上期ビハインドは奪回濃厚、急速に巻き返す・イオンファンタジー(4343)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4343】イオンファンタジー(東証1部)  OP

現在値 2,908円 PER26.7 PBR1.72 2月配当優待 8月配当優待

イオン系。大型SC内に遊戯施設。時間制遊具など幼児部門向け強化。
配当金は2月末・8月末の年2回で合計50円で、配当利回りは1.72%となります。

イオンファンタジーは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する2月末・8月末の株主に対して、2,000円の施設利用券を進呈しているほか、2月末の株主に対しては別途お米(魚沼産コシヒカリ3㎏.)を進呈しているため、お米を1,500円で計算した場合の配当優待利回りは約3.61%となります。

業績を確認していきます。
■2016年2月期 売上高 588億円、経常利益 26.3億円 EPS 76.7円 

■2017年2月期 売上高 650億円、経常利益 34.9億円 EPS 86.1円  

■2018年2月期 売上高 721億円、経常利益 55.9億円 EPS 151円 

■2019年2月期 売上高 742億円、経常利益 42.9億円 EPS 94.5円 

■2020年2月期 売上高 780億円、経常利益 47.5億円 EPS 109円 ce

□2019年8月2Q 売上高 389億円、経常利益 23.9億円 EPS 56.6円(10/9)


2019年8月中間期の売上高は前年同期比3.2%増の389億円、経常利益は同9.8%減の23.9億円となり、売上は期初予算水準を確保したものの、利益はショートして2桁近い減益となりました。予算前提の既存店売上高を国内101%、中国104%、アセアン105%をセットしていましたが、うち国内事業についてはオリジナル機器や価格体系変更でメダル部門が特に好調に推移したため、上期は同103.8%で着地したほか、好採算の同部門の構成比増加により利益率が改善しました。その一方、海外事業については、中国における競争激化で春節以降にディスカウントセールを乱発した影響を引きずって低迷し、同90%水準に留まりました。そのほかアセアン諸国はまちまちとなったものの、全社トータルでは中国事業が足を引っ張って未達となった格好です。

 

なお2020年2月期の通期予算については期初のものを据え置いており、売上高が前期比5.1%増の780億円、経常利益は10.5%増の47.5億円を計画しています。出店については国内が12店、中国30店、アセアン48店を予定しており、出店数については直近数期と同程度の水準の90店を予定していますが、上期時点では19店となっているため遅れ気味と思われます。11月分まで開示されている既存店売上9ヵ月累計期間の数字については、国内が103.6%と順調に推移しているほか、上期不調の海外が98.0%急速に巻き返しており、特に中国だけを切り取ると直近3ヶ月は110%オーバーとリデンプション導入効果の発現で絶好調となっています。また、アセアンでは中国の次に店舗の多いマレーシアが堅調に推移しているため、ほぼ全セグメントで下期の回復が顕著なことから、上期のビハインドを奪還し、通期予算はほぼ確実に超過してくるものと考えています。

 

今期は2021年2月期を最終年度とする3年中計の中間年度となっており、翌期に売上高888億円(CAGR7%)、経常利益72億円(CAGR9%)を目標としているほか、当初10年長計目標として、2026年2月期に売上高2,500億円・営業利益200億円を目指しています。当社は他のイオン系の上場子会社と比較すると、親の持株比率が約65%と比較的高く、イオン本体とイオンモールのアジアシフトに合わせて出店を果たしてきましたが、競争激化によりここ1~2年程は減速感が強い状況でした。

 

そのため、イオン(モール)のコバンザメ方式に成長を依存する形ではなく、次なる成長ドライバーとして、1月に中国の大手ゲームメーカーである世宇社に中国現法の株式を一部譲渡することで合弁会社に切り替え、外資規制のあるリデンプション(メダル等のゲームの結果に応じて景品交換が出来る)のゲームセンターを展開出来る体制を整えました。中間時点で導入済の店舗は40店程にまで広がっていますが、元来より賭け事好きとされる中国人にはかなりウケている模様であり、導入店舗の売上は2割も伸びていることから、今期このまま中国事業の復調が確りとしたものであるることを確認出来れば、本3年中計の公表数字の達成までは難しいとみられるものの、ある程度見れるような数字で仕上がってくるものと考えています。

 

なお、株主還元については、今期も50円配当の据置を見込んでいます。足許の業績・予算が踊り場になっていることや、配当性向が既に46%水準に達していることから、据置50円の配当予想を据え置いていますが、超過達成した場合にはいくらか上乗せしてくる可能性が出てきたと思われます。

 

*参考記事① 2019-07-09 2,301円 OP

待望の“リデンプション”導入で、中国事業の底入れ期待・イオンファンタジー(4343)。

 

*参考記事② 2018-05-21 6,360円 NT

3年中計は初年度で大幅上振れ、破竹の業績伸長続く・イオンファンタジー(4343)。

 

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