【3198】SFPホールディングス/好財務で年20円復元配、地方中核都市にも「磯丸」出店へ。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_7857.jpg

【3198】SFPホールディングス(東証プライム) NT

現在値  1,725円/100株  P/E 26.1  P/B 3.34  2月配当優待 8月配当優待

居酒屋「鳥良」「磯丸水産」が主力。クリエイト・レストランツHD傘下。
配当基準日は2月・8月の年2回、配当金は年20円のため配当利回りは1.16
%となります。

SFPホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の単元株主に対して、それぞれ4,000円分の食事券を進呈していますので、配当優待利回りは約5.79%となります。

業績は下記の通りとなっております。

■2020年2月期 売上高 402億円、経常利益 29.1億円 EPS 56.7円

■2021年2月期 売上高 174億円、経常利益▲49.0億円 EPS▲219.1円 

■2022年2月期 売上高 104億円、経常利益 22.0億円 EPS 67.0円

■2023年2月期 売上高 245億円、経常利益 22.0億円 EPS 65.9円 ce

□2022年5月1Q 売上高 46.2億円、経常利益 14.1億円 EPS 43.5円(7/14)

□2022年8月2Q 売上高 100.0億円、経常利益 8.0億円 EPS 23.3円 四e


2022年2月期の売上高はYoY▲40.3%の104億円、経常利益はYoY+71億円の22.0億円となり、昨年10月の修正見通しを下回って着地しました。期を通して緊急事態宣言・まん防に伴う休業や時短、酒類提供制限等の影響を色濃く受け、下期も全店で営業再開(時短)出来たのは11月・12月のみとなったため、2019年2月期比の既存店売上高は59.1%に留まりました。他方、雇用調整助成金や時短協力金を営業外で100億円弱計上したため、経常利益段階から一気に黒字に浮上しています。出退店は出店1・退店13となり、店舗数は215店となりました。


進行期である2023年2月期の予算については、売上高がYoY*2.3倍の245億円、経常利益はYoY横ばいの22.0億円を予想しています。期初3月・4月は感染6波の影響で苦戦前提とするものの、その後はある程度持ち直す前提の予算組みとなっており、前年に実施した持ち帰りやランチ・食事需要の開拓を企図した店舗フォーマットの変更等も寄与する見通しです。出退店については不採算店閉鎖が一巡していることから、純増5店を見込むとともに、各種効率化の進展により、助成金算入前の営業利益段階からの黒字転換を予想しています。


当社は従来ローリング方式で3年中計を公表しており、終わった2022年2月期に売上高500億円(CAGR16%)、経常利益42.0億円(CAGR9%)を目指していましたが撤回しています。これまでは家賃の高い都心好立地に「鳥良」「磯丸水産」を出店してきましたが、空中階の多い「鳥良」については閉鎖を進めています。路面店の多い「磯丸水産」はテイクアウトに馴染みやすいことから、「磯丸水産食堂」という半定食業態に衣替え&持ち帰りカウンターを設け、店内飲食との二毛作型への転換を図るとともに、「町鮨 とろたく」という寿司注力型の派生業態も開発しています。

 

今後の出店戦略としては、「磯丸水産」の地方都市出店を進める計画であり、仙台や買収した子会社のある長野・熊本でも一定の成功を得たことから、政令指定都市だけでなく、中核都市への展開を図ります。また、“ネオ大衆酒場”と定義する「玉子焼き・やきとり鳥平ちゃん」や「浜焼ドラゴン」「五の五」といった、少人数・高回転方式の普段使い業態を拡充します。その他合理化策として、親会社のクリレスHDとマーチャンダイジング(仕入)に関する合弁会社CMDを昨年9月に折半出資で設立し、食材購買のスケールメリット確保により原材料価格高騰に備えるなどしています。

 

財務の状況については、高水準の受取助成金も寄与し、自己資本比率は実に74.8%に達しています。手元現金は70億円と盤石な状態が続いており、自社出店のみならず同業のMAをするにも十分な余力を維持しています。また、当社は親会社のクリレスHDよりも圧倒的に財務が良好なので、配当金は早くも年20円まで復元させる予定であり、巡行水準である年26円の完全復元に期待がかかります。

 

*参考記事① 2021-12-24   1,338円  OP

【3198】SFPホールディングス/不採算店閉鎖は既に一巡、営業外助成金収入が想定超。

 

*参考記事② 2021-06-08 1,417円 OP 

【3198】SFPホールディングス/依然として財務余力あり、残存者利益獲得の機会が到来。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村