【3193】鳥貴族ホールディングス(東証一部) OP
現在値 1,652円/100株 P/E--.- P/B3.67 7月配当優待 1月配当優待
居酒屋「鳥貴族」の飲食店舗の運営及びフランチャイズ展開。
配当基準日は1月末・7月末ですが、実績ベースでは無配に転落しています。
鳥貴族は株主優待を実施しており、1月末・7月末現在の単元株主に対して1,000円分の優待券を進呈していますので、配当優待利回りは約1.21%となります。
業績は下記の通りとなっております。
■2018年7月期 売上高 339億円、経常利益 16.1億円 EPS 57.1円
■2019年7月期 売上高 358億円、経常利益 11.4億円 EPS▲24.7円
■2020年7月期 売上高 275億円、経常利益 9.5億円 EPS▲65.8円 ce
■2021年7月期 売上高 155億円、経常利益▲3.1億円 EPS▲40.2円 ce
■2022年7月期 売上高 (未定)億円、経常利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce
□2021年1月2Q 売上高 102億円、経常利益▲2.0億円 EPS▲25.9円 四e
2021年7月期については、売上高が前期比43.4%減の155億円、経常利益は同赤転の▲3.1億円となりました。新型肺炎影響の継続により、外食業の中でも特に居酒屋業態が苦戦したほか、昨年11月から酒類提供に時間制限が加わったことにより、10月に93%水準にまで回復した既存店売上高(SSS)は年明け1月には28.1%まで低下しました。その後は前年ハードル自体が低かったため数値上はやや回復したものの、通期では58.3%水準に留まりました。出退店については、FCで2店を出店した一方、16店を閉店したため、総店舗数は前期末比16店減の615店となっています。
進行中の2022年7月期の通期見通しについては、新型肺炎の状況が依然不透明なことから、未定としています。既に10月分までの3ヵ月分が開示されているSSSについては、8月16.6%、9月8.8%、10月66.7%と回復しており、昨年は9月~10月と前年ハードルが他月比高めであることを考慮すれば、出た目の数字以上の戻りが確認されます。他方、オミクロン新株による心理的影響が顕在化するのはこれからとみられ、営業時間や酒類提供制限の足かせこそ外れるものの、忘新年会シーズンに影を落としています。また、出退店も流動的な情勢であるほか、助成金による押し上げも限定的となり、現時点では損益均衡圏が精々とみられます。
進行期は5年中計の3年度目となっており、最終年度の2024年7月期に売上高450億円、営業利益8%(36億円)を定めていましたが、昨今の経営環境激変により下方ロールしており、売上高370億円、営業利益率5.9%(≒21.8億円)に減額しています。中計の骨子としては、引き続き“アメーバ経営”の採用により、各店舗・エリア・統括といった各経営階層毎の採算管理を厳格化するとともに、ドミナント形式による積極出店裏で進行していた自社競合を不採算店閉鎖で間引き、採算性向上を図る方針です。また、マーケティング本部を新設し、店舗開発から商品開発・広告活動まで一貫して行う形へと改組しています。
注目の新業態「トリキバーガー」については、8月に大井町に1号店を出店しており、日本マクドナルドで統括マネージャーや営業部長を歴任した高田哲也氏が事業会社社長に就き、向こう3年間で直営店を10店~20店を出店していく計画です(進行期では出店2を計画)。同業態は酒類提供の予定はなく、店舗当たりの想定年商も2億円のため、仮にこの時間軸で20店出店出来たとしても本中計期間での業績寄与は限定的ですが、その後のFC展開によりロイヤリティや食材卸により主に利益面での貢献が見込まれます。現状、1号店の経過は順調であり、客単価800円・テイクアウト率も7割に上っているため、ドライブスルー展開にも期待がかかります。
財務状況については、二部上場時のPO(約18億円)でエクイティ調達をしており、昨年春に主力3行から延べ65億円を借入したほか、本年6月に別途30億円のコミラインを延長しています。そのため資金繰りについては手当がなされており、ネットした自己資本比率も31.0%と会社側が中計で想定する目標安全域(30%~40%)を確保しています。なお配当については未定としていますが、かような財務背景から年1~2円程度で復配する可能性もあろうかと思われます。
*参考記事① 2021-06-01 1,770円 OP
【3193】鳥貴族/中計を見直し、新業態「中西家」「トリキバーガー」を展開へ。
*参考記事② 2020-11-30 1,384円 OP
【3193】鳥貴族/業績未定・出店ゼロ圏だが、社員暖簾分け用に小型業態を開発。
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