【6073】アサンテ/50周年記念販促も不発気味、社員数伸びずに中計を減額ローリング。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6073】アサンテ(東証プライム) OP

現在値 1,622円/100株  P/E 19.3  P/B 1.50  3月配当優待 9月配当優待

住宅用白アリ防除のトップ。東北、関東から京都まで営業網。JAと提携。
配当は3月末・9月末の年2回・合計62円配当のため、配当利回りは約3.82%となります。

アサンテは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点の単元以上保有株主に対し、三菱UFJニコスのギフトカード1,000円分を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.05%となります。

業績を確認していきます。 

■2021年3月期 売上高 138億円、営業利益 16.0億円、EPS 89.5円 

■2022年3月期 売上高 136億円、営業利益 13.2億円、EPS 52.8円 

■2023年3月期 売上高 141億円、営業利益 13.8億円、EPS 79.7円 

■2024年3月期 売上高 148億円、営業利益 14.5億円、EPS 83.7円 ce

□2023年6月1Q 売上高 42.3億円、営業利益 6.5億円、EPS 39.4円(8/8) 

□2023年9月2Q 売上高 80.0億円、営業利益 10.5億円、EPS 62.8円 四e


2023年3月期の売上高はYoY+3.2%の141億円、営業利益はYoY+4.2%の13.8億円と増収増益ながらも計画未達となりました。主力の白蟻対策については、白蟻飛翔時期にかかる最繁忙期の春先は概ね堅調だったものの、新型肺炎禍(第7波・第8波)の影響で商談件数が伸び悩みました。利益面については、増収効果の一方で積極的な人材採用や社員教育・待遇改善等にコストを投じたため、増益幅は想定以下となりました。なお、顧客種別では、新規防除・地震対策がやや低調だったものの、更新防除・湿気対策は好調でした。


進行期である2024年3月期の予算については、売上高はYoY+4.7%の148億円、営業利益はYoY+5.1%の14.5億円を予想しています。最繁忙期の2Qに向けて、TVCM・新聞折込・web広告や新規タレント起用といった“50周年記念販促”を期初から打ったものの、消費者の生活防衛意識の高まりから、新規取込はいまひとつとなっています。8月8日開示済の1Qは売上高42.3億円&営業益6.5億円と、費用先行が鮮明となっており、予算達成は2Q期間での一段の上乗せが必要となります。

 

当社はローリング方式の3年中計を公表しており、最終年度の3年後の2026年3月期までに売上高を141億円→157億円、営業利益を13.8億円→18.2億円まで引き上げる計画に修正しているものの、実態は大幅な減額ロールとなります。当社は労働集約型の人工(にんく)商売であり、社員の増加が売上増に直結するものの、“3K”職場の忌避傾向と離職率増加が成長のネックとなっているため、上述のとおり採用強化・人材開発に注力しています。然しながら、直近期末の社員数は1,037人と1年前比で減少しており、思うように売上を伸ばせていない状況が継続しています。

 

当社は“実の”兄弟会社である西日本地盤のサニックスと日本を東西に二分する形で棲み分けしており、JAの提携営業方式により東日本を営業地盤としていましたが、近年は西日本進出を進めています。2018年に開設した阪神営業所(尼崎)を皮切りに、橿原営業所(奈良)、南予営業所(愛媛)を開設したほか、2022年4月には四万十営業所(高知)、10月には岡山営業所を、本年4月には広島営業所を相次いで開設しています。それでも社員数は然程変わっていないため、拠点数増による経費増で効率性が後退しているものとみられます。

 

株主還元については、ほぼ無借金で60億円を超えるネットキャッシュを保有しているほか、特段の資金需要も無い人工商売であることから、配当性向40%を目途に安定配当することとしています。そのため、目下の配当予想は年62円(配当性向74.0%)と想定水準を大きく上回るものの、十分維持可能な範囲とみています。


*参考記事① 2023-02-16 1,650円 OP

【6073】アサンテ/対面営業の本格再開と人材定着率の改善で、やや良化の気配。

 

*参考記事② 2022-02-18 1,600円 OP

【6073】アサンテ/対面営業抑制で新規低調、周辺ドメインのM&Aに活路。 

 

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