【8425】みずほリース/通信機器等リース残高積み増し順調、純益膨張で再増配期待。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8425】みずほリース(東証1部) OP

現在値 3,375円/100株  P/E 8.1  P/B 0.84 3月配当優待 9月配当

みずほ(旧興銀)系。総合金融サービス会社化を目指す。
配当は3月末・9月末の年2回合計84円のため、配当利回りは2.49%となります。

興銀リースは株主優待を導入しており、3月現在の単元株主に対して、3,000円分のクオカード進呈しているほか、1年以上保有する長期株主への優遇制度として、1,000円分を追加した4,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りはそれぞれ約3.37%、約3.67%となります。

業績を確認していきます。 
■2017年3月期 売上高 4,294億円、経常利益 187億円 EPS 291円 

■2018年3月期 売上高 3,997億円、経常利益 199億円 EPS 319円

■2019年3月期 売上高 3,848億円、経常利益 242億円 EPS 388円  

■2020年3月期 売上高 5,392億円、経常利益 267億円 EPS 360円  

■2021年3月期 売上高 5,000億円、経常利益 255億円 EPS 413円 ce修正(2/9)
□2020年9月2Q 売上高 2,287億円、経常利益 146億円 EPS 268円

□2020年12月3Q 売上高 3,501億円、経常利益 219億円 EPS 372円(2/9)


2020年9月中間期の売上高は前年同期比10.3%減の2,287億円、経常利益は同13.0%増の146億円となり、予算との比較は無いものの減収増益となりました。これは前年上期計上のREIT/ファンド向けの不動産ブリッジ案件が剥落したことが主要因であり、ブリッジ/ウェアハウジングの商品特性上、利益影響が少ない一方でトップラインの減少が大きくなることによります。上期末時点の全社の営業資産残高については20,903億円→22,762億円へと“積み上げ”が急ピッチで進捗し、注力分野の不動産以外では、通信・インターネット事業者の設備増強ニーズを捉えた通信機器分野が大きく伸長しました。

 

2021年3月期の見通しについては、3Q時点で増額しており、売上高が前期比7.3%減の5,000億円(従予:UNCH)、経常利益は同4.5%減の255億円(従予:236億円)に修正しています。注力中の不動産分野の残高については、新型肺炎禍におけるの事業会社のCRE/オフバランスニーズの拡大傾向を捉え、この半年で約688億円増となる4,319億円を確保しています。ブリッジ案件については半年~1年程で回転するとみられ、足許においても不動産ファンド/REITの物件取得が続いていることから、問題なく残高の消化が進むものと考えています。また今期からはリコーリースの持分寄与(※後述)もあり、2月9日に開示済の3Qでも順調な進捗が確認されることから、増額後もなお上振れ圏にあるものと考えています。


今期は2024年3月期を最終年度とする第6次中計の2年度目となっており、向こう5年間で純利益を166→300億円(CAGR12%)へ伸長させる計画となっています。これは2019年3月末に丸紅系のリース会社であるエムジーリース(丸紅99%、SMFL1%)の三者割当増資を約87億円分引き受け、同社を持分法適用会社(50%)に収め、みずほ丸紅リースに商号変更させています。同社は当社が注力中である不動産ブリッジ案件にめっぽう強く、丸紅系の老舗公募REITであるUUR(8960)をはじめ、各種公募REITや私募リートにウェアハウジング機能を提供しています。また、昨年2月には同じく丸紅系のインフラファンドであるJIF(9287)が公募ファンド成りを果たしているため、今後は太陽光等発電設備の取扱高増加が見込まれます。

 

一方、グループシナジーを追求するみずほFG全体の動きとしては、旧DKB系の東京センチュリー、旧富士銀系の芙蓉総合、そして旧興銀系の当社を統合していく目論見でした。然しながら、東京センチュリーは昨年2月にNTTと資本業務提携したほか、芙蓉総合リースも様子見姿勢を決め込んでいることから、みずほ系リース会社の再編はスタックしています。そのため親会社の青写真の産物として“みずほ”のネームを冠してしまった当社は、独力での規模拡大を狙うべく、昨年4月にはリコーから子会社のリコーリース(8586)の株式を取得して同社を持分法に収めています。今期から持分の20%(30億円程度)が経常利益段階からオンされる格好となりますが、リコー本体の業績も苦しいので、更に持分がこぼれてくる可能性もあり、みずほ系の資本異動以外では、その辺が成長可能性の論点となりそうです。

 

なお株主還元については、今次中計より従前の配当性向22%から「25%以上を目指す」に変更されており、今期は2円増配の年84円を予想しています。然しながら、今期は既に多額の有価証券売却益の計上によりボトムラインが膨らんでおり、単純計算した場合の配当性向20.3%となるため、「86~90円+α円」ま更に上積みされる公算が高いと考えております。

 

*参考記事① 2020-07-31 2,406円 OP

【8425】みずほリース/「大みずほリース」計画暗礁も、リコーリース持分法適用化で下支え。

 

*参考記事② 2019-09-17 2,969円 OP

丸紅系のエムジーリース取込で、業績成長が加速・興銀リース(8425)。

 

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