【3837】アドソル日進/自治体向けテレワークの実証実験を開始、成長ドライバーは豊富。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3837】アドソル日進(東証一部) NT

現在値 2,959円/100株 P/E33.0 PBR5.4 3月配当優待 9月配当優待

大企業向け大規模システムの開発に強み持つ。技術水準に定評。
配当は3月末・9月末の年2回で、合計33円のため配当利回りは1.12%となります。

アドソル日進は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末時点で200株以上を保有する株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.28%となります。なお長期優遇制度もあり、1年以上の保有で500円分のクオカードが追加進呈されますので、その場合の配当優待利回りは、約1.45%まで利回りが上昇します。

業績を確認していきます。
■2017年3月期 売上高 116億円、営業利益 7.6億円 EPS 59.1円 

■2018年3月期 売上高 109億円、営業利益 8.3億円 EPS 61.3円 

■2019年3月期 売上高 121億円、営業利益 10.1億円 EPS 75.9円 

■2020年3月期 売上高 133億円、営業利益 12.1億円 EPS 89.9円 

■2021年3月期 売上高 135億円、営業利益 12.2億円 EPS 89.6円 ce

□2020年9月2Q 売上高 67.9億円、営業利益 6.8億円 EPS 55.0円 

□2020年12月3Q 売上高 100.5億円、営業利益 10.3億円 EPS 81.1円(2/4)

 

2020年9月中間期の売上高は前年同期比4.1%増の67.9億円、営業利益は同10.7%増の6.8億円となり、期初予想を上回って2桁の増益を確保しました。期初の受注残高は過去最高の31.6億円を確保しており、新型肺炎禍の影響を全く受けなかったことに由ります。主力の社会インフラ事業については、電気・ガス自由化案件が続伸となり、特にガス会社事業再編や新事業創出案件が好調に推移しました。先進インダストリー事業については、メディカル関連や決済システム関連で一部モタつきがあったものの、先進EV・自動運転等の次世代自動車関連が計画通りに推移し、概ね横ばいとなりました。


2021年3月期の通期予算については期初のもの据え置いており、売上高が前期比1.4%増の135億円、営業利益は同0.5%増の12.2億円と11期連続の営業増益を予想しています。社会インフラ事業の電力・ガス分野は分社化案件(電気は発送電分離、ガスは導管分離)の好調継続が見込まれるほか、先進インダストリー事業ついても先進EV・自動運転分野が新型肺炎禍でも想定超に推移しており、上期末時点の受注残高は前年比13.9%増の28.4億円を確保しています。2月4日に公表済の3Q決算は売上高が前年同期比1.8%増・営業利益は同8.7%増と、予算に対して大幅な超過ペースで進捗しているため、今期についても上振れ着地が濃厚な情勢です。

 

今期は3年中計の最終年度であり、売上高126億円(CAGR5%)・営業利益12億円(CAGR13%)を業績目標としていましたが、数値自体は前2020年3月期に1年前倒しで達成しており、前回中計に続いて連続で前倒達成しています。本中計期間の具体的な取り組みは「IoTからIoX」への移行であり、当社が得意とするIoT技術とセキュリティ技術を高度融合させ、業容拡大していく方針です。社会インフラ事業では、宇宙システムや高度道路情報システム等の開拓を目指すほか、先進インダストリー事業に関しては、先進EV自動車・自動運転領域を拡大させ、これらの注力領域に対して当社のセキュリティを掛け合わせ、最終的なIoXソリューションとして複合的に提供していく目論見となっています。

 

現状では2023年3月期を最終年度とする新中計を策定中という状況になっています。ドライバーは売上依存度の高い三菱電機(構成比20~25%、エンドは三菱自動車とみられる)向けの先進的自動車関連が中心になるとみられ、足許では三菱電機系の販社であるたけびし(7510)と工場の生産・機器情報を管理する「IoTセキュアサーバー」を共同開発しています。また、持ち前のセキュリティ技術を活かし、庁内・自宅を1台のノートPCでLGWAN接続する自治体向けテレワークソリューション「セキュア・ラップトップ」の実証実験を芦屋市役所で開始しており、既に多くの引き合いが来ている状況です。これらの成長ドライバーを軸に、東京ガスG(同15~20%)向けを中心とするエネルギー関連が当面好調に推移するとみられることから、向こう数期は現状の年2桁水準での成長が十分期待されます。

 

財務状況については実質無借であり、自己資本比率も65%水準と盤石な状態となっています。株主還元は配当性向35%以上としており、今期配当金は【4.1→6→9.5→13→20→21→27→32→33円(予】、と11期連続の増配を予定しています。33円の場合の配当性向は36.8%となるものの、上振れ着地の場合は35円程度までの増配が想定されます。

 

*参考記事① 2020-08-31  2,483円 NT

【3837】アドソル日進/中計は連続で前倒達成、新型肺炎は影響なしの勢い。

 

*参考記事② 2020-02-14 2,584円 NT

【3837】アドソル日進/今期も大幅上振れ圏、興味の中心は次期中計に移行。

 

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