【3193】鳥貴族HD/既存店の回復が想定超、初進出の福岡・札幌も好調で増店余地拡大。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3193】鳥貴族ホールディングス(東証プライム)  NT

現在値 2,683円/100株  P/E  66.5  P/B 4.67  7月無配優待 1月無配優待

居酒屋「鳥貴族」の飲食店舗の運営及びフランチャイズ展開。
配当は1月末・7月末の年2回・計10円のため、配当利回りは約0.37%となります。

鳥貴族は株主優待を実施しており、1月末・7月末現在の単元株主に対して1,000円分の優待券を進呈していますので、(配当)優待利回りは約1.11%となります。

業績は下記の通りとなっております。  

■2020年7月期 売上高 275億円、経常利益 9.5億円 EPS▲65.8円 

■2021年7月期 売上高 155億円、経常利益▲3.1億円 EPS▲40.2円 

■2022年7月期 売上高 202億円、経常利益 19.6億円 EPS 97.8円

■2023年7月期 売上高 330億円、経常利益 12.2億円 EPS 40.3円 ce修正(6/9)

□2023年1月2Q 売上高 152億円、経常利益 3.6億円 EPS 9.7円

□2023年4月3Q 売上高 241億円、経常利益 8.6億円 EPS 36.0円(6/9)

2023年1月中間期の売上高はYoY+86.5%の152億円、経常利益はYoY▲72.0%の3.6億となり、予算比は無いものの増収減益となりました。5月からの価格改定(税込327円→350円)効果がフルで寄与し、期初8月こそ新型肺炎禍(第7波)の影響を受けたものの、その後の5ヶ月は予算前提の平時比SSS91%を毎月超過しました。利益面については、助成金収入の剥落影響や水道光熱費等のコスト上昇を受けたものの、営業利益段階では大幅に改善しています。出退店は従来型店舗のみ出店し、純増4店の666店となりました。

 

なお2023年7月期の通期見通しは3Q時点で増額しており、売上高がYoY+63.0%の330億円(期予:317億円)、経常利益はYoY▲38.0%の12.2億円(期予:8.3億円)に修正しています。正常化の進展で下期は回復基調が一段と鮮明になり、5月平時比のSSSは102.5%に達しています。本格的な出店再開により、通期で直営11店・FC11店の出店を見込んでいるほか、買収した“大吉”の一部寄与が見込まれます。利益面については、通期で従業員ベア(+3.1%)や、食材・水道光熱費の高騰、助成金収入剥落等の下押し要素が多数あるものの、トップラインの大幅な回復により、減益幅は想定以下に留まる見通しです。


進行期は5年中計の4年度目にあたり、最終年度の2024年7月期に売上高370億円、営業利益率5.9%(≒21.8億円)を計画しています。今次中計の取組方針は“アメーバ経営方式”であり、各店舗・エリア・統括といった各経営階層毎の採算管理を厳格化し、ドミナント型の積極出店裏で進行していた自社競合を閉店により“間引き”し、採算性向上を図る方針です。

各種原価高騰を受け、利益計画の達成は困難とみられるものの、昨年4月の値上げ効果のほか、客数の戻りが顕著なため、トップラインの達成可視性は高まったようにみられます。

 

他方で、正常化にともなって出店ペースを再加速しており、特に未進出(自社競合しない)だったエリアへの出店を進めています。周辺再開発で他社居酒屋が減少した八重洲エリアといった都心だけでなく、昨年10月には福岡に初進出したほか、4月には札幌にも出店を果たしており、両店とも連日大盛況となっています。特に福岡は焼鳥激戦区であるほか、札幌も地場チェーンの串鳥と競合するため、価格競争の激しいこれら2エリアで成功出来ている点は特筆に値します。

 

1月にはサントリーHD子会社の焼鳥FCチェーン「大吉」のダイキチシステムの全株式を譲受しており、一挙に全国500店舗超の店舗網を追加的に獲得しています。純粋FCのため業績貢献は僅少(年商5億円、利益1億円)であるものの、郊外住宅立地が多いため店舗網が被らず、食材調達のスケールメリットや全国のFCオーナー網の囲い込み等の観点では有意な買収と考えられます。なお非公表の買収額は、サントリーHDへの特別配当(14億円)とのれん代(3.6億円)を考慮すれば、およそ4億円程とみられます。

 

財務状況については、東証二部上場時の公募増資調達した18億円にくわえ、直近の2年間受取助成金収入も膨らみ、目下の自己資本比率34.7%は会社側がターゲットとする安全水準(30%~40%)を確保しています。そのため、終わった期から年4年の復配に踏み切っているほか、進行期は更に6円増配して、巡行水準を上回る年10円配当を見込んでいます。

 

*参考記事①  2022-06-25 2,239円 NT

【3193】鳥貴族HD/翌期よりプライシング効果が本格発現、給与ベースアップを飲み込む。

 

*参考記事②  2021-12-01  1,652円 OP

【3193】鳥貴族HD/既存店は浮き沈み状態も、トリキバーガー1号店は順調。

 

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