【3418】バルニバービ/SBIHD&島根銀行連合と、淡路島PJの第二弾を画策。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3418】バルニバービ(東証マザーズ)  OP

現在値 1,015円/100株  P/E 8.73 P/B 3.35 7月配当優待 1月配当優待

カフェ・レストランを直営展開。水辺・公園・公共施設など出店独自色。
配当金は1月末・7月末の合計7.5円配当のため、配当利回りは0.74%となります。

バルニバービは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末に単元株を保有する株主に対して1,000円分の優待券を進呈していますので、配当優待利回りは約2.70%となります。なおこの他に長期優遇制度として、店舗での割引や限定のイベントに参加出来るメンバーシップ制度が用意されています。

業績は下記の通りとなっております。
■2017年7月期 売上高 98.2億円、経常利益 6.2億円 EPS 46.0円 

■2018年7月期 売上高 111億円、経常利益 4.2億円 EPS 26.4円 

■2019年7月期 売上高 115億円、経常利益 5.0億円 EPS 35.1円 

■2020年7月期 売上高 94.3億円、経常利益▲8.4億円 EPS▲106.9円

■2021年7月期 売上高 102億円、経常利益 0.0億円 EPS 116.1円 ce
□2021年1月中 売上高 44.3億円、経常利益▲2.7億円 EPS 96.0円(3/16)

2021年1月中間期の売上高は前年同期比27.7%減の44.3億円、経常利益は同赤転の▲2.7億円となり、期初予想との比較は無いものの大幅な減収減益となりました。新型肺炎による緊急事態宣言の再発出等により、営業時間の短縮や休業を迫られたこともあり、既存店売上高はおよそ7割程度の水準にまで低下しました。出退店については、三井不動産の宮下公園再開発内「NEW LIGHT」、アトレ土浦に「タルトスピーカー」の2店を開業した一方、有楽町マルイの「Skew」、キュープラザ原宿の「GOOD MORNING CAFE(GMC)&GRILL キュウリ」2店を閉業しました。他方、南禅寺「菊水」の資産及び事業の譲渡益(譲渡損)により、約15億円もの特別利益を計上しています。


なお2021年7月期の通期の見通しについては、期初のものを据え置いており、売上高が前期比8.1%増となる102億円、経常利益は8.4億円の損益改善となるトントンを見込んでいます。今期は純増ベースで5店前後の出店を計画しており、上期出店分を除けば高槻市安満遺跡公園、淡路島ホテル、淡路島「GMC、SHIMA-LEMON」、「中華そばいのうえ、回転寿司悦三郎」などが名有りとなっています。また収支改善策として、テラス席がオフシーズンとなる冬季限定で魚沼のかぐらスキー場に「ぶなキッチン」等を出店し、“人繰り”により人件費の平準化を図る方針ですが、会社計画の新型肺炎禍の織り込みは甘いとみられ、一過性利益で最終黒字は確保するものの、未達圏とみられます。

 

当社は中期的な業績の定量目標を開示していないものの、出店による外部成長ついてはバッドロケーションを中心に数多の物件情報が入ってくるほか、大手デベからも好条件での誘致を受けられているため、「選ぶ側」の当社はここまで比較的思い通りの出店が出来てきた印象です。ただ、足許では大手デべの好立地物件でも、新型肺炎禍によるトラフィック変化で好立地がそうでは無くなっているといった環境変化が認められることから、会社側はまたバッドロケーション側に振ってきているような印象を受けます(なお当社は都心オフィス街や地方都市は比較的強いものの、新型肺炎禍でも好調な大都市郊外の人口集積のあるベッドタウンは弱い)。

 

足許において特に注力中なのが、パソナとの合弁による淡路島西岸の西浦地区の再開発事業であり、既存の「GARB」にくわえ、昨年夏には「KAMOME SLOW HOTEL」を開業しているほか、上述のとおり今年は近隣でカフェや回転寿司等の開業も予定しており、一気に商業集積を進める計画です。また、NECキャピタルソリューションと協業で、周辺の土地を所有権及び借地権で保有し、最終的には宅地分譲して“地上げ”するような青写真を描いています。特に合弁先のパソナは本社機能を淡路に移転するなど当社以上に前のめりであるほか、当社もこの淡路での成功例を引っ提げてSBIHD&島根銀行とともに、島根県で本PJの第二弾を推進しており、当面はこのようなバッドロケーション一体型再開発とその地上げで業容を拡大していく方針とみられます。

 

配当については期初から有配を予想しており、5年連続の年7.5円配を据え置く予定となっています。淡路島プロジェクトに相応の資金を投じている一方で、南禅寺菊水の多額の売却益計上によりB/Sがかなり潤ったため、当面の資金繰りについても問題ない状況です。

 

*参考記事① 2020-11-23  1,021円 OP

【3418】バルニバービ/パソナグループの本社移転で淡路島“地上げ”戦略に弾み、財務も大幅改善。

 

*参考記事② 2020-06-01 926円 NT

【3418】バルニバービ/「淡路島プロジェクト」への注力がひときわ目立つ状況。

 

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