【3198】SFPHD/深夜営業再開なら、インバウンド取込で鋭角的な回復が見込まれよう。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3198】SFPホールディングス(東証プライム) NT

現在値  2,249円/100株  P/E 64.4  P/B 4.63  2月配当優待 8月配当優待

居酒屋「鳥良」「磯丸水産」が主力。クリエイト・レストランツHD傘下。
配当基準日は2月・8月の年2回、配当金は年20円のため配当利回りは0.89%となります。

SFPホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の単元株主に対して、それぞれ4,000円分の食事券を進呈していますので、配当優待利回りは約4.44%となります。

業績は下記の通りとなっております。

■2021年2月期 売上高 174億円、経常利益▲49.0億円 EPS▲219.1円 

■2022年2月期 売上高 104億円、経常利益 22.0億円 EPS 67.0円

■2023年2月期 売上高 229億円、経常利益 15.8億円 EPS 21.3円 

■2023年2月期 売上高 270億円、経常利益 12.0億円 EPS 34.9円 ce

□2022年8月2Q 売上高 132億円、経常利益 4.5億円 EPS 12.8円 四e 


2023年2月期の売上高はYoY*2.2倍の229億円、経常利益はYoY▲28.1%の15.8億円となり、大幅増収ながらも利益は予算未達となりました。新型肺炎禍の第6波の影響で、期初時点の平時比SSSは3割程に留まったものの、3Q以降からインバウンド恩恵を受け、4Qからは忘年会・新年会需要の復元で尻上がりに業績が回復しました。他方、エネルギーコストの大幅な上昇や、食材原価の高騰にくわえ、営業外の助成金収入が減少(▲78億円)したため、経常利益が縮小しています。なお店舗数は純減5店となり、期末の店舗数は210店となりました。


進行期である2024年2月期の予算については、売上高がYoY+17.8%の270億円、経常利益はYoY▲24.2%の12.0億円を予想しています。店舗数は横ばいを見込む一方、インバウンド等の人流回復に応じて、深夜営業取り止め中の店舗を順次再開する計画です。他方、利益面については、魚介類や鶏卵価格、水光熱費の顕著な増加のほか、離職率抑制のためのベースアップ(+4.1%)により連続減益予想となるものの、親会社との食材等共同購入や深夜営業によるミックスの良化(好採算の酒販比率増)、価格転嫁による手当てを予定しています。


当社は従来、ローリング方式による3年タームの中計を公表していましたが、現状で公表しているものはありません。そのため定量的な業績目標は掲げていないものの、当面の取組方針として、①地方都市出店、②ネオ大衆酒場注力、③インバウンド対応、④インフレ対応、➄DX推進の5点を挙げています。①は従来1都3県の都心部繁華エリアの出店が中心だったものの、FCやM&Aで買収したグループ会社の活用により仙台・長野・熊本での出店に成功したことから、札幌・静岡など他中核都市への出店を進めます。

 

②のネオ大衆酒場はについては、大規模宴会用座席を排した「五の五」に代表される少人数・高回転方式の普段使い業態を拡充しており、小人数オペレーション・低投資モデルで比較的容易に採算化が進んでいることから、出店・転換で30~40点規模に拡大させる計画です。また、③については中国人観光客の戻りに合わせて、好採算の深夜営業を本格再開するほか、➄はSMBC-GMOペイメントの高度決済端末“stera”の導入を推進します。

 

財務状況については、高水準の受取助成金により、自己資本比率は71.4%に達しています。ネットキャッシュは90億円弱と盤石な状態が続いており、同業他社のM&Aをするにも十分な余力を維持しています。当社は親会社のクリレスHDよりも財務が良好なので、配当金は年20円まで復元予定となっていますが、巡行水準である年26円の早期復元が期待されます。


*参考記事① 2023-01-20  1,706円 NT

【3198】SFPホールディングス/都心型店舗割合多く、インバウンド回復なら相対的な戻りは早い。

 

*参考記事② 2022-07-20 1,725円 OP

【3198】SFPホールディングス/好財務で年20円復元配、地方中核都市にも「磯丸」出店へ。 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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