【4809】パラカ/伊藤忠の筆頭株主成りで、ファミマ駐車場獲得やクレジット強化が見込まれる。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4809】パラカ(東証一部)  BY

現在値 1,685円/100株  P/E 14.2  P/B 1.06  9月配当株主優待

時間貸し駐車場運営・管理。土地賃借型を中心に土地自社保有型も展開。
配当金は9月末一括の57円配当のため、配当利回りは約3.38%となります。

パラカは株主優待を実施しており、9月末に単元株を保有する株主に対して、2,000円分のクオカードを進呈しておりますので、単元保有時の配当優待利回りは約4.56%となります。

業績を確認していきます。 

■2018年9月期 売上高 136億円、経常利益 19.5億円 EPS 192.0円

■2019年9月期 売上高 140億円、経常利益 20.7億円 EPS 241.4円 

■2020年9月期 売上高 124億円、経常利益 11.8億円 EPS 75.5円 

■2021年9月期 売上高 117億円、経常利益 15.7億円 EPS 98.1円 

■2022年9月期 売上高 124億円、経常利益 17.5億円 EPS 118.1円 ce

□2012年12月1Q 売上高 32.7億円、経常利益 6.3億円 EPS 44.7円(2/4)
□2022年3月2Q 売上高 60.7億円、経常利益 8.4億円 EPS 56.0円 ce

2021年9月期の売上高はYoY▲5.7%の117億円、経常利益はYoY+32.9%の15.7億円となり、トップラインは減収・未達も、利益予算は達成して3割超の増益を確保しました。引き続き新型肺炎禍の影響を受け繁華立地・商業施設周辺・パーク&ライド型駅前立地の稼働率が低調だった一方、賃借駐車場の賃料減額や出来高方式への切替、解約といった原価低減策を推進したため、利益率は改善しました。新規車室については、不採算賃借の解約にくわえ、保有駐車場の仕入も前期の3分の1程となる約10.7億円(60車室)に留めたため、期末総車室残高はYoY▲116室の30,196室と微減となりました。

進行期である2022年9月期の見通しについては、売上高がYoY+5.4%の124億円、経常利益はYoY+11.1%の17.5億円と反発を予想しています。新規の賃借駐車場は厳選して仕入れるほか、新型肺炎禍前まではバランスシートに負荷をかけて増やしにいった保有駐車場についても、人口動態を注視しつつ人流変動が少ないエリアに限って注力する方針としています。なお、既存駐車場の予算上の稼働の考え方については、引き続き通期で新型肺炎禍の影響を受ける前提としており、保守的な見立てとみられます。実際、2月4日開示の1Qは感染が小康状態だったこともあって高進捗をマークしていることから、予算は上振れ圏にあるものと考えられます。


当社は成長のドライバーとして、低金利を活かしたオンバランスの保有駐車場を柱に据えており、トップラインの構成比はほぼ賃借駐車場である一方、粗利ベースでは拮抗しています。賃借駐車場でドミナント状態を誇る地方中核都市(新潟・青森・水戸・長岡・甲府・姫路など)において、保有駐車場の取得も進めて、シナジー創出を図っています。現状の保有駐車場の簿価は276億円超粗利ベースの利回りは新型肺炎禍においてもアクチュアルで5.0%を確保しています。

 

当社はこれまで地方での用地情報確保のため、有力仲介業者である東急リバブルや大成有楽不動産販売との提携してきましたが、従前より筆頭株主であった日成ビルド工業が全持分(19.71%)を伊藤忠商事に相対で譲渡したことから、昨年8月に伊藤忠本体と業務提携を締結しています。そのため、同社傘下の仲介業者網であるセンチュリー21と全面的に協業するほか、伊藤忠側としてはファミリーマートの駐車場を時間貸しに転用して収益化していくことが真の狙いと目されます。先週この1号現場となる「山科三条通店駐車場」を開業したほか、ファミマ以外にも昨年10月迄に既に10件が伊藤忠経由で成約していることから、今後は本提携による成長再加速が期待されます。

 

財務状況ですが、自己資本比率については44.7%と高水準をキープしています。当社はバランスシートに負荷をかけた投資に注力しているものの、低簿価の保有駐車場を切り売りして含み益を利益として顕在化させ、自己資本を厚くしながら安い場所で仕入れを続けるキャピタルリサイクルを実現しているほか、今後は伊藤忠の資本参加により、クレジット力の増強と借入金利低減も期待されます。そのため、無配転落する同業他社を尻目に、配当予想は2円の増配となる年57円を見込んでおり、余裕の財務体質を感じさせます。

 

*参考記事① 2021-01-12 1,607円 OP

【4809】パラカ/23年振りの減収も、保有駐車場収益と財務基盤厚く、配当維持の公算。

 

*参考記事② 2020-02-26 1,900円 OP

【4809】パラカ/地方物件の高値転売で、仕入積極化とB/S良化の両立を実現。

 

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