【3418】バルニバービ(東証マザーズ) OP
現在値 1,021円/100株 PER8.79 PBR4.69 7月配当優待 1月配当優待
カフェ・レストランを直営展開。水辺・公園・公共施設など出店独自色。
配当金は1月末・7月末の合計7.5円配当のため、配当利回りは0.73%となります。
バルニバービは株主優待制度を実施しており、1月末・7月末に単元株を保有する株主に対して1,000円分の優待券を進呈していますので、配当優待利回りは約2.69%となります。なおこの他に長期優遇制度として、店舗での割引や限定のイベントに参加出来るメンバーシップ制度が用意されています。
業績は下記の通りとなっております。
■2017年7月期 売上高 98.2億円、経常利益 6.2億円 EPS 46.0円
■2018年7月期 売上高 111億円、経常利益 4.2億円 EPS 26.4円
■2019年7月期 売上高 115億円、経常利益 5.0億円 EPS 35.1円
■2020年7月期 売上高 94.3億円、経常利益▲8.4億円 EPS▲106.9円(9/14)
■2021年7月期 売上高 102億円、経常利益 0.0億円 EPS 116.1円 ce
□2021年1月中 売上高 50.0億円、経常利益▲3.0億円 EPS 81.3円 四e
2020年7月期の売上高は前期比18.1%減の94.3億円、経常利益は同赤転の▲8.4億円となり、会社設立28年来黒字を維持してきたものの、初の赤字転落となりました。上期に日の出ふ頭に「BESIDE SEASIDE」、大丸心斎橋店に「TUFFE」、博多駅前二丁目ホテル、新港ふ頭に「ダ・ミケーレ」を出店したほか、下期には東京ミズマチに「LAND_A」、淡路島に「KAMOME SLOW HOTEL」など通期で合計で8店を出店したものの、6店を閉鎖したため純増2店に留まりました(期末店舗数は91店)。既存店売上については、上期こそ計画線で推移したものの、下期にかけて新型肺炎の深刻化により休業を強いられた店舗が多かったことから大幅な減収となり、人件費や地代家賃の削減による原価低減があったものの、利益は水面下まで大きく沈みました。
進行期である2021年7月期の通期予算については、売上高が8.1%増となる102億円、経常利益は8.4億円の損益改善となるトントンを見込んでいます。今期は5店前後の出店を計画しており、当初6月開業予定だったものが期ズレとなった三井不動産の宮下公園再開発内「NEW LIGHT」と、高槻市安満遺跡公園のみが名有りとなっています。実績期が純増2店程だったため、新店巡航化による上乗せ効果は乏しく、既存店の新型肺炎禍の戻り分が主な増収要素となります。既存店のテコ入れ策としては、量り売りデリやスイーツのテイクアウト強化、テラス席がオフシーズンとなる冬季の人件費コントロールとして、スキー場の冬季限定業態へシフトを回す等の措置を講じる方針です。
当社は中期的な業績の定量目標を開示しておらず、出店についてはバッドロケーションを中心に数多の物件情報が入ってくるほか、大手デベからも好条件で誘致を受けられているため、物件確保は順調と考えています。一方で懸念材料として、出店ピッチの速さに店長候補となる人材育成の遅れがありましたが、新型肺炎の深刻化により都市部の不採算店舗の閉店を進めていることで“人繰り”が可能となったり、足許では他業種の求職者が増加していることから、人材面でもメドがつきやすくなったと考えられます。
目下、飲食だけではない複合業態を増やしており、昨年開業した土浦駅ビルの「STATION LOBBY」は、料理教室やヨガレッスン、アート展示などを行う異種複合業態(ホテル部分は星野リゾート運営の「BEB5」)を開業しています。また、パソナとの合弁により淡路島西岸の西浦地区で「GARB COSTA ORANGE」を出店済ですが、7月には隣地に「KAMOME SLOW HOTEL」を開業しています。会社側はNECキャピタルソリューションと組み、これら施設周辺の土地を所有権及び借地権でオンバランスで保有し、最終的には宅地分譲したりと盛大な“地上げ”を目論んでいるものとみられます。特に合弁先のパソナは、10年以上も前から淡路島北部に多くの拠点を有しており、先頃は本社機能(1,200人)を東京から移すことを公表したことから、当社の淡路島を軸とした成長戦略がかなり加速していくものと考えています。
配当についても期初から有配を予想しており、5年連続の年7.5円配を据え置く予定となっています。淡路島プロジェクトに相応の資金を投じている一方で、京都・南禅寺菊水のバリューアップ売却でおよそ16億円もの巨額特別利益を計上予定となっています。そのため、足許でも自己資本比率も4割弱をキープ出来ており、新型肺炎下でも余裕で持ち堪えられるものと判断しています(実際に追加借入等のリリースもしていません)。
*参考記事① 2020-06-01 926円 NT
【3418】バルニバービ/「淡路島プロジェクト」への注力がひときわ目立つ状況。
*参考記事② 2019-12-12 1,184円 NT
順調な拡大続くが、リスク志向も鮮明に・バルニバービ(3418)。
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