【9279】ギフト/盤石財務をテコに高速出店進む、翌期にかけて成長加速も。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9279】ギフト(東証一部) OP

現在値 2,046円/100株 P/E34.0  P/B6.49 10月配当優待 4月優待

横浜家系ラーメン「町田商店」の運営と、麺やスープ等を提供するプロデュース事業。
配当は10月末一括の15円配当であり、配当利回りは0.72%となります。

 

ギフトは株主優待制度を導入しており、10月末・4月末現在の単元株主に対して、食事券を年2回・2枚進呈しておりますので、1枚1,000円換算した場合の配当優待利回りは約2.68%となります。


業績を確認していきます。 

■2018年10月期 売上高 69.7億円、営業利益 7.7億円 EPS 55.8円 

■2019年10月期 売上高 90.5億円、営業利益 10.0億円 EPS 53.6円 

■2020年10月期 売上高 109.8億円、営業利益 4.6億円 EPS 11.3円 

■2021年10月期 売上高 151.1億円、営業利益 10.8億円 EPS 59.4円 ce

□2021年1月1Q 売上高 33.6億円、営業利益 2.5億円 EPS 17.0円(3/12)

□2021年4月2Q 売上高 71.0億円、営業利益 4.0億円 EPS 28.2円 ce

2020年10月期の売上高は前期比21.3%増の109.8億円、営業利益は同54.2%減の4.6億円となり、期中の減額予算を下回ったものの、相当幅の黒字を確保して着地しました。新型肺炎の影響で4月・5月は時短を強いられた店舗が多かったものの、宅配・持ち帰りに注力して営業を続行したことから、4月の既存店売上高74.3%を底に緩やかな回復基調を辿りました。エリア別ではオフィス・繁華街が低調だったものの、住宅街やロードサイド店の戻りが早く、全時間帯(11時-20時)比較では一番悪い時期でも平時の8割の売上を確保しました。かような状況から、トップラインの縮み幅を抑えることが出来たため、営業利益段階から黒字確保に至っています。なお、増収の理由については積極的な出店施策によるところであり、前期を3店上回る30店を出店しています。


進行中の2021年10月期の通期予算については、売上高が前期比37.9%増の151億円、営業利益は同134.1%増の10.8億円を予想しています。出店については35店(純増32店)、プロデュース店50店とし、予算前提の既存店売上高については107.1%もの水準で見込んでいますが、これは2019年10月期実績との比較では99.0%となっています。3月12日に開示された1Qについては、売上高が前年同期比19.7%増の33.6億円、営業利益は同16.8%減の2.5億円で推移しており、3ヶ月累計の既存店売上高は97.2%となっています。既存店売上高に関しては今後は前年ハードルが下がっていくので、実態以上に改善していくものとみられますが、出店の方も想定を下回っていることから、今期予算の確度についてはなお可視性が低い状況です。

 

当社は2018年10月に東証マザーズに上場し、その際の公募で24億円(60万株@1,045円)を調達しており、今年9月には既に一部市場へダイレクトでの指定変更を済ませています。IPO時調達資金の資金使途については、①21店舗分の直営出店、②①の敷金、③残金はその他投資としています。中期的な目標としては、2025年10月期に直営・OEM店合計で1,000店舗展開(期末時点532店;直営122/OEM410)を目指すほか、業績目標として2023年10月期までの3年間で売上高を1.9倍の213億円、経常利益を3.2倍の21億円にまで伸長させる計画です。

 

基本的な成長シナリオとしては、上述の高速・大量合わせて新業態の開発と推進するとともに、MAも絡めていく方針ですが、実際の出店状況については実績期で計画を16店上回る純増70店もの大量出店を果たしているほか、直営/OEMのミックスも直営の方が多いため、現時点では青写真通りの外部成長が出来ているものと判断されそうです。また、業態については、家系ラーメンの「町田商店」を主力としてきましたが、二郎インスパイア系業態の「豚山」を順調に拡大させています。他方、2019年8月に栃木の「ラーメン天華」とその製麺及び餃子等製造を担うケイエイケイフーズを買収しており、同社が味噌ラーメンと餃子の製・販に強みを持つことから、当社の既存ラーメンとの相互補完性が高いほか、北関東エリア本格展開の橋頭保を築くことに成功しています。

 

株主還元については、5円増配の年15円配当を予想しています。上場してまだ日が浅く、その際の公募増資による資本増強が厚く効いており、足許ベースの自己資本比率も46%を確保しています。また、今年はまだ予算に織り込んでいないものの、営業外で時短協力金や立ち退き費用の計上が見込まれることから、実態のP/Lの出来・不出来よりも資本が厚くなることが期待されるため、増配してもなお盤石な財務状況が維持されるものと考えています。

 

*参考記事① 2020-10-03 1,940円 OP

【9279】ギフト/宅配・テイクアウト注力で底堅い、同業廃業で火事場の出店攻勢も。

 

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