【8425】みずほリース/日鉄興和不の筆頭株主成りに続き、みずほキャピタルも買い増しへ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8425】みずほリース(東証1部) OP

現在値  3,265円/100株 P/E 6.8  P/B 0.71 3月配当優待 9月配当

みずほ(旧興銀)系。総合金融サービス会社化を目指す。
配当は3月末・9月末の年2回合計110円のため、配当利回りは3.37%となります。

みずほリースは株主優待を導入しており、3月現在の単元株主に対して、3,000円分のクオカード進呈しているほか、1年以上保有する長期株主への優遇制度として、1,000円分を追加した4,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りはそれぞれ約4.28%、約4.59%となります。

 

業績を確認していきます。 

■2018年3月期 売上高 3,997億円、経常利益 199億円 EPS 319円

■2019年3月期 売上高 3,848億円、経常利益 242億円 EPS 388円  

■2020年3月期 売上高 5,392億円、経常利益 267億円 EPS 360円  

■2021年3月期 売上高 4,978億円、経常利益 275億円 EPS 450円 

■2022年3月期 売上高 5,500億円、経常利益 330億円 EPS 475円 ce

□2021年9月2Q 売上高 2,599億円、経常利益 138億円 EPS 196円

□2021年12月3Q 売上高 3,895億円、経常利益 231億円 EPS 358円 (2/8)


2021年9月中間期の売上高はYoY+13.7%の2,599億円、経常利益はYoY▲5.8%の137億円となり、予算比は無いものの増収減益で進捗しました。トップラインについては、REIT/ファンド向けの不動産ブリッジ案件が複数満了になったことから2桁増となった一方、上期末時点の全社の営業資産残高については23,224億円→23,223億円と横ばいとなりました。これは新型肺炎禍による顧客の投資先送りの影響であり、新規契約実行高はYoY▲950億円の5,900億円と4年前の水準まで逆戻りとなりました。利益面についても、航空機低迷によるAircastleの持分損▲24億円の計上により減益となっています。

 

2022年3月期の見通しは期初のものを据え置いており、売上高がYoY+10.5%の5,500億円、経常利益はYoY+19.8%の330億円と2桁の増収増益を予想しています。注力中の不動産分野の残高については、事業会社のCRE/オフバランスニーズの拡大を捉え、期末比+9%増となる5,253億円まで更に残高を積み増しており、出口となる不動産市況も堅調であることから順調な消化が見込まれます。なお3Q期間では営業外でAircastleののれんを全額減損(▲105億円)する一方、持分法適用化した日鉄興和不動産とみずほキャピタルの負ののれん(149億円)を計上し、一過性損益をオフセットすることで、持分法取込利益の上乗せで経常益の2割増を達成する見通しです。


進行期は2024年3月期を最終年度とする第6次中計の3年度目であり、5年間で純利益を166→300億円(CAGR12%)へ伸長させる計画です。2019年に丸紅系リース会社のエムジーリースの増資87億円を引き受けて持分法(50%)に収めています。同社は不動産ブリッジ案件に大変強く、丸紅系のUUR(8960)に代表される公募・私募リート等にウェアハウジング機能を提供しているほか、同じく丸紅系のインフラファンドのJIF(9287)ともパイプライン契約を締結しており、太陽光発電関連にも強みを持っています。9月にはヒューリックがメジャー取得した電通汐留ビルのSPCにも出資しており、本中計では引き続き不動産回りのエクスポージャーを増やす方向性を鮮明としています。

 

他方、リコー本体からリコーリース(8566)の株を取得し持分法(20%)に収めたことから、通年で35億円程の持分寄与があるほか、本年9月には日鉄興和不動産株式を既存株主から相対で2段階買付を完了し、推定300億円を投じて22.2%持分を取得するなどしています。これにより日鉄本体を抜いて同社筆頭株主となり、通年で60億円程度の持分利益貢献が見込まれます。また、15%のマイナー出資ではあるものの、本年5月にはみずほキャピタル株式も取得しており、中期的には買い増して持分法適用に引き上げる目論見です。かような相次ぐ持分取得の取組と積み上げにより、中計目標の純益300億円は特段の減損等が無ければ視野に入ってくるものと考えています。

 

株主還元については、今次中計より配当性向を22%から25%に引き上げる方針であり、足許での業績伸長も相俟って、今期は18円増配の年110円配当を予想しています。20期連続の増配を達成する公算が高いものの、エクストラで有価証券の売却があれば、表記の配当予想は更に上振れる可能性も十分あろうかと思います。

 

*参考記事① 2021-08-24 3,430円 OP

【8425】みずほリース/日鉄興和不動産株の買増しで持分法適用化へ、中計達成に大きく前進。

 

*参考記事② 2021-02-26 3,375円 OP

【8425】みずほリース/通信機器等リース残高積み増し順調、純益膨張で再増配期待。

 

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