【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人/3rd_POで市川塩浜を取得、一応増配基調だが。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人(東証REIT) NT

現在値 146,100円/1株 P/E 26.7 P/NAV 1.02 1月分配 7月分配 投資主優待なし

伊藤忠商事をスポンサーとする物流REIT。ポートフォリオの2割まではその他不動産も取得可。
予想分配金は年2回の合計6,045円配(実績+予想)のため、予想分配金利回りは約4.14%(注:12ヵ月換算ベースは約3.81%)です。

業績を確認していきます。 運用会社の合併に伴い、2023年から決算期を変更します。

■2021年1月期_第5期 営業収益 26.0億円、経常利益 11.8億円 DPU 2,517円 

■2021年7月期_第6期 営業収益 30.6億円、経常利益 13.5億円 DPU 2,492円   

■2022年1月期_第7期 営業収益 31.8億円、経常利益 14.1億円 DPU 2,755円   

■2022年7月期_第8期 営業収益 31.8億円、経常利益 13.9億円 DPU 2,715円 

□2023年2月期_第9期 営業収益 39.9億円、経常利益 17.8億円 DPU 3,239円 ce変則

□2023年8月期_第10期 営業収益 36.8億円、経常利益 16.3億円 DPU 2,806円 ce

 

2022年7月期_第8期の落着については、営業収益が第7期比微増の31.7億円、経常利益は同1.7%減の13.9億円、分配金は同40円減の2,715円(うちOPD399円)とほぼ見通し並みの水準で着地しました。既存物件が全て巡行稼働入りして賃料が頭打ちとなった一方、2021年取得物件の固都税費用化が開始されたため減益・減配となりました。また、燃調費増加で水道光熱費が収入・支出ともに上振れしたものの、収支では均衡圏に収めたほか、修繕費・販管費の未消化もあり計画比では微増配となりました。

 

進行期である2023年2月期_第9期の見通しについては、計算期間が7ヶ月間の変則となるほか、10月12日の3rd_PO開示の際に期初計画を直ぐに再修正しています。営業収益は39.9億円(従予想:37.3億円)、経常利益は17.8億円(従予:16.6億円)、分配金は3,239円(従予:UNCH、うちOPD464→591円)を見込んでいます。変則による1ヵ月分の見えがかり上の上乗せを除けば、POに期中取得物件の一部寄与のほか、運用報酬の減額変更(▲44百万円)が寄与するのものの、希薄化影響が大きいため、OPDの吐き出しを増やして当初公表ベースの分配金水準を維持します。

 

今回初開示の2023年8月期_第10期は変則決算明けにより単純比較出来ないものの、営業収益は36.8億円(従予:32.0億円)、経常利益は16.3億円(従予:13.9億円)、分配金は2,806円(従予:2,725円、うちOPD401円→390円)を修正予想しています。第9期取得の「市川塩浜」の当初取得分の70%がフル寄与、期中取得する残り30%分が部分寄与して増収するほか、固都税費用化開始も当初取得分となるため、増配予想となります。

 

当法人は本年10月に3nd_POを実施しており、約100億円(@139,620円)を調達しており、「市川塩浜」218億円/鑑定NOI4.0%を取得しています。10月に持分の70%、翌年4月に残り30%持分の追加取得により完全所有となる予定であり、物流適地である市川塩浜(キーテナントはJP楽天ロジスティクスほか)での取得となるほか、本件取得により巡航期ベースの分配金年成長率はEPSで+5.3%、DPSで+4.2%を確保出来ることから、アクリーティブな内容となっています。

 

当法人の運用会社は、同根の伊藤忠系の住宅REITであるアドバンス・レジデンス(3269)と本年6月より統合しており、同REITと決算繁忙期が被ることから、決算期を2月/8月に1ヵ月後ろ倒ししています。統合による合理化効果により、総資産連動の運用報酬Ⅰを0.1%→0.05%に半減、調整後利益連動の運用報酬Ⅲを0.005%→0.004%に削減しており、本件取組により運用報酬は約10%削減され、進行中の第9期より分配金ベースで約60円分程がベースアップされています。

 

なお今次POはレバを使用しているため、LTV45%までの取得余力は62億円に減少しているほか、中期目標としてAUM2,000億円(市川塩浜完全取得後:1,332億円)を目指してはいるものの、伊藤忠商事等のパイプラインが少ない(残り6物件・延床200千㎡弱)状況です。法人側では分配方針を変更して「減価償却戻しFFO70%」から「当期利益+減価償却費の30%」への変更と、上述の運用報酬削減による増配策によりPOを仕上げていますが、目下の投資口価格もNAVPAR水準のため、以前よりは成長可視性が若干低下しているような印象です。


*参考記事① 2022-06-21 147,900円  NT

【3493】アドバンス・ロジスティクス投資法人/伊藤忠系運用会社の統合で、約60円の増配効果。

 

*参考記事② 2021-12-08  172,800円 NT

【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人/分配方針変更により増配基調を維持。 

 

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