【3198】SFPHD/親のクリレスHD相手に60億円弱の自社株買い、今期の総還元性向は5倍強。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3198】SFPホールディングス(東証プライム) NT

現在値  2,130円/100株  P/E 45.7  P/B 4.25  2月配当優待 8月配当優待

居酒屋「鳥良」「磯丸水産」が主力。クリエイト・レストランツHD傘下。
配当基準日は2月・8月の年2回、配当金は年22円のため配当利回りは1.03%となります。

SFPホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の単元株主に対して、それぞれ4,000円分の食事券を進呈していますので、配当優待利回りは約4.78%となります。

業績は下記の通りとなっております。

■2021年2月期 売上高 174億円、経常利益▲49.0億円 EPS▲219.1円 

■2022年2月期 売上高 104億円、経常利益 22.0億円 EPS 67.0円

■2023年2月期 売上高 229億円、経常利益 15.8億円 EPS 21.3円 

■2023年2月期 売上高 270億円、経常利益 12.0億円 EPS 34.9円 

■2024年2月期 売上高 280億円、経常利益 19.0億円 EPS 49.2円 ce(10/13)

□2023年8月2Q 売上高 142億円、経常利益 11.0億円 EPS 25.3円 (10/13) 


2023年8月中間期の売上高はYoY+41.0%の142億円、経常利益はYoY▲10.2%の11.0億円となり、予算比は無いものの(実質)大幅増収増益となりました。上期は既存店売上高のハードルが特に低かったこともあり、新宿・上野・浅草・難波・京都など訪日客の多い地域の回復が顕著となり、深夜営業再開で一段増となりました。利益面では助成金が剥落(▲20億円)したものの、水光熱費高騰一巡とメニュー見直しで、経常利益段階でも横ばい圏を確保しています。店舗数は純減3店となり、期末の店舗数は207店となりました。


なお2024年2月期の通期見通しは中間で増額しており、売上高はYoY+22.2%の280億円(期予:270億円)、経常利益はYoY+20.0%の17.0億円(期予:12.0億円に修正しています。店舗数自体は微増計画であるものの、営業時間平常化と訪日客増加、高単価メニューの拡販により通期で売上増を見込みます。利益面については、ベースアップや深夜営業再開で人件費が増加するものの、親会社との食材等共同購入や酒販比率の増加、メニュー改定で採算性が改善する見通しです。


これまで当社はローリング方式で3年中計を公表していましたが、現状で公表しているものはありません。そのため定量的な業績目標は掲げていないものの、当面の取組方針として、①地方都市出店、②ネオ大衆酒場注力、③訪日客対応、④インフレ対応、➄DX推進の5点を挙げています。①はFCや買収したグループ会社を通して仙台・長野・熊本での出店に成功したことから、札幌・静岡など他中核都市への出店を進めます。特に仙台は進んでおり、“磯丸水産”2号店のほか、“とろたく”・“五の五”の出店を果たしています。

 

②のネオ大衆酒場は“五の五”に代表される少人数・高回転方式の普段使い業態を拡充しており、小人数運営&低投資モデルで採算化が進んでいることから、出店・転換で30~40店規模に拡大させ、“磯丸水産”に次ぐ2番目の柱とする目論見です。③は飲料売上比が高く、好採算の深夜~通し営業を本格化するほか、➄はSMBC-GMOペイメントの高度決済端末“stera”の導入や、ぐるなびモバイルオーダーの導入による業務負荷削減を図ります。

 

財務状況については、高水準の受取助成金により、自己資本比率は72.6%に達しています。ネットキャッシュは80億円程と盤石な状態ですが、親のクリレスHDが保有する自社株60億円弱(11.6%)を9月決済で買い取ったため、表記よりは悪化する見通しです。配当金は2円増配の年22円に修正していますが、これは買い取った1割強の自社株見合いの増配と解され、今期に限り総還元性向は5倍強に達する見込みです。


*参考記事① 2023-07-06  2,249円 NT

【3198】SFPHD/深夜営業再開なら、インバウンド取込で鋭角的な回復が見込まれよう。

 

*参考記事② 2023-01-20  1,706円 NT

【3198】SFPホールディングス/都心型店舗割合多く、インバウンド回復なら相対的な戻りは早い。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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