【9262】シルバーライフ/新工場稼働により採算性急良化も、FC加盟店数は伸び悩む。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9262】シルバーライフ(東証プライム)  NT

現在値  1,910円/100株  P/E 37.5  P/B 3.73 7月配当(無配)  株主優待あり

高齢者向けの配色サービスのFC本部運営が柱。高齢者施設への食材販売、冷食OEMも。
配当は7月末・年15円予想のため、配当利回りは0.79%となります。

 

シルバーライフは株主優待制度を導入しており、7月末に2単元を保有する株主に対して自社ECサイト弁当商品券を10,000円分進呈しておりますので、2単元保有時の優待利回りは約3.40%となります。

業績を確認していきます。

■2020年7月期 売上高  88.3億円、営業利益 9.3億円 EPS 63.8円 

■2021年7月期 売上高 100.5億円、営業利益 8.3億円 EPS 50.9円  

■2022年7月期 売上高 112.1億円、営業利益 5.6億円 EPS 37.2円  

■2023年7月期 売上高 127.0億円、営業利益 7.0億円 EPS 50.9円 ce 

□2022年10月1Q 売上高 30.1億円、営業利益 3.1億円 EPS 20.8円(12/9) 

□2023年1月2Q 売上高 62.1億円、営業利益 3.4億円 EPS 24.0円 ce 

 

2022年7月期の売上高はYoY+11.6%の112.1億円、営業利益はYoY▲33.1%の5.6億円となり、ほぼ想定線の増収減益となりました。主力のFC向け販売については、新規加盟店数を70店積み増す計画だったものの、56店止まりとなり、期末時点で990店体制となりました。他方、高齢者施設向けも意図的なダウングレードの影響で低調だったものの、新工場活用による冷凍パックの従来品「こだわりシェフ」の廉価版の伸長により、復調しました。利益面については、足利第2工場や新設倉庫の償却開始や量産に合わせた広告宣伝費の増加により計画通りの減益となりました。


進行期である2023年7月期の予算については、売上高がYoY+13.2%の127.0億円、営業利益はYoY+24.7%の7.0億円と2桁の増収増益を見込んでいます。FC向け販売については、新規加盟店の拡大ペースが鈍化する想定で50店増を見込むほか、高齢者施設向けは低~中価格帯ラインの拡充によるシェア拡大、直販向けは積極販促による拡販を狙います。利益面については、新設工場・倉庫の稼働に伴う内製化効果と一過性費用の剥落、終わった期の在庫処分損剥落で反転増を見込みます。なお、12月9日に開示済の1Qは売上高30.1億円&営業益3.1億円と高進捗が確認されます。


当社は2025年7月期を最終年度とする5年中計を推進しており、進行期は中間年度の位置付けです。当初は売上高は140億円&営業利益は16.0億円を目指していたものの、新設倉庫への投資計画を大型の居抜倉庫(築29年の加須倉庫)の活用に変更したほか、本来10~20年償却である冷凍設備等の加速的な償却(4年償却/▲0.6億円)を強いられることから1年前にローリングしており、最終的な“出来上がり”については、5年間で売上高を88.3億円→168億円へ、営業利益は9.3億円→17.0億円に引き上げる計画です。

 

本中計期間の最大の取組事項は、37億円の巨費を投じた足利工場(第2工場)の竣工であり、当初計画よりも稼働開始が遅れたものの、足許では順調に稼働しています。足利工場は年▲3.5億円の償却費増(機械は定率償却)が大きな負担となるものの、2013年にすかいらーくより買収した館林工場(第1工場)の約4倍の生産能力となる1日15万食が製造可能となることから、商品拡販による足利工場の稼働率アップが中計達成の鍵となります。

 

特に工場稼働率上昇に直結させやすい直販・OEM他を中心とする冷凍弁当分野については、広告費を積み増してネットマーケティングに注力しており、レンタル中の冷蔵庫台数も1,338台→3,235台に順調に増加させています。他方で本業のFC向け販売の成長鈍化が懸念事項であり、足許の2023年1Qでは加盟店総数がなんと減少(990店→978店)に転じています。FC加盟店の運営コスト増や、当社からの卸売り価格の値上げが影響しているとみられますが、成長シナリオの根幹にかかわる部分のため、動向注視が必要です。


財務面については、依然として自己資本比率60%強を維持しています。今次中計では合計50億円の投資(第1工場、第2工場、冷凍倉庫、システム)を計画していたものの、既にこれら投資の大部分が終わっていることから、進行期により初配に踏み切ることとしており、配当性向30%を基準に年15円配当を予想しています。

 

*参考記事① 2021-12-04  1,262円 BY

【9262】シルバーライフ/築29年の加須倉庫取得により減価償却負担は更に増加。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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