【8425】みずほリース/Aircastle軸に航空機リースが回復、中計前倒し&還元強化路線へ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8425】みずほリース(東証プライム)  OP

現在値   4,740円/100株 P/E 7.40  P/B 0.87 3月配当優待 9月配当

みずほ(旧興銀)系。総合金融サービス会社化を目指す。
配当は3月末・9月末の年2回合計166円のため、配当利回りは3.50%となります。

みずほリースは株主優待を導入しており、3月現在の単元株主に対して、3,000円分のクオカード進呈しているほか、1年以上保有する長期株主への優遇制度として、1,000円分を追加した4,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りはそれぞれ約4.13 %、約4.34%となります。

 

業績を確認していきます。 

■2021年3月期 売上高 4,978億円、経常利益 275億円 EPS 450円 

■2022年3月期 売上高 5,548億円、経常利益 200億円 EPS 308円 

■2023年3月期 売上高 5,297億円、経常利益 401億円 EPS 586円 

■2024年3月期 売上高 (非開示)億円、経常利益 450億円 EPS 640円 ce

□2023年6月1Q 売上高 1,238億円、経常利益 99.8億円 EPS 140円(8/4)

□2023年9月2Q 売上高 2,380億円、経常利益 240億円 EPS 347円 四e


2022年3月期の売上高はYoY▲4.5%の5,297億円、経常利益はYoY*2倍の401億円となり、減収ながら対前・対計画で大幅増益となりました。売上については、REIT/ファンド向けの不動産ブリッジ案件の剥落があったものの、好採算のファイナンス案件や航空機未収リース料回収が進んだほか、大赤字だった持分法のAircastleも均衡圏近くまで持ち直しました。なお、期末の営業資産残高については不動産・環境エネルギー関連の大型ブリッジ案件を中心に積み上がり、24,166億円→25,801億円に伸長しました。

 

進行期である2024年3月期の予算については、売上高非開示ながらも、経常利益はYoY+12.2%の450億円を見込んでいます。情報通信分野の低調に推移しているものの、新型肺炎禍明けの航空機リース/Aircastleの回復が見込まれます。また、終わった期の売上高が大幅未達となったことから、あえて案件先送りしたとみられるREIT/ファンド向けの不動産案件の“出口”計上にくわえ、好調な環境エネルギー事業の寄与や、持分法の日鉄興和不動産の堅調な業績推移が見込まれます。


当社はこの2024年3月期を最終年度とする“第6次中計”で純利益を166→300億円(CAGR12%)へ引き上げる計画としていましたが、終わった期で284億円まで到達したため1年前倒しで達成扱いとし、ロールしています。今般開示の“第7次中計”では、最終年度の2026年3月期までの向こう3年間で純利益を284億円→420億円に、ROAを1.4%→1.6%に、ROE11.8%→12%以上に引き上げる計画に洗替えしています。

 

現状で粗利の8割程度を占めるコア事業については、従来型の国内リースや不動産分野は単純に残高増を目指す一方、海外リース・航空機・環境エネルギー分野といったグロース分野へのリソース配分を強化し、コア:グロースの粗利比率を7:3まで再構成します。コア事業の国内リースはみずほFG案件の強化、不動産については出資先の日鉄興和不動産とCRE等での協業強化など、アライアンスによる案件獲得に取り組みます。

 

他方、コア事業については、航空機リース中核のAircastleを中心とした航空機周辺ビジネスの取り込みや、JOLCO/JOL事業開始による業容拡大を図るほか、環境エネルギー分野では再エネ発電量1GWを目指して丸紅ルートを活用した電源確保とみずほFG顧客への再エネ供給のバリューチェーン構築を目指します。他方、M&Aによる“非連続成長”については、2022年に丸紅より豪州自動車金融のAffordable Car Leasingの50%持分を取得したほか、足許2月には印リース会社のRent Alphaの51%持分を相次いで取得しています。

 

株主還元については、今次ロール後中計から配当性向を25%から段階的に30%まで引き上げてく方針としており、進行期は19円増配の年166円配当を予想しています。22期連続の増配となる見通しであるものの、計算上の配当性向はなお25.9%に過ぎないため、仮に業績伸長せずとも段階的な増配が想定されます。

 

*参考記事① 2023-03-09  3,695円 OP

【8425】みずほリース/持分法各社の取込利益が増加、更なる増配が期待出来よう。

 

*参考記事② 2022-09-21  3,275 円 BY

【8425】みずほリース/日鉄興和不の通期貢献と、航空機リース回復で更に増配も。

 

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