【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(東証REIT) NT
現在値 138,900円/1株 P/E 30.6 P/NAV 1.09 1月分配 7月分配 投資主優待なし
伊藤忠商事をスポンサーとする物流REIT。ポートフォリオの2割まではその他不動産も取得可。
予想分配金は年2回の合計5,021円配のため、予想分配金利回りは約3.61%です。
業績を確認していきます。
■2019年7月期_第2期 営業収益 17.1億円、経常利益 7.3億円 DPU 2,311円
■2020年1月期_第3期 営業収益 17.5億円、経常利益 7.6億円 DPU 2,395円
■2020年7月期_第4期 営業収益 24.0億円、経常利益 10.4億円 DPU 2,425円
■2021年1月期_第5期 営業収益 26.0億円、経常利益 11.8億円 DPU 2,517円(3/17)
□2021年7月期_第6期 営業収益 30.6億円、経常利益 13.3億円 DPU 2,464円 ce修正(3/17)
□2022年1月期_第7期 営業収益 31.7億円、経常利益 13.9億円 DPU 2,557円 ce(3/17)
2021年1月期_第5期の営業収益は第4期比8.6%増となる26.0億円、経常利益が同13.2%増の11.8億円となり予想水準での着地となりました。一方、分配金は同93円増となる2,517円となり、予想比で9円上振れたものの、利益超過分配(OPD)を当初想定より35円削って543円としたため実力ベースでは44円分上振れた格好となります。11月に実施した2nd_PO(※後述)の取得物件である「印西2」「柏2（30%）」が一部寄与したほか、第4期取得の「印西（20%）」が通期寄与したことで増収となりました。但し、PO取得の2物件は2ヵ月強しか収益貢献しない一方、PO希薄化だけはモロに効く格好となるため、OPDを追加的に膨らませる形で分配金を維持した格好となります。
進行中の2021年7月期_第6期の見通しについては、営業収益が第5期比17.5%増の30.6億円、経常利益は同12.2%増の13.3億円と増収増益となる一方、分配金については同53円減の2,464円の減配となりますが、これは第5期で一時的に膨らませたOPDを同295円減となる248円まで抑えることが主要因です。昨年11月取得の「印西2」「柏2（30%）」が通期寄与するほか、本年4月に取得した「東京足立」「三芳」の2物件の一部寄与があるものの、2020年の取得3物件の固都税の費用化が始まることから原価が大きくなり、分配金ベースでは2nd_POによる23%の希薄化影響が色濃く出るような格好となります。
また、翌2022年1月期_第7期の予算については、営業収益が第6期比3.6%増の31.7億円、経常利益は同4.8%増の13.9億円、分配金は同93円増の2,557円(うちOPD236円)を予想しています。これは第6期取得の「東京足立」「三芳」の通期で寄与する一方で固都税は未発生であり、既存物件でも第6期末に契約満了となる2テナントと賃料増額にて再契約出来ていることから、原価の一部で金利の増加を見込むものの、トップラインの上乗せ効果が大きく増配となる見通しです。
当法人は昨年11月に2nd_POを実施して105億円(@133,344円)を調達しています。「印西2」53.6億円/鑑定NOI5.0%、「柏2（30%）」87.2億円/鑑定NOI4.6%の2物件を即時取得したほか、翌第6期に「東京足立」109.1億円/鑑定NOI4.2%、「三芳」23.2億円/鑑定NOI5.0%を取得しています。今次取得による巡航期ベースの分配金年成長率は+5.1%とアクリーティブな内容となっており、足許の株価はPO時を上回る水準で推移しています。
LTVを当面の上限である45%水準までの取得余力は85億円あり、中期目標としてAUM2,000億円(現在は1,114億円)を目指しているものの、スポンサーの伊藤忠商事等のパイプラインの積み上がりが依然として少なく(残り5物件・延床222千㎡)、これが当法人の最大のネックとなっています。また年間DPU成長率についても年4～5%を目指しているため、会社側では今般FFOペイアウトレシオの変更に言及しており、OPDの積み増しにより他物流REIT同様に80%水準(現状は約70%)まで分配金を段階的に切り上げていく意図があるものとみられます。
*参考記事① 2020-12-04 129,100円 NT
【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人/春先に続くPO実施も、パイプラインが枯渇。
*参考記事② 2020-06-06 133,700円 NT
【3493】伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人/何は無くともパイプラインの拡充が待たれる。
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