経常益3.0億円となっており、閑散期ながら順調な進捗となりました。

 

当社は中計等を公表しておらず、展開店舗数もここ数年50店舗強の水準で推移していました。国内については40店弱(FC込)を運営する最大手であり、中国でも上海と長春の直営3店を含む14店を展開していたものの、中国FC店は11月にほぼ撤退しています。所管する香港子会社の持分(現状51%)のほぼ全てを中国FCオーナーに売却するとともに、当社債権延べ38億円分の棒引き&商標使用権もほぼ無償で譲渡しています。これにより支配力基準低下で子会社売却損(▲1.5億円)の計上こそ強いられたものの、中国事業のマイナス寄与がほぼ剥落した格好となります。

 

国内事業の取組事項については、直営出店再開と既存店修繕&バリューアップで資金需要があるものの、債務超過状態のため昨年7月に第三者割当増資を実施しています。当社役員や中国現法役員、中国FCオーナー等に延べ19億円分(@235円)の新株を発行し、大部分は借入金返済に充てたものの、残り3億円強は和光店のリニューアル(サウナ刷新、黒湯炭酸泉/美泡風呂の導入等)に充当しています。


これら一連の取組によりB/Sには債務超過状態を脱し、自己資本比率は足許ベースで2割弱まで劇的に回復したほか、赤字の中国事業の連結除外により全社P/Lも黒字化する公算です。国内の出店や改装等の資金需要が大きいことから、まだ株主還元が出来るような状況にはないものの、財務・業績の両面で最悪期を脱したことは間違いないと解されます。

*参考記事① 
2023-10-10 397円 OP

【2340】極楽湯HD/赤字の中国事業を切り離し、第三者割当増資で約19億円を調達。

 

*参考記事②  2023-02-15 246円 OP

【2340】極楽湯HD/債務超過ギリギリの状況が継続、正常化による既存店回復待ち。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ