【3048】ビックカメラ/コジマは巣ごもり反動減は想定以下、中国系インバウンドの回復に期待。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_7843.jpg

【3048】ビックカメラ(東証プライム) OP

現在値 1,155円/100株  P/E 21.3  P/B 1.49 8月配当優待 2月配当優待

家電量販大手。ターミナル駅周辺で大型店。傘下にソフマップ・コジマ。
配当実績は2月末・8月末の合計15円のため、配当利回りは約1.30%となります。

ビックカメラは株主優待を実施しており、2月末・8月末に100株以上を保有する株主に対し、年3,000円分の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.89%となります。なお1年以上の長期保有で+1,000円、2年以上の長期保有で+2,000円が追加されるため、配当優待利回りは最大で約5.62%まで上昇します。

業績を確認していきます。 2022年8月期より新収益基準に移行します。

■2018年8月期 売上高 8,440億円、経常利益 292億円、EPS 93.6円 

■2019年8月期 売上高 8,940億円、経常利益 258億円、EPS 79.1円 

■2020年8月期 売上高 8,479億円、経常利益 146億円、EPS 30.9円  

■2021年8月期 売上高 8,340億円、経常利益 216億円、EPS 49.8円 

■2022年8月期 売上高 8,060億円、経常利益 198億円、EPS 54.3円 ce修正
□2022年2月中 売上高 3,923億円、経常利益 106億円、EPS 27.1円(4/12)

2022年2月中間期の売上高は、YoY▲6.8%の3,923億円、経常利益はYoY▲12.0%の106億円となり、期初予想を上回って進捗しました。都心部店中心の当社店舗はSSSは93.9%に留まった一方、郊外店中心のコジマは人流変化の定常化を追い風に、SSSは96.8%と高水準を維持し、いわゆる“巣ごもり需要”の反動減は想定以下に留まりました。商品別では冷蔵庫・洗濯機といった白物家電が底堅く推移したほか、出退店については傘下のコジマがWネーム店をニトリ宮原(埼玉)、イーアス春日井、フルルガーデン八千代に3店を出店しています。


なお2022年8月期の見通しについても増額しており、売上高はYoY▲3.4%の8,060億円(UNCH)、経常利益はYoY▲8.5%の198億円(期予:175億円)に修正しています。新収益基準移行に伴う減収340億円を加味すれば、実質的に増収減益想定となります。特に継続的に改装を実施してきたコジマの健闘が光っており、上期上振れを除けばコジマは下期予算を増額しているものの、保守的な同社見通し傾向と単体店舗のインバウンド回復(ほぼ純増となる)を上乗せを考慮すれば、上振れ公算が高そうです。出退店については、単体で高槻阪急と秋葉原ソフマップ店を出店するほか、傘下コジマがCOTOE流山とKAMEIDO CLOCKに出店します。

 

当社は当面の注力事項として①EC強化、②PB強化、③法人強化の3点を挙げています。①のEC化率は直近5年程で7%→20%手前まで向上しています。これはECがほぼ進んでいない上場量販店では群を抜く水準であり、2020年に船橋ららぽーと横の三井不動産の先進物流施設(DC)を1.7倍に増床したほか、進行期も同DCの省人化対応に28億円を投じる計画としていることから、主にDCの拡充によりECを拡大させているものと考えられます。ECの営業利益率は実店舗の1.5倍と好採算であるものの、競合するヨドバシは食品・日用品等も取扱いほか、自社スピード配送網の構築で30%を超えて大きく先行していることから、ここからの当社ECの成長は鈍化していくものと解されます。

 

②のPB比率は直近5年で【4.9%→6.1%→8.0%→10.8%→11.4%】と漸増させており、3年後の2025年8月期に同比率30%を目標としていますが、伸びが鈍くなっています。当社単体では好採算の美容家電等の剥落影響が大きく、粗利益率は業界でも低位に陥っていることから「ビックカメラオリジナル」と称する個性あるPB品の開発に注力している状況です。かような状況から、各種取組の成果による業績改善は見込みにくいものの、事実上売上がゼロ近傍となっているインバウンド(特に中国系)売上さえ復活すれば、全てアップサイドになることから、そうした“外部環境”の変化に期待するのが基本シナリオかと考えます。

 

財務的な観点では、目下の自己資本比率は28.8%と一定水準をキープしています。配当予想については横ばいの年15円で計画していますが、業績自体は元々大きく黒字のため、巡行水準である年20円まで早々に復元されることが期待されます。


*参考記事①  2021-12-23  955円 OP

【3048】ビックカメラ/郊外型のコジマ反落見込みも、都心型の当社店舗は最悪期を脱出へ。

 

*参考記事② 2021-06-17 1,125円 OP

【3048】ビックカメラ/郊外型のコジマ押し上げるも、ECの採算性向上ペースがやや遅め。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ

AD