【9279】ギフト(東証一部) BY
現在値 2,388円/100株 P/E 18.5 P/B 5.32 10月配当優待 4月優待
横浜家系ラーメン「町田商店」の運営と、麺やスープ等を提供するプロデュース事業。
配当は4月・10月年2回の計25円配当であり、配当利回りは1.05%となります。
ギフトは株主優待制度を導入しており、10月末・4月末現在の単元株主に対して、食事券を年2回・2枚進呈しておりますので、1枚1,000円換算した場合の配当優待利回りは約2.72%となります。
業績を確認していきます。
■2019年10月期 売上高 90.5億円、営業利益 10.0億円 EPS 53.6円
■2020年10月期 売上高 109.8億円、営業利益 4.6億円 EPS 11.3円
■2021年10月期 売上高 134.7億円、営業利益 9.3億円 EPS 108.2円
■2022年10月期 売上高 170.0億円、営業利益 17.0億円 EPS 128.5円 ce
□2022年1月1Q 売上高 39.9億円、営業利益 4.6億円 EPS 54.5円
□2022年4月2Q 売上高 80.7億円、営業利益 8.3億円 EPS 61.2円 ce
2021年10月期の売上高はYoY+22.7%の134億円、営業利益はYoY+102.9%の9.3億円となり、計画を下回ったものの大幅な増収増益を確保しました。当初計画の既存店売上高(SSS、補正後数値)107.1%に対して109.3%を確保しましたが、計画外の時短を強いられた店舗が多かったほか、既存店にカウントされない新店の売上高が想定以下だったとみられ、トップラインは未達となっています。他方、積極的な出店施策により、通期計画の純増82店に対して、純増86店を達成したほか、時短協力及び雇用調整助成金と(6.0億円)を営業外計上しており、経常利益段階からは大幅に上振れ着地しています。
進行期である2022年10月期の予算については、売上高がYoY+26.2%の170億円、営業利益はYoY+81.6%増の17.0億円を予想しています。依然前年ハードルが低いことから予算前提SSSは114.4%(※新型肺炎禍前並み)でセットしているほか、出店計画についても、直営・OEM店合算で前期並みの84店と高水準を見込んでいます。3月14日開示済の1Qは売上高40億円&営業利益4.6億円となっており、まん防措置でSSSが計画割れしているものの、原価低減策で営業利益率の改善がみられるほか、営業外助成金を3億円超受領しているため、利益進捗は上振れペースとみられます。
当社は2018年に上場した際の公募で24億円(60万株@1,045円)を調達しており、2020年に既に一部へ指定変更しています。IPO時の調達資金については、①直営出店21店、②その敷金、③残金はその他投資としています。中期的な目標としては、2025年10月期に直営・OEM店合計で1,000店舗展開(直近期末時点618店;直営140/OEM468)を目指すほか、売上高CAGR20%&経常利益率10%を業績KPIとして定め、定量計画として2024年10月期までの3年間で売上高を1.86倍の250億円、経常利益を1.47倍の25億円にまで伸長させる計画です。
基本的には大量出店による外部成長がメインシナリオであり、直営店は「人口集中エリア+高消費地」、OEM店は「地方エリア」に定め、当初想定よりも直営店割合を増やす計画です。これは新型肺炎禍で繁華立地の空き物件に好条件で入居出来るようになったほか、都心部での人材確保が進んでいることが要因であり、足許では渋谷宮益坂・田端・神保町・泉岳寺・浅草・水道橋・五反田など一等立地への出店を果たしており、人流回復時には一気に好採算化が見込まれます。
業態は家系の「町田商店」にくわえ、二郎インスパイア系の「豚山」を都心居抜店を中心に順調に増店しているほか、お膝元の町田でパイロット運用していた醤油業態「長岡食堂」の多店舗展開に踏み切る方針であり、横浜ビブレ横に2号店を出店しています。他方、原価低減策としては、RPA活用によるシフト運用の最適化と、チャーシュー工場新設によるセントラルキッチン強化(ex.唐揚げの店内調理も廃止)、トッピング共通化等により、人件費率は1年半前の33.3%→25.1%まで飛躍的に改善しており、トップラインと利益が両輪で伸びる理想的な状況となっています。
株主還元については、配当性向20%を目標とし、連続で5円増配となる年25円配当を予想しています。足許ベースの自己資本比率も49.7%と高水準を確保しており、もし工場新設等の資金需要が発生したとしても、新規借入で十分賄えるような盤石な財務状況が維持されているものと考えています。
*参考記事① 2021-09-24 2,985円 OP
【9279】ギフト/時短助成金効果高く経常益2.9倍増に増額、出店も想定超で大攻勢。
*参考記事② 2021-03-13 2,046円 OP
【9279】ギフト/盤石財務をテコに高速出店進む、翌期にかけて成長加速も。
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