【3418】バルニバービ(東証マザーズ) NT
現在値 926円/100株 PER19.4 PBR2.68 7月配当優待 1月配当優待
カフェ・レストランを直営展開。水辺・公園・公共施設など出店独自色。
配当金は1月末・7月末の合計7.5円配当のため、配当利回りは0.81%となります。
バルニバービは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末に単元株を保有する株主に対して1,000円分の優待券を進呈していますので、配当優待利回りは約2.96%となります。なおこの他に長期優遇制度として、店舗での割引や限定のイベントに参加出来るメンバーシップ制度が用意されています。
業績は下記の通りとなっております。
■2016年7月期 売上高 84.6億円、経常利益 5.8億円 EPS 44.3円
■2017年7月期 売上高 98.2億円、経常利益 6.2億円 EPS 46.0円
■2018年7月期 売上高 111億円、経常利益 4.2億円 EPS 26.4円
■2019年7月期 売上高 115億円、経常利益 5.0億円 EPS 35.1円
■2020年7月期 売上高 128億円、経常利益 6.3億円 EPS 47.6円 ce
□2020年1月中 売上高 61.2億円、経常利益 2.6億円 EPS 16.8円(3/12)
2020年1月中間期の売上高は前年同期比10.0%増の61.2億円、経常利益は同36.2%増の2.6億円となり、ほぼ期初予算ピンポイントで着地しました。上期出店は日の出ふ頭に「BESIDE SEASIDE」を出店したほか、大丸心斎橋店に「TUFFE」、博多駅前二丁目ホテル、新港ふ頭に「ダ・ミケーレ」など合計6店の出店を済ませており、概ね計画通りこなしました。既存店についても台風をはじめとする天候不順や、消費増税の影響を受けたものの概ね底堅く推移し、前期の高水準で出店した新店売上がオンされる形で、トップラインから2桁の伸びを確保しました。
進行期である2020年7月期の通期予算については、売上高が11.2%増となる128億円、経常利益は24.8%増となる6.3億円を予想しています。今期は純増ベースで10店前後の出店を計画しており、上期出店の6店(純増は3店)のほかに、4月には東武鉄道の誘致で東京ミズマチに「LAND_A」を出店したほか、6月には三井不動産の誘致で宮下公園再開発にも出店を予定しています。これ以外の名有りについては、7月に淡路島のホテルや暖簾分け運営委託店舗として、梅田で「PIZZA423」、三浦半島で「Beachend Cafe」を出店していますが、出店数は計画に届かないとみられます。また、現状新型肺炎による影響を織り込んでいないため、期初予算の達成は困難と考えられますが、市中活動が再開するとみられる6月以降はテラス席の稼働率が上がる当社の繁忙時期でもあるため、6月~7月で相応に持ち直す可能性を残します。
当社は中期的な業績の定量目標を開示しておらず、出店に関してはバッドロケーションを中心に数多の物件情報が入ってくるほか、大手デベからも好条件で誘致を受けられているため、物件確保は順調と考えています。ネックは、出店ピッチが速いため人材育成が追いついていない可能性が高い点であり、会社側は分社化連邦経営により子会社社長兼店長を量産し、“一国一城”的なモチベーションに依存した方針を採っています。そのため独立志向の強い社員を現行の安めの給料水準で十分に確保出来ない場合、出店が進められないリスクがあります。
足許では案件自体が従来型レストラン事業から業容を拡大しており、昨年開業した土浦駅ビルの「STATION LOBBY」は、駅上400坪の大箱であり、料理教室やヨガレッスン、アート展示などを行う異種複合業態となっています。また、パソナと合弁で淡路島・西浦地区で「GARB COSTA ORANGE」を出店済ですが、本年7月にはその近隣で「かもめスローホテル」の開業を予定しており、その推進のために今度はNECキャピタルソリューション(同社は傘下に企業再生や不動産に強みを持つリサ・パートナーズを有する)とも合弁会社を設立しています。会社側はこの淡路島は物件周周辺土地も含め一部をオンバランスで保有し、最終的には地上げして分譲したりという皮算用もしている模様ですが、この西浦地区は淡路島で繁華性のある南東の洲本地区とは真逆の北西に位置する過疎気味のエリアであり、当たりハズレが非常に大きい案件になっています。
配当については4年連続の年7.5円配を据え置く予定となっています。出店が高水準であるほか、淡路島プロジェクトに相応の資金を投じているとみられるため、当面はこの水準感での株主還元が続くと考えています。また、自己資本比率も3割強をキープしているため、新型肺炎下でも十分持ち堪えられるものと判断しています(実際に追加借入等のリリースもしていません)。
*参考記事① 2019-12-12 1,184円 NT
順調な拡大続くが、リスク志向も鮮明に・バルニバービ(3418)。
*参考記事② 2019-06-06 1,214円 NT
ビル内出店順調で天候リスクも徐々に低減へ、バルニバービ(3418)。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。