【4343】イオンファンタジー/3期連続の最終赤字見通しだが、年30円のタコ配は継続公算。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4343】イオンファンタジー(東証1部)  OP

現在値 2,269円 P/E --.- P/B 2.69  2月配当優待 8月配当優待

イオン系。大型SC内に遊戯施設。時間制遊具など幼児部門向け強化。
配当金は2月末・8月末の年2回で合計30円で、配当利回りは1.32%となります。

イオンファンタジーは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する2月末・8月末の株主に対して、2,000円の施設利用券を進呈しているほか、2月末の株主に対しては別途お米(魚沼産コシヒカリ3㎏.)を進呈しているため、お米を1,500円で計算した場合の配当優待利回りは約3.74%となります。

業績を確認していきます。

■2018年2月期 売上高 721億円、経常利益 55.9億円 EPS 151円 

■2019年2月期 売上高 742億円、経常利益 42.9億円 EPS 94.5円 

■2020年2月期 売上高 734億円、経常利益 23.8億円 EPS▲16.4円

■2021年2月期 売上高 461億円、経常利益▲77.1億円 EPS▲469.1円

■2022年2月期 売上高 700億円、経常利益 6.3億円 EPS▲32.9円 ce

□2021年8月2Q 売上高 330億円、経常利益▲6.0億円 EPS▲55.7円 四e


2021年2月期の売上高は前期比37.3%減の461億円、経常利益は同赤転の▲77.1億円となり、8月公表見通しに対し減収増益となりました。既存店売上高(SSS)のセット値を9月以降7割水準から期末にかけて9割まで戻るという想定をしていたものの、国内では年末年始の感染再拡大の影響を受け想定以下となりました。一方、海外における主力の中国が期末にかけて戻り歩調となり想定超で推移しました。商品別では「鬼滅の刃」人気により、プライズ部門の売上が増加したほか、TVCMを積極投下したオンラインクレーンゲームも大幅増となりました。一方、プライズより原価率が低く好採算のメダルが低迷したため、このミックス悪化により利益率が悪化しました。

 

進行期である2021年2月期の通期見通しについては、売上高が51.8%増の700億円、経常利益は黒転の6.3億円を計画しています。国内は純増1店と横ばいを見込んでおり、SSSは2020年2月期比で95%程度の水準でセットしています。海外主力の中国については足許でも回復が続いていることから、SSS同110%とする一方、依然休業店が残るアセアンは同77%でセットしています。商品別では実店舗・オンラインのプライズ部門の堅調推移が見込まれるものの、徐々に好採算のメダルの回復を織り込んでいるため、全社予算組みとしては多少強めとみられます。なお、フィリピン、タイ、マレーシアは足許5月末現在においても休業中ないし売上僅少となっています。

 

今般当社は2024年2月期を最終年度とする新中計を公表しており、3年後に売上高855億円(CAGR7%)、営業利益60億円(黒転)を掲げてるとともに、教育・遊びの複合型である“エデュテイメントモデル”を標ぼうし、積極的な新事業領域展開を図ります。ひとつはオンライン展開で、好調なクレーンゲームの拡充を予定しており、積極的なTVCM投入とともに、イオングループIDと自社アプリの連携により送客を強化させることで、会員数の多いイオンカードからのシームレスな課金を強化を図ります。また、本年1月よりゲーム性を持たせたスクール事業もローンチしており、本年度は会員数400名を目指しています。

 

事業規模の大きい中国事業については、2019年に中国の大手ゲームメーカーである世宇社に中国現法の持分を譲渡することで合弁会社に切り替え、外資規制のあるリデンプション(メダル等のゲームの結果に応じて景品交換が出来る)に参入して一定の成果を残していますが、今後は運動・健康といったテーマと融合させた業態の開発を進めます。一方、未だ休業店舗も多いアセアン事業については、中国で実績のあるリデンプションや、本邦で人気を集めた“よくばりパス”の導入でテコ入れを図る方針です。総評として、本中計で掲げる営業利益60億円自体は新型肺炎禍が落ち着けば達成可能な範囲と考えており、本格回復するまでに全国中のイオンモールの多くの空きスペースを格安で賃借し、ガチャガチャ等で稼ぐなどして凌ぎ切れるかどうかが注目点となりそうです。

 

なお株主還元については、3期連続の最終赤字を見込む一方、30円配当の据置で有配方針となっています。自己資本比率はこの1年で1,700bp.程急悪化したものの、依然として30%強の水準を維持しており、タコ配にもまだ耐えられるような状況となっています。

 

*参考記事① 2019-12-28  2,908円  OP

上期ビハインドは奪回濃厚、急速に巻き返す・イオンファンタジー(4343)。

 

*参考記事② 2019-07-09 2,301円 OP

待望の“リデンプション”導入で、中国事業の底入れ期待・イオンファンタジー(4343)。

 

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