【2340】極楽湯ホールディングス(東証スタンダード) NT
現在値 246円/100株 P/E ---.- P/B -.-- 9月無配株主優待あり
大型温浴施設専業。極楽湯ブランドの直営店とFC加盟店を全国展開。
配当基準日は3月末ですが既に無配転落しています。
極楽湯は株主優待制度を導入しており、9月末に1年以上継続保有する単元株主に対して、入浴券を5枚進呈しておりますので、1枚800円換算した場合の配当優待利回りは約16.6%となります。※なお、2023年3月末限定で2単元超保有株主に対して入浴券2枚の臨時進呈があります。
業績を確認していきます。
■2019年3月期 売上高 159億円、経常利益 1.7億円 EPS 0.1円
■2020年3月期 売上高 145億円、経常利益▲7.0億円 EPS▲196円
■2021年3月期 売上高 105億円、経常利益▲9.2億円 EPS▲179円
■2022年3月期 売上高 100億円、経常利益 7.5億円 EPS▲99.2円
■2023年3月期 売上高 (未定)億円、経常利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce
□2022年9月2Q 売上高 57.1億円、経常利益▲0.1億円 EPS▲3.5円
□2022年12月3Q 売上高 89.3億円、経常利益 ▲1.3億円 EPS ▲4.5円(2/14)
2022年9月中間期の売上高はYoY+32.9%の57.1億円、経常利益はYoY+2.2億円の▲0.1億円となり、予算比は無いものの大幅に回復しました。主力の国内事業は営業時間正常化とアルコール提供制限解除といった営業与件改善や、“鬼滅の刃”等のアニメコラボによる客数回復で大幅増収となりました。一方、中国事業については、1Q期間で長春/上海ともにロックダウンで営業停止を強いられたものの、市内レジャー需要が旺盛だった2Q期間では回復がみられました。利益面では、水光費上昇が重しとなるも、売上回復と助成金による押し上げで均衡圏を奪回しました。
なお2023年3月期通期見通しは期初から非公表となっていますが、外部予想では売上高は120億円、経常利益は均衡圏が観測されています。当社は年末年始・お盆・中国の春節回りに売上が集中する季節偏重型であり、1Qと4Qに数字が偏る傾向にあるため、3Q時点では出来上がりが読めない状況です。国内事業については、客数復元と9月からの再値上げによる収益回復と原価の水光熱費・人件費の大幅増の“綱引き”となるものの、中国事業は下期から完全にロックダウン解除となるため、春節需要のフル取込に期待がかかります。
当社は中期経営計画等を公表しておらず、展開店舗数もここ数年は50店舗強の水準で横ばい推移しています。現状、国内は44店(FC込)を運営する最大手となっており、中国でも上海と長春の直営3店を含む10店を展開しています。国内事業の当面の方針は、直営出店再開と既存店修繕&バリューアップ、中国事業の同方針はFC出店と既存店の大規模改装、を掲げていますが、当面は出店よりも既存店の収益力回復が優先されそうです。
近年は従来型のスーパー銭湯「極楽湯」だけでなく、若年層をターゲットとした滞在型新業態の「RAKU SPA」を鶴見や名古屋に出店したほか、同業態派生型の“Cafe”や“1010”を開発し、都心繁華立地等に出店しています。ソフト面の取組として、コラボ企画を継続的に実施しており、“鬼滅の刃”や“SPY×FAMILY”、“ONE PIECE”といった集英社系の強力なアニメIPだけでなく、“ユニクロ”や“LOWRYS FARM”など異業種コラボも実施しており、温浴業界トップシェアの当社ならではの取組といえます。
財務面については債務超過ギリギリの状況が継続しています。この手当のため、昨年4月にSMBC日興証券を相手先とする、2回目のMSワラント(2025年4月までに満額で14億円)を発行し、この枠内において昨年9月までに1.5億円を調達し、借入12.5億円を返済した上で、上期末純資産はプラス118百万円に浮上しています。かかる状況のため、株主還元が出来るような状況にはなく、向こう数年は無配が継続する公算です。
*参考記事① 2018-02-21 699円 OP
中国事業再加速期待も、三者割希薄化が悩ましい・極楽湯ホールディングス(2340)。
*参考記事② 2016-12-07 856円 OP
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。