【8425】みずほリース(東証1部) OP
現在値 3,430円/100株 P/E 7.2 P/B 0.71 3月配当優待 9月配当
みずほ(旧興銀)系。総合金融サービス会社化を目指す。
配当は3月末・9月末の年2回合計110円のため、配当利回りは3.21%となります。
みずほリースは株主優待を導入しており、3月現在の単元株主に対して、3,000円分のクオカード進呈しているほか、1年以上保有する長期株主への優遇制度として、1,000円分を追加した4,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りはそれぞれ約4.08%、約4.37%となります。
業績を確認していきます。
■2018年3月期 売上高 3,997億円、経常利益 199億円 EPS 319円
■2019年3月期 売上高 3,848億円、経常利益 242億円 EPS 388円
■2020年3月期 売上高 5,392億円、経常利益 267億円 EPS 360円
■2021年3月期 売上高 4,978億円、経常利益 275億円 EPS 450円
■2022年3月期 売上高 5,500億円、経常利益 330億円 EPS 475円 ce
□2021年6月1Q 売上高 1,182億円、経常利益 70億円 EPS 102円 (8/6)
□2021年9月2Q 売上高 2,550億円、経常利益 147億円 EPS 206円 四e
2021年3月期の売上高は前年同期比7.7%減の4,978億円、経常利益は同3.1%増の275億円となり、3Q時点の増額修正予算を上回って着地しました。トップラインの減少については、前期計上のREIT/ファンド向けの不動産ブリッジ/ウェアハウジング案件が剥落・減少したことが主な要因です。他方、期末時点の全社の営業資産残高については20,903億円→23,224億円へと“積み上げ”が急ピッチで進捗し、新型肺炎禍による通信・インターネット事業者の設備増強ニーズを捉えた通信機器分野で大型案件を獲得する等した結果、低調な他分野をカバーしました。
2022年3月期の見通しについては、売上高が10.5%増の5,500億円、経常利益は同19.8%増の330億円と2桁の増収増益を予想しています。注力中の不動産分野の残高については、新型肺炎禍における事業会社のCRE/オフバランスニーズの拡大傾向を捉え、直近1年で33%増となる4,818億円もの残高を確保しています。J-REIT指数も堅調に推移していることから、買い手側の資金調達も順調とみられ、当社側も着実な残高消化が見込まれます。また、新型肺炎禍だけでなく、5G関連の投資が高水準の通信機器分野も続伸が期待出来るほか、経済再開期待から低調だった他分野の反発も予想されます。
進行期は2024年3月期を最終年度とする第6次中計の3年度目となっており、この5年間で純利益を166→300億円(CAGR12%)へ伸長させる計画となっています。2019年に丸紅系リース会社のエムジーリース(丸紅99%、SMFL1%)の増資を約87億円分引き受けて持分法(50%)に収め、みずほ丸紅リースに商号変更させています。同社は不動産ブリッジ案件に大変強く、丸紅系の老舗公募REITであるUUR(8960)をはじめ、各種公募REITや私募リートにウェアハウジング機能を提供しています。また、2020年には丸紅系のインフラファンドであるJIF(9287)も公募成りを果たしており、今後は注力分野のひとつとしている環境・エネルギー分野での取扱高増加が見込まれます。
他方、リコーから子会社のリコーリース(8566)の株式を取得して同社を持分法(20%)に収めており、持分の20%(35億円程度)が経常利益段階から上乗せされているほか、リコー本体の業績低迷や事業再編ニーズにより、更に同社から持分がこぼれてくる可能性もありそうです。また足許では、旧富士銀系の芙蓉総合リースや旧DKB系の東京センチュリーよりも、旧興銀系の当社がみずほ系リース会社の“正規軍”としてみずほFGからの営業協力を得やすくなっているほか、直近では日鉄興和不動産の株式の約10%を141億円で買増ししたほか、9月に更に買増しする予定のため、最終的には22.2%の持分を握り、日鉄本体持分を抜いて同社筆頭株主(無議決権の甲種株非考慮)となり、持分法適用に収める見通しです。日鉄興和の持分利益は通年でおよそ60億円と推定されるため、当社業績には少なくない寄与が見込まれ、中計達成の大きなドライバーとなります。
なお株主還元については、今次中計より目標配当性向を22%→25%以上を目指すこととしており、足許での業績伸長も相俟って、一気に18円増配となる年110円配当を予想しています。20期連続の増配を達成する公算が高いものの、エクストラで有価証券の売却があれば、表記の配当予想は更に上振れる可能性も十分あろうかと思います。
*参考記事① 2021-02-26 3,375円 OP
【8425】みずほリース/通信機器等リース残高積み増し順調、純益膨張で再増配期待。
*参考記事② 2020-07-31 2,406円 OP
【8425】みずほリース/「大みずほリース」計画暗礁も、リコーリース持分法適用化で下支え。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。