3年中計は初年度で達成の勢い、イオンファンタジー(4343)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【4343】イオンファンタジー(東証1部) ーー

現在値 4,730円 PER43.3 PBR3.56 2月配当優待 8月配当

イオン系。大型SC内に遊戯施設。時間制遊具など幼児部門向け強化。
配当金は2月8月の年2回で合計32円で、配当利回りは0.68%となります。

イオンファンタジーは株主優待制度を実施しており、100株以上の2末
株主に対して、3,000円の施設利用券とお米を進呈しておりますので、
お米を1,500円で計算した場合の配当優待利回りは約1.62%となります。

業績を確認していきます。
■2014年2月期 売上高 465億円、経常利益 26.4億円 EPS 61.6円
■2015年2月期 売上高 466億円、経常利益 34.1億円 EPS 73.6円 
■2016年2月期 売上高 588億円、経常利益 26.3億円 EPS 76.7円 

■2017年2月期 売上高 650億円、経常利益 34.9億円 EPS 86.1円  

■2018年2月期 売上高 700億円、経常利益 45.5億円 EPS 109円 ce修正
□2017年8月中 売上高 357億円、経常利益 23.0億円 EPS 55.9円(10/4)

2017年8月中間期の売上高は前年同期比10.3%増の357億円、経常利益

は同47.4%増の23.0億円となり、期初予想を大きく上回りました。国内の

既存店において、「遊び放題」プランやオリジナル商品の導入を推進した

ことで、機械売上が前年比110.2%、商品売上が同119.2%へ躍進しました。

海外事業については、中国(176店)で16店の新規出店を済ませたほか、

同じく主力展開国であるマレーシア(78店)ともども、既存店売上高が2桁

の伸びを記録したため、海外セグはこの上期で黒字化を果たしました。

なお、閉店をネットした上期末の累計店舗数は820店(+5店)となりました。
 

2018年2月期通期予算についても増額しており、売上高は前期比7.6%増

となる700億円(従予:690億円)、経常利益は同30.1%増との45.5億円(従予

:39億円)に修正しています。ただ、通期の国内既存店売上高前提を102%

で置いているものの、足許10月分まで開示されている月次8ヵ月累計期間

の数字が107.6%で仕上がっているため、上期の上振れ分しか積み増して

いないことを踏まえると、再増額となる可能性が高そうです。ちなみに出店

に関しては、期初110店ほどを見込んでいましたが、通年では前年並みの

90店ほどに留まる公算です。

 

今期は2020年2月期を最終年度とする中計の初年度となっており、向こう

3年で売上高を650→800億円(CAGR7%)、経常利益を35→46億円(CAGR

9%)とする計画を立てておりますが、早くもこの6ヵ月間で利益については

2年前倒しで達成の目が出てきました。出店が追いついていないものの、

既述のとおり内外の既存店売上高が2桁の成長を遂げていることにより

急激な採算性改善が確認できます。また、10年後の長期目標値として、

2026年2月期に売上高2,500億円・営業利益200億円という壮大な目標を

掲げていますが、足許の成長モメンタムを鑑みるに、“絵空事”とも言え

ないペースで進捗しているため、会社側計画を支持したいと思います。

当社は親のイオンが掲げる基本4戦略のひとつである「アジアシフト」に

しっかり乗っかっており、他のイオン系の上場子会社と比較すると、持株

比率が65%と比較的高く、少数株主への流出が少ないこともポイントです。

アジア圏で爆発的に拡大する中間所得層の“ポケット”を狙って、イオン

SCのキラーテナントとして、親会社からの厚いサポートが期待出来ます。

 

一方、株主還元に関しては毎期1円ずつ増配して、今期は32円の配当を

予想しています。飛躍的な業績の伸びを鑑みると、かなり渋い株主還元

となりますが、配当性向自体は30%水準に達しており、今後のアジア出店

に備えた資金需要があることを考慮すると、仕方ないのかもしれません。

 

*参考記事① 2017-05-23 3,065円 --

国内外で破竹の快進撃も、株価妙味は薄い・イオンファンタジー(4343)。

 

*参考記事② 2015-06-05  2,122円 --

ダイエー系遊戯施設を吸収し成長加速、イオンファンタジー(4343)。

 

 

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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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