【3397】トリドールホールディングス(東証一部) OP
現在値 1,614円/100株 PER--.- PBR3.40 3月配当株主優待 9月株主優待
焼き鳥店発祥。低価格のセルフ式うどん『丸亀製麺』にシフト。
配当金は3月末一括の6.25円配当のため、配当利回りは約0.39%となります。
トリドールホールディングスは株主優待制度を実施しており、3月末・9月末に単元株以上を保有する株主に対して、3,000円分の自社優待食事券を年2回進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.10%となります。
業績を確認していきます。当社はIFRS採用企業です。
■2017年3月期 売上高 1,017億円、税前利益 84.6億円 EPS 129.9円
■2018年3月期 売上高 1,165億円、税前利益 71.7億円 EPS 107.4円
■2019年3月期 売上高 1,450億円、税前利益 13.3億円 EPS 6.2円
■2020年3月期 売上高 1,564億円、税前利益 28.3億円 EPS 21.2円
■2021年3月期 売上高 1,482億円、税前利益▲14.0億円 EPS▲12.3円 ce
□2020年9月2Q 売上高 634億円、税前利益▲35.0億円 EPS▲26.5円
2020年9月中間期の売上高は前年同期比20.7%減の634億円、税前利益は同赤転の▲35.0億円となり、大幅な減収減益となったものの、期初予算比で上振れ着地しました。新型肺炎の影響を期初から受けることが想定されたため、主力の丸亀については、1Qの既存店売上高前提を50%、同2Qも85%水準で計画していたものの、うどん・天ぷらの持ち帰りを強化したこと等により回復が想定より早くなり、上期で79.4%水準となりました。また、ロックダウンが実施され国内より状況が深刻だった海外についても台湾、香港のグループ会社を中心にテイクアウト/デリバリーが想定超で推移しました。なお出退店については、国内で丸亀を15店、コナズ珈琲を4店出店するなどしたものの、海外店が大幅な退店超過となり、展開店舗数は前期末比25店減の1,756店となりました。
通期の見通しについては期初のものを据え置いており、売上高は前期比5.3%減の1,482億円、税前利益は赤転の▲7.0億円を予想しています。下期の丸亀の既存店売上高は110%、海外事業101%、その他104%でセットしていますが、既に開示されている月次売上高によれば3Q(10-12月)期間は概ね86%水準で推移しているため、前年ハードルが急速に低くなる4Q(1-3)に巻き返すとしても過大感が否めず、上期上振れ分を食い潰して未達公算が高いと思われます。下期の出退店については、上期からは一転して国内純減・海外純増を見込んでおり、展開店舗数は前期末比純減4店の1,789店で計画しています。
当社は期初に1年前に見直したばかりの中計を再度減額の上でロールしており、最終年度である2023年3月期に売上高2,076億円(CAGR9%)、当期利益101.0億円(3年で約5倍)へ目標額を修正しています。新型肺炎禍の計画初年度の今期こそ赤字圏までしゃがむものの、翌2022年3月期からは一気に浮上させるような計画となっています。事業PFの見直しと中食強化、海外基盤の再構築といったことを取組事項として挙げています。当社の見立てによれば、国内外で外食と中食の垣根が無くなると予想されるため、特に海外では直営かJVかFCかといった運営主体最適化の話に留まらず、クラウド(ゴースト)キッチンの様な取組により、新たな事業モデルの構築を目指す目論見です。
その他の取組としては、この2月から丸亀600店で事前決済・即時持ち帰り可能なモバイルオーダー(マクドナルドが既導入済で実績あり)を開始しているほか、ポイント/クーポン電子化、高速精算機の導入、店舗発注の自動化といった効率化関連のDX施策を相次いで推進しています。出店業態については、丸亀が中心になる見通しであり、二枚看板に育てる計画であったとん一については足許では大幅な退店超過となっており、改めて次世代業態の育成が課題となりそうです。そのため向こう2~3年は内側の構造改革的な動きが中心になるとみられることから、表記の中計目標は達成が難しいものと考えています。
財務面については、IFRS16号基準適用によりオペ資産がオンバランス化されており、この会計基準の“あや”により、見えがかり上の自己資本比率は20%を割り込んでいるものの、もしIFRS16号基準なかりせば依然30%超とみられるため、同業他社比でかなり余裕のある状況です。その証左として、今期の配当予想は半減の6円25銭を見込んでいるものの、依然として有配予想を維持しているような状況です。
*参考記事① 2020-07-22 0 1,215円 OP
【3397】トリドールHD/見通し小甘いが、業績予想と配当予想の開示は評価出来る。
*参考記事② 2020-02-05 1,281円*分割修正済 OP
【3397】トリドールHD/丸亀製麺の復調顕著、増額後予算なお保守的だが。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。