3年中計は初年度で大幅上振れ、破竹の業績伸長続く・イオンファンタジー(4343)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4343】イオンファンタジー(東証1部) ーー

現在値 6,360円 PER37.98 PBR4.51 2月配当優待 8月配当

イオン系。大型SC内に遊戯施設。時間制遊具など幼児部門向け強化。
配当金は2月8月の年2回で合計50円で、配当利回りは0.79%となります。

イオンファンタジーは株主優待制度を実施しており、100株以上を保有する2月末の株主に
対して、3,000円の施設利用券とお米を進呈しておりますので、お米を1,500円で計算した

場合の配当優待利回りは約1.49%となります。

業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 466億円、経常利益 34.1億円 EPS 73.6円 
■2016年2月期 売上高 588億円、経常利益 26.3億円 EPS 76.7円 

■2017年2月期 売上高 650億円、経常利益 34.9億円 EPS 86.1円  

■2018年2月期 売上高 721億円、経常利益 55.9億円 EPS 151円 

■2019年2月期 売上高 777億円、経常利益 60.0億円 EPS 167円 ce
□2018年8月中 売上高 380億円、経常利益 25.5億円 EPS 78.6円 ce

2018年2月期の売上高は前期比10.9%増の721億円、経常利益は同60.0%増の55.9億円と

なり、期初予想および中間時点の増額予算をも大きく上回りました。国内既存店において、

「遊び放題」プランの導入や、オリジナル商品の導入とYouTuberを活用したプロモーション

を積極的に展開し、景品売上が同2割増と躍進しました。既存店売上は30ヵ月連続で昨対

勝ちとなっています。一方、海外事業に関しては、中国で44店の出店を実現し、展開店舗

数を200店の大台に乗せたほか、他のアセアン地域でも34店を出店し、この地域での運営

店舗数は189店に達しています。海外事業は主力の中国が既に黒転しており、アセアンも

額は僅かながらも黒転を果たしており、赤字の展開国はタイを残すのみとなっています。

 

進行期である2019年2月期通期予算については、売上高が7.7%増の777億円、経常利益は

7.2%増の60億円を予想しています。前の期にやりすぎた反動で伸びが鈍くなっていますが、

既存店売上高を国内103%・海外105%、出店前提を国内10店、海外100店を予算前提として

います。足許4月分まで開示されている既存店売上2ヵ月累計期間の数字が、国内107.6%・

海外94.8%で推移しているため、国内のウエイトを踏まえると、順調な進捗と言えそうです。

 

そもそも実績期は、2020年2月期を最終年度とする3年中計の初年度の位置付けであり、

売上高650→800億円(CAGR7%)、経常利益35→46億円(CAGR9%)を目指していましたが、

僅か1年で上振れ達成することとなりました。そのため、今期早くも数値ローリングを強い

られており、2021年2月期を最終年度とする新3年中計において、売上高721→888億円

(CAGR7%)、経常利益56→72億円(CAGR9%)を目指すこととなりました。(当初)10年長計

の目標数値としていた、2026年2月期の売上高2,500億円・営業利益200億円はそのまま
据え置いていますが、この画餅的目標もこの1年で確度が大分高まった印象を受けます。

当社は親のイオンが掲げる基本4戦略の一つである「アジアシフト」の先兵としての役割

が期待されており、他のイオン系の上場子会社と比較すると、親の持株比率が約65%と

比較的高く、少数株主に対し利益が流れにくい資本構造となっているため、国内・海外

ともに親会社の手厚いサポートが得られている印象です。また、自社製作の遊戯機器

や自社キャラクターを使用した好採算のビジネスを展開しているため、国内外で店舗を

増やせば増やすほど取れる利幅が厚くなり、こうした“内部成長”と“外部成長”の歯車

がガッチリ組み合っていることで、鋭角的な利益伸長を実現しているのは高評価です。

 

一方、株主還元に関しては毎期1円ずつ増配してきており、実績期も当初32円の配当を

予想していましたが、さすがに業績の伸びに追いつかなくなったため、結局41円の配当

を吐き出すに至りました。また今期についても一気に10円も増配して、50円の配当予想

を見込んでいますが、これでも予算EPSに対しての配当性向は30%切る水準に過ぎない

ため、順当にいけば55~60円+、くらいまでは増配余地があるものと考えています。

 

*参考記事① 2017-12-13 4,730円  --

3年中計は初年度で達成の勢い、イオンファンタジー(4343)。

 

*参考記事② 2017-05-23 3,065円 --

国内外で破竹の快進撃も、株価妙味は薄い・イオンファンタジー(4343)。

 

 

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