【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人/分配方針変更により増配基調を維持。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(東証REIT) NT

現在値 172,800円/1株 P/E 37.4 P/NAV 1.31 1月分配 7月分配 投資主優待なし

伊藤忠商事をスポンサーとする物流REIT。ポートフォリオの2割まではその他不動産も取得可。
予想分配金は年2回の合計5,407円配のため、予想分配金利回りは約3.13%です。

業績を確認していきます。 

■2020年1月期_第3期 営業収益 17.5億円、経常利益 7.6億円 DPU 2,395円 

■2020年7月期_第4期 営業収益 24.0億円、経常利益 10.4億円 DPU 2,425円 

■2021年1月期_第5期 営業収益 26.0億円、経常利益 11.8億円 DPU 2,517円 

■2021年7月期_第6期 営業収益 30.6億円、経常利益 13.5億円 DPU 2,492円   

□2022年1月期_第7期 営業収益 31.7億円、経常利益 13.9億円 DPU 2,724円 ce修正  

□2022年7月期_第8期 営業収益 31.7億円、経常利益 13.7億円 DPU 2,683円 ce

 

2021年7月期_第6期の営業収益は第5期比17.4%増の30.6億円、経常利益は同14.2%増の13.5億円とほぼ計画線での着地となり、分配金については同25円減の2,492円へ減配になったものの、第5期で一時的に膨らませたOPDを同305円減の248円まで抑えたことが主な要因です。昨年11月にPOで取得した「印西2」「柏2(30%)」が通期で寄与するほか、本年4月に取得した「東京足立」「三芳」の2物件の一部寄与があるものの、2020年の取得3物件の固都税の費用化が始まることから原価が大きくなり、分配金ベースでは2nd_POによる23%の希薄化影響が色濃く出た格好となりました。


進行中の2022年1月期_第7期の予算については、営業収益が第6期比3.7%増の31.7億円、経常利益は同3.1%増の13.9億円と従来予想水準をほぼ据え置いています。第6期取得の「東京足立」「三芳」の通期で寄与する一方で固都税は未発生となり、既存物件でも第6期末に契約満了となる2テナントと賃料増額再契約出来ていることから、原価の一部で金利の増加を見込むものの、トップラインの上乗せ効果が大きく増配となる見通しです。他方、分配金については同232円増の2,724円(うちOPD399円)と大幅増配を予定しており、4%程に過ぎないEPS成長のわりに増配幅が大きくなりますが、これは還元方針の変更に由ります。

 

今回初めて開示となった2022年7月期_第8期の予想については、営業収益が第7期比変わらずの31.7億円、経常利益は同1.8%減の13.7億円、分配金は同41円減の2,683円(うちOPD399円)を見込んでいます。既存物件が全て巡行稼働入りして賃料が頭打ちとなる一方、2021年取得物件の固都税費用化が開始されるため、減配予想となります。

 

当法人は昨年11月に2nd_POを実施して105億円(@133,344円)を調達しています。「印西2」53.6億円/鑑定NOI5.0%、「柏2(30%)」87.2億円/鑑定NOI4.6%の2物件を即時取得したほか、翌第6期に「東京足立」109.1億円/鑑定NOI4.2%、「三芳」23.2億円/鑑定NOI5.0%」を取得しています。これにより巡航期ベースの分配金年成長率は+5.1%と比較的アクリーティブな内容となっており、足許の株価はPO時を大きく上回る水準で推移しています。

 

LTVを当面の上限である45%水準までの取得余力は83億円あり、中期目標としてAUM2,000億円(現在は1,114億円)を目指しているものの、伊藤忠商事等のパイプラインが依然少なく(残り7物件・延床249千㎡)、これが最大のネックとなっています。その一方、DPU成長率は年4~5%を目指していることから、今般分配方針の変更に踏み切っており、「減価償却戻しのFFO70%」から、「当期利益+減価償却費の30%」とし、増配しています。それでもFFOは74.2%水準であることから、他物流REIT並みのFFO80%水準までは増配余力があることを踏まえると、パイプラインが積み上がってPOできるまではこの辺を活用しながら配当成長を目指すとみられます。

 

*参考記事① 2021-05-26  138,900円 NT

【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人/分配金戦略の見直しに言及、還元強化に期待。

 

*参考記事② 2020-12-04  129,100円 NT

【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人/春先に続くPO実施も、パイプラインが枯渇。

 

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