【3221】ヨシックスホールディングス(東証一部) OP
現在値 2,170円 P/E --.- P/B 2.78 3月配当優待 9月配当優待
名古屋地盤の居酒屋チェーン。すし居酒屋、低価格均一居酒屋展開。
配当基準日は3月末・9月末の年2回であり、計12円配のため配当利回りは0.55%となります。
ヨシックスホールディングスは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する3月末・9月末の株主に対して、3,000円相当の食事券(および食事2割引券10枚)を進呈しておりますので、無配を前提とした場合の優待利回りは約3.31%となります。
業績を確認していきます。
■2018年3月期 売上高 156億円、経常利益 19.5億円 EPS 118.8円
■2019年3月期 売上高 179億円、経常利益 24.0億円 EPS 149.1円
■2020年3月期 売上高 187億円、経常利益 23.5億円 EPS 121.8円
■2021年3月期 売上高 96.9億円、経常利益▲12.9億円 EPS▲122.9円
■2022年3月期 売上高(未定)億円、経常利益(未定)億円 EPS(未定)円 ce
□2021年9月2Q 売上高 23.6億円、経常利益 0.1億円 EPS 2.8円
□2021年12月3Q 売上高 61.4億円、経常利益 26.1億円 EPS 161.8円(2/10)
2021年9月中間期の売上高はYoY▲45%の23.6億円、経常利益はYoY+7億円の0.1億円で進捗し、予算比は無いものの黒転を果たしました。既存店売上高(SSS)は前年ハードルが低かった4月・5月こそ持ち直したものの、逆に緊急事態宣言入りとなった6月以降は前年割れとなり、9月については前年の1割弱まで急激に落ち込みました。利益については、地代家賃減額が一巡したほか、営業外で助成金等24億円の収入があり、経常黒字を確保しています。出退店は、「や台ずし」が出店3・閉店2となった結果、総店舗数は328店となりました。
なお2022年3月期の通期見通しについては未定を据え置いています。SSSは2月(11ヵ月分)まで開示されており、一時小康状態となった秋口から、前年ハードルの低い年末年始で盛り返したほか、2月も時短ながらも営業を続けたたため、一応は100%水準を超過しています。他方、2月開示済の3Q時点は受取助成金が更に増え、営業外収益が47億円にまで膨らんでおり、通期では大幅な経常黒字転換が見込まれます。出店については、11月に府中(広島)、12月に焼津、1月に清水と霞ヶ関(埼玉)、3月に金沢が出店名有りとなっており、店舗数は純増する見通しです。
当社は年限の無い中期目標として店舗数500店・売上高300億円・経常利益30億円(経常利益率10%)を掲げています。基本的には「田舎戦略」と称する戦略を採り、「1.5~2等立地」かつ「30~40坪の広さ」かつ「新幹線隣接市町村で乗降客6千人超の駅前」にの物件を賃料負担率7%以内で賃借し、内製化した建装事業で低原価・早期完工による高速出店を実現しています。昨年、持株会社制に移行し、建装事業会社に創業者子息を代表に据えたほか、10月には大手外食チェーンの店舗内装を数多く手掛ける小田原の芝産業(年商10億円)を買収して規模を拡大しています。
また、8月設立のCVCではAI開発や建設現場施工管理ロボット、クラウド現場管理を手掛ける藤沢のベンチャー企業に投資しており、スケール化させている建装事業とのシナジーを創出するような“次の一手”も打っています。柱の飲食事業会社の方も東日本・中日本・西日本の3事業本部制に再編し、栃木・群馬・山梨・和歌山・宮崎といった既進出県隣県を中心にバランス重視の出店を進める方針としていましたが、足許では特に北陸エリアの本格進出を図っているような状況です。
財務の状況については、現在の借入金残高は僅か3億円程に過ぎず、自己資本比率も65%と一段と回復しているような状況です。そのため、助成金収入の膨らむ今期は例年並みの年12円配当に復元させる予定となっており、並み居る外食企業の中では圧倒的な健全財務が光るような印象です。
*参考記事① 2021-01-13 1,844円 OP
【3221】ヨシックス/好財務をテコに、物件と飲食事業者の“ファイヤーセール”狙い。
*参考記事② 2020-08-17 1,691円 OP
【3221】ヨシックス/千載一遇の出店好機到来も、デフレ志向の「にぱち」業態力は弱い。
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