【4194】ビジョナル/BizReachは注文通りの高成長続く、周辺商材の育成はやや停滞。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4194】ビジョナル(東証プライム)  OP

現在値  8,850円/100株  P/E 31.6  P/B 8.1 7月配当(無配) 株主優待なし

クラウド活用の会員制転職サービス「BizReach」、人材管理「HRMOS」展開。


配当基準日は7月末ですが、配当実績はなく無配予想となっています。
ビジョナルは株主優待制度を導入していません。

業績を確認していきます。

■2021年7月期 売上高 286億円、営業利益 23.8億円 EPS 43.3円

■2022年7月期 売上高 439億円、営業利益 83.2億円 EPS 160.3円 

■2023年7月期 売上高 562億円、営業利益 132億円 EPS 256.7円 

■2024年7月期 売上高 664億円、営業利益 160億円 EPS 279.5円 ce

□2023年10月1Q 売上高 160億円、営業利益 49.5億円 EPS 89.1円(12/14)

□2024年1月2Q 売上高 314億円、営業利益 73.0億円 EPS 130.3円 四e 

 

2023年7月期の売上高はYoY+28.0%の562億円、営業利益はYoY+59.7%の132億円となり、売上は計画線ながら利益は上振れて大増益となりました。主力のBizReachは新型肺炎禍からの反動増の継続や、直接採用基調の継続で会員数を1,380千人→1,700千人に、導入企業数を211千社→262千社まで更に積み増したほか、うち半分程度が“アクティブ“会員となりました。SaaS型のHAMOSは投資先行で赤字が継続したものの、ARRは+31.5%の21.3億円(ARPU+1.4%、Churn0.5%)と全指標で改善を示しました。


進行期である2023年7月期の予算については、売上高がYoY+18.0%の664億円、営業利益はYoY+21.0%の160億円と2割前後の増収増益を見込みます。主力のBizReachは直近1Qまで高単価人材の採用モメンタムは維持されているほか、HRMOSも主力の「採用」が低解約率を背景とした既存顧客のストック売上と新規導入支援売上の伸長が見込まれるものの、新商材の人事給与のローンチで赤字が継続します。尚12月14日に開示済の1Qは売上高160億円&営業益49.5億円と計画超での推移が確認されます。


当社は中長期の経営計画を開示していないものの、収益柱のBizReachは人材獲得競争と従業員の賃上げ傾向のほか、TAM(会員数:現状214万人vs市場:1,106万人、企業数:現状13,400社vs市場50,000社)もある程度残されていることから、依然年率15%~20%程の成長が目されています。また、ヘッドハンター割合の低下で直接雇用比率が増加しているため、解約率低下に繋がり、当社ストック性売上高の“堅牢度”は一段と向上しています。

 

全社ベースではHR-SaaSであるHRMOSを核に、トップラインCAGRは年率2割程が見込まれます。HRMOSのARRは足許で22.7億円程度となっており、採用管理とタレントマネジメントが主力であるものの、勤怠管理や経費精算といった周辺モジュールにくわえ、進行期に人事給与版を新たにローンチする予定となっています。HR‐SaaSはSmartHRやプラスアルファコンサルティング、カオナビといった先行するカテゴリーキラーの競合が存在するものの、当社は人材の入口となるBizReachを差別化要素にシェア拡大を目論みます。


その他育成中の商材としては、事業承継PFのM&Aサクシードや、傭車仲介(水屋)のトラボックスといった事業があるものの想定以下の成長とみられ、育成中商材合計でも全社売上高の5%弱(25億円程)に過ぎない状況です。これは昨年7月に傘下事業会社であるBizReach社長の多田氏が急逝されたことから、持株会社で育成事業を中心に手掛けていた創業者の南氏の人的リソースが一時的に“分散”されたことも遠因とみられ、当面はBizReach頼りの構図が続く見通しです。

 

*参考記事① 2022-12-08  10,110円 OP

【4194】ビジョナル/BizReachは高水準続くが、周辺プロダクトの成長が待たれる状況。

 

*参考記事➁ 2021-12-03 7,850円 OP

【4194】ビジョナル/BizReach軸に、向こう3年は年率2割超の成長が期待されよう。

 

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