【3198】SFPホールディングス(東証1部) OP
現在値 1,417円/100株 P/E--.- P/B3.40 2月配当優待 8月配当優待
居酒屋「鳥良」「磯丸水産」が主力。クリエイト・レストランツHD傘下。
配当基準日は2月・8月の年2回ですが、現時点では配当予想を公表していません。
SFPホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の単元株主に対して、それぞれ4,000円分の食事券を進呈していますので、配当優待利回りは約5.64%(無配前提)となります。
業績は下記の通りとなっております。
■2018年2月期 売上高 368億円、経常利益 38.2億円 EPS 100.1円
■2019年2月期 売上高 377億円、経常利益 32.2億円 EPS 75.6円
■2020年2月期 売上高 402億円、経常利益 29.1億円 EPS 56.7円
■2021年2月期 売上高 174億円、経常利益▲49.0億円 EPS▲219.1円
□2022年2月期 売上高 250億円、経常利益 5.0億円 EPS 0.0円 ce(4/14)
□2021年8月中 売上高 115億円、経常利益▲5.0億円 EPS▲3.9円 四e
2021年2月期の売上高は前期比56.7%減の174億円、経常利益は同赤転の▲49億円となり、予算との比較は無いものの大幅な減収減益となりました。新型肺炎禍の緊急事態宣言が続いたGW回りの1Qを底に3Qまで尻上がり回復を続けたものの、年末にかけて感染再拡大がみられたため、書き入れ時の忘年会需要を取り逃す形で既存店売上高の実態値は30%を切る水準にまで低迷しました。出退店については、売上減少幅の大きい空中階店舗を中心に53店もの大量閉店を実施した結果、出店5店とネットした純減数は48店となりました(期末店舗数は227店)。
2022年2月期の通期見通しについては期初から開示しており、売上高は43.4%増の250億円、経常利益は黒転の5.0億円を見込んでいます。期初は引き続き弱い想定をしているものの、2Q途中から期末にかけて徐々に売上が回復するような前提となっており、出退店についても純増ゼロ圏を想定しています。実績期で大苦戦したビルインの「鳥良」の撤退が進んだことから、残った路面店中心の「磯丸水産」の24時間営業再開により、残存者利益の獲得を狙います。また、出店抑制の一方で既存店の業態転換や小規模な内装投資といったリニューアルに投資する計画となっています。V字回復というよりは、どちらかというと態勢立て直しのための一年となりそうです。
当社はローリング方式の3年中計を公表しており、この2022年2月期にも売上高500億円(CAGR16%)、経常利益42.0億円(CAGR9%)を目指していましたが、既にこの中計についても未定に変更しています。新型肺炎禍により、「鳥良」「磯丸水産」の大量出店による成長シナリオに狂いが生じたため、不採算店の閉鎖と既存店の梃入れに注力しています。具体的にはお弁当やオードブルといった持ち帰り/デリバリーメニューの大幅拡充にくわえ、「うなぎの岡島」や「からあげ専門店 巨匠の食卓」といった新業態をいわゆるゴーストキッチン方式で展開するなど、既存店のウイングを広げています。特に「磯丸水産」の既存店は路面店が多く、テイクアウトに馴染みやすいため、親和性の高い部分もありそうです。
また、方針として明らかにしている訳ではないものの、立ち行かなくなった同業他社のMAによる成長についても改めて期待可能と考えています。当社は2019年3月に熊本の19店の居酒屋等を運営するジョースマイル(売上高約14億円・経常利益約1.5億円)を10.7億円で買収したほか、5月には長野でから揚げ店等を運営するクルークダイニング(売上高10億円・経常利益0.3億円)を5.0億円で買収した実績がありますので、今後は特に厳しいとみられる地方居酒屋のMA案件が当社に持ち込まれるケースが増えるとみられます。
財務の状況については、期末時点の自己資本比率は43.8%、手元現金は116億円と盤石な状態が続いています。そのため出店は言うまでもなく、同業のMAをするにも十分な余力を維持しており、残存者利益を獲得するための好機が到来していると解されます。また当社は親会社のクリレスよりも圧倒的に財務が良好なので、現状無配に転落しているものの、業績が上向けば早々に復配する公算が高いと考えています。
*参考記事① 2020-06-12 1,641円 NT
【3198】SFPホールディングス/好財務活かし、買収による外部成長の好機が到来。
*参考記事② 2019-12-25 2,276円 OP
相次ぐMAで業績拡大も、のれん償却が重し・SFPホールディングス(3198)。
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