【6073】アサンテ(東証1部) OP
現在値 1,600円/100株 P/E 18.0 P/B 1.48 3月配当優待 9月配当優待
住宅用白アリ防除のトップ。東北、関東から京都まで営業網。JAと提携。
配当(実績)は3月末・9月末の年2回・合計62円配当のため、配当利回りは約3.88%となります。
アサンテは株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点の単元以上保有株主に対し、三菱UFJニコスのギフトカード1,000円分を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.12%となります。
業績を確認していきます。
■2018年3月期 売上高 139億円、営業利益 21.3億円、EPS 114.3円
■2019年3月期 売上高 145億円、営業利益 22.8億円、EPS 122.8円
■2020年3月期 売上高 144億円、営業利益 22.3億円、EPS 128.0円
■2021年3月期 売上高 138億円、営業利益 16.0億円、EPS 89.5円
■2022年3月期 売上高 140億円、営業利益 15.3億円、EPS 88.7円 ce修正
□2021年9月2Q 売上高 75.2億円、営業利益 10.9億円、EPS 67.0円
□2021年12月3Q 売上高 107億円、営業利益 12.7億円、EPS 76.5円 (2/8)
2021年9月中間期の売上高はYoY+1.0%の75.2億円、営業利益はYoY▲6.4%の10.9億円となり、期初予算を下回って減益進捗となりました。主力の白蟻対策については、新型肺炎禍の継続で白蟻飛翔時期にかかる最繁忙期の春先の対面営業が制限されたほか、2Q期間には緊急事態宣言期間の長期化で更に苦戦を強いられ、新規顧客取込は低調となりました。他方、昨年7月買収のハートフルホーム(※後述)の通期貢献開始と既存客の更新防除といったフォロー強化で、トップラインは辛うじて微増確保した格好です。
なお2022年3月期の通期見通しについては中間時点で修正しており、売上高はYoY+1.6%の140億円(期予:149億円)、営業利益はYoY▲4.5%の15.3億円(期予:19.9億円)まで減額しています。なお、2月8日既開示の3Qによれば、売上高が107億円&営業利益12.7億円で進捗しているほか、4Qは通常殆ど数字が乗らないことから、修正見通し水準で着地する公算です。感染状況の改善がみられないものの、顧客在宅率の増加による施工易化といった側面もあることから、更新防蟻需要等の既存顧客のつなぎ止めに注力します。
当社はローリング方式の3年中計を公表しており、最終年度である3年後の2024年3月期に売上高を138→164億円、営業利益を16→26億円まで其々引き上げる計画です。当社のビジネスモデルは労働集約型の人工(にんく)商売であり、社員の増加が売上の増加に直結するものの、厳しい労働環境や教育不十分による離職率の高止まりが成長のネックとなっていました。新型肺炎禍においては失業者が増加し、連れて当社の採用環境も改善したものの、今度は対面営業が難しくなっているため、足許の業績は中計前を割り込むような水準にまで落ち込んでいます。
東日本地盤の当社は、提携先のJAの後ろ盾で展開してきたものの、西日本に関しては独力で2018年に阪神営業所(尼崎)を開設したほか、橿原営業所(奈良)、南予営業所(愛媛)を開設しており、目下では近接エリアではなく“飛び地”的な営業所展開も進めています。また、MAによる外部成長も志向しており、2019年に札幌でリフォーム業を営むハートフルホーム(年商9億円)を7億円弱で買収したほか、今後は基礎補修や太陽光、高断熱施工など既存顧客のクロスセルが効きやすい領域での業容拡大を図る方針です。
株主還元については、ほぼ無借金で65億円を超えるネットキャッシュを保有しているほか、設備投資不要なことから、配当性向40%を目途に安定的に配当しています。また、創業家大株主の故・宗政誠氏の相続税支払い目的の大規模売出し30億円(14.3%)対応のために多額の自社株買いをしたことから、業績低迷でもEPS自体は底上げされており、配当性向7割近い現行の年62円水準でも維持可能とみています。
*参考記事① 2021-08-19 1,719円 OP
【6073】アサンテ/採用易化、エリア拡大、営業効率向上で事業環境が整いつつある。
*参考記事② 2021-02-15 1,724円 OP
【6073】アサンテ/創業者の宗政氏逝去にともない、大規模自社株買いで下支え中。
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