【3082】きちりホールディングス(東証プライム) NT
現在値 1,050円/100株 P/E 53.1 P/B 22.8 6月配当優待 12月株主優待
女性向け居酒屋『きちり』等を直営展開。関西から関東に軸足移行。
配当は6月末に年5円を予想しているため、配当利回りは約0.48％となります。
きちりホールディングスは株主優待制度を実施しており、6月末・12月末現在の100株以上の株主に対して1,500円分の食事券を年2回進呈しているため、配当優待利回りは約3.33%となります。
業績を確認していきます。
■2021年6月期 売上高 56.1億円、営業利益▲13.7億円 EPS▲53.3円
■2022年6月期 売上高 69.2億円、営業利益▲11.2億円 EPS 14.9円
■2023年6月期 売上高 109.4億円、営業利益▲0.8億円 EPS▲25.0円
■2024年6月期 売上高 135.0億円、営業利益 5.0億円 EPS 19.7円 ce
□2023年9月1Q 売上高 32.6億円、営業利益 1.6億円 EPS▲3.2円(11/6)
□2023年12月2Q 売上高 63.0億円、営業利益 2.0億円 EPS 7.9円 四e
2023年6月期の売上高はYoY+58.1%の109.4億円、営業利益はYoY+10.4億円の▲0.8億円となり、大幅な増収増益ながらも利益は計画未達となりました。主力の飲食事業は正常化の進展でSSSは大きく前年超となったほか、期末時点では新型肺炎禍前比を超える水準まで売上が回復した一方、水光熱費や食材原価の高騰で赤字が継続しました。出店については、mozoにフードコート様式の「いしがまや」1号店を出店したほか、ららぽーと堺やアリオ柏、ららぽーと門真、イオンモール長久手に韓国料理「VEGEGO」に出店し、期末店舗数は122店となりました。
進行期である2024年6月期の予算については、売上高がYoY+23.4%135.0億円、営業利益はYoY+5.8億円の5.0億円と黒字転換を予想しています。ディナー系業態のや団体需要の復調と値上げ効果により、既に4ヶ月分が開示済の飲食事業のSSSは120％を挟んだ水準で推移しているほか、出店も純増10店以上を計画しているため、連続で大幅増収となります。11月6日に既開示の1Qの売上高は32.6億円＆営業益1.6億円で進捗しており、計画比で強含みの推移が確認されます。
当社は中期計画を公表していないものの、当面の取組事項として①既存店強化、②フードテック企業への進化、の2点を挙げています。①は「KICHIRI」に代表される好感度立地へのディナー店ではなく、郊外SC等の商業施設内店舗への出店に軸足を移します。施設内店舗は安定集客と酒類低依存に特徴があり、坪効率の高い「いしがまや(坪効59.2万円)」「VEGEGO(坪効47.0万円)」の2業態に絞って居抜き狙いで出店を進めます。2018年には小売大手のイズミと提携し、当社FCとしてゆめタウン等の商業施設内にハンバーグ店やオムライス店をF展開しており、ロイヤリティ収入の拡大が期待されます。
②のフードテックは子会社のApply Now社が録画型Web面談システムや電子雇用契約をSaaS形式で提供しており、同社は総合人材サービス大手のマイナビとみずほキャピタルを相手先に第三者割当増資を実施するなど、順調に拡大しています。このほか、かねてよりレストラン運営代行を通じて実施してきた地方支援を拡大し、ふるさと納税の返礼品開発や発送・顧客対応代行をおこなう地方創生事業として本格化させる計画です。
なお足許の財務状況については、自己資本比率は6.7%にまで低迷していますが、資本性の劣後ローン7億円を考慮すると、実質ベースでは18％程と試算されます。新型肺炎禍での受取助成金もあり、手許現金は20億円以上あることから、やや時期尚早ではあるものの既に年5円の復配に踏み切っています。
*参考記事① 2023-05-15 857円 NT
【3082】きちりホールディングス/都心の女性向け居酒屋から、SC内レストラン出店にシフト。
*参考記事② 2021-05-12 576円 UP
【3082】きちりホールディングス/郊外SCハンバーグ店は底堅い、デリバリー強化で薄明りも。
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