半年ぶりに東関東を地盤にする民鉄11社の株価をレビューします。前回予想時(2022年の6月19日)時点の評価及び株価と、今回予想時(2022年12月25日)の時点の評価及び株価を記載しています。評価の符号(◎〇▲△×)は投資魅力度ですが、競馬と同じ感覚で適当に付しております。
西武HD(9024) 前回予想(評価△/@1,399円)→今回予想(評価△/@1,425)
芝パークタワーのGICへの売却で財務面はひと息。ハワイ事業の回復期待も、為替影響のきつい日本人客はかなり減少する見通し。お膝元の所沢駅前再開発は24年の開業、としまえん跡地のハリーポッター園も来春開業で、沿線魅力度はじわり向上か。
東武鉄道(9001)前回予想(評価▲/@3,025円)→今回予想(評価▲/@3,105円)
スカイツリーの国内外需要回復、リッツ・カールトン開業など高級宿泊施設開業による日光・鬼怒川方面の長距離定期外送客増加なら採算性急改善で期待。なお、池袋西口の再開発は株価材料としてはかなり先。
東急(9005) 前回予想(評価▲/@1,508円)→今回予想(評価△/@1,665円)
東急レクリエーションを完全子会社化、ミラノ座跡の歌舞伎町のタワーも5月に完成予定。渋谷界隈のオフィスビル稼働率も底堅く、良くも悪くも動きが少ない状況。
小田急電鉄(9007)前回予想(評価〇/@1,757円)→今回予想(評価◎/@1,706円)
小田急百貨店再開発の資金需要については、西新宿のハイアットリージェンシー売却で一旦手当てするも、インバウンド回復時期に百貨店の閉鎖が痛い。然しながら、同業比で低位の株価位置は魅力的な水準に映る。
京王電鉄(9008)前回予想(評価▲/@4,700円)→今回予想(評価△/@4,905円)
財務盤石。来秋には全線で10%の値上げ予定。京王プラザホテル稼働率回復、京王百貨店も隣地の小田急百貨店建替による仮需が見込まれるが、沿線は観光資源に乏しく、カタリストが少ない。
京急電鉄(9006)前回予想(評価△/@1,446円)→今回予想(評価▲/@1,364円)
インバウンドや国内出張・旅行旅客の復調で空港線復活もJR東日本傘下の東京モノレール対抗で運賃大幅値下げ策(40億円の減益)がいまだ惜しまれるものの、来秋には全線で10%の値上げ予定。泉岳寺駅再開発効果はまだ先。
京成電鉄(9009)前回予想(評価△/@3,540円→今回予想(評価△/@3,720円)
持分法適用会社であるOLCのトラッキングストックの位置付け。底値圏に沈んでいた新京成電鉄の完全子会社化により負ののれん特益をゲット。スカイライナーの戻りはいまひとつとみられる。
新京成電鉄(9014)前回予想(評価×/@2,881円→今回予想(評価対象外)
親会社である京成本体による株式交換で、8月30日付で上場廃止。交換比率は1対0.82、実質25%程度のプレミアムが乗ったものとみられるものの、底値圏での被買収となり、京成本体にうまく買われてしまったような印象が強い。
相鉄HD(9003)前回予想(評価◎/@2,325円→今回予想(評価◎/@2,189円)
JRや東急への直通運転で人気化継続。旅行支援策による日本人需要の回復により、JTBから購入したサンルートホテルの本格回復が期待されるものの、株価調整により投資妙味は更に向上したものと考える。
富士急行(9010)前回予想(評価▲/@4,075円)→今回予想(評価▲/@4,745円)
インバウンド受入再開で富士山観光に復活の兆し。客数さえ増えれば、運輸・レジャー・ホテルなどフルハウス的に儲かる収益構造のためシャープな増益が見込まれる。山梨県知事との地代係争は一審で当社側が勝訴。
秩父鉄道(9012)前回予想(評価無印/@2,328円)→今回予想(評価無印/@2,412円)
殆ど不動産賃貸業なので特にコメントはありません。
*参考記事① 2022-06-19
*参考記事② 2021-05-04
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。